第69話
充は学校に向かいながら、露店などがあり、活気のある道をのんびり歩いていた。
色々なものが売ってあり、中古と思われる武器や防具を売っている店、元気なおばちゃんが生活雑貨などが売っている店などがある。
そして、手頃な食べ物を売っている店なんかも存在する。色々な露店から鼻腔をくすぐる芳ばしい匂いが漂ってくる。
「そう言えば魔物肉の串焼きの店、あの肉また食べたいな。ここの道を曲がったところに確か店が.....あれ?」
その道を曲がると、今まで通り活気のある道が続いていたが、魔物肉の串焼きの露店だけが閉店の状態にあった。
「前に来た時はこの時間帯でもやってた気がするんだが.....」
その店に近づいていくと張り紙がしてあるのがみてとれる。
「なになに.....肉の在庫が無くなったので狩りに行ってきます.....か、やっぱり美味しいら繁盛してるんだろうな。特に病気とかになった訳じゃないならいいか。じゃあ、また明日にでも出直そうか」
そして俺は結局何も買わずに学校へと向かった。
「とりあえず次の授業までは図書館で情報収集かな」
充はこの街に馴染んできてはいるが、まだこの街に来てから二週間ほどしかたっていない。
「この世界の常識なんかはある程度理解したけど歴史とかはこれっぽっちも分からんからな」
俺は図書館まで足を運び、その重そうな扉を押し開ける。それと同時に木の軋む音が響き渡る。
「すごい本の量だな.....この中から目当ての本を見つけるのは大変そうだな」
この世界には本を検索する機械なんてあるわけがないのだ。
俺がその本の量に圧倒されていると自分の右側から不意に声をかけられた。
「こんにちは、はじめまして。とりあえず扉を閉めてもらってよろしいですか?」
声の主は眼鏡をかけてカウンターの内側に座っていた女性だった。
「あ、あぁ。すまん、本の量に圧倒されていた」
そう言って俺は開けたドアを再び軋ませながら閉める。
「ふふふ、そうですか。すごいですよね。この本の量は」
「そうですね.....えっと、失礼ながらお名前は?自分はミツル・アラキです」
「あら、申し遅れました。私はトーカ・ニシゾノと申します。お名前から察するにあなたもアズマの国の出身では?」
.....驚いた。日本人のような名前をしている。とりあえずこの場は話を合わせて乗り切ることにする。
「ええ、そうなんです。最近この国に来たばかりの新参者でこの国や、周辺国家の歴史を調べに図書館へ足を運んだんですよ」
「そうなんですか。歴史でしたら右から3番目の列の手前から数えて十四から十六の本棚にありますよ。まぁ、三つの本棚を使ってても書いてある内容は似たりよったりなので全部読む必要はないとおもいますが.....
あ、もし借りる場合は声をかけてくださいね。その時は手続きが必要なので」
「ありがとうございます。借りる時は声をかけますね」
そう言って俺は目当ての本棚へと向かった。




