第63話
充はアイシャとの授業を終えたので、放課後になるまでは家でくつろごうと家に帰ってきていた。
「ただいまぁー」
「ん、おかえり!ミツル!はやかったわね」
「あぁ、また放課後の時間になったら学校に行くけどな」
「そう、例の闘技大会関係?」
先日、みんなには新入生歓迎闘技大会に出る生徒達の指導をすることを話した。
「さすがに察しがいいな」
「女神をなめないで?」
ゼノは少し頬を膨らませそう言った。
そしてすぐニコッと笑った。
「あ、そう言えば聞きたいことがあったんだ。今二人しか居なくてちょうどいいから話していいか?」
「えっ、二人でしか話せない内容!?どうしよう、心の準備が.....」
ゼノは顔を真っ赤にした。後半小声で何か言っていたが顔が真っ赤になる要素が分からない。俺はそれをスルーし、話を続ける。
「あぁ、二人でしか話せない内容だ。俺の神創スキルのことなんだ」
するとゼノの目がすわり、いきなり光が消えたようにみえた。
「はいはい、どうせそんなことだろうと思ってましたよ.....っと、はぁ.....で?神創スキルがどうしたの?」
ゼノは一度深い溜息をつき、俺に話を続けるように促す。
「なんでそんな不機嫌なんだ.....まぁいい、とりあえずこれを見てくれ」
そう言って俺のステータスを呼び出し、スキルの詳細を開く。
「ふむふむ、なるほどね。で、このスキルの効果とかがいまいち分からないとかそんな感じかしら?」
さすがゼノだ。話が早い。
「そういうことなんだ。操作とかなんか弱体化してるように見えるしな」
「.....呆れたわ。操作って言うのはあらゆるものの操作って書いてあるとおりなんでも操作できるのよ」
「.....ロボットとかないこの世界だと役に立たなさそうじゃないか?」
この言葉を聞いたゼノはもう一度大きな溜息をついた。
「この操作っていうスキルはそういうものの操作も出来るようになるけど.....えーと、いちばん身近なのだと.....ステータスの数字をいじるとか?」
「.....チートじゃないか」
「そうね。特にミツルは属性値がぶっ飛んでいるからその数値を足りないステータスに振れば全部カンストも夢じゃないかも.....多分この条件っていうのは他人に対して使う場合とかそんな感じじゃないかな?」
やたらと恐ろしいスキルを手に入れてしまったようだ。
「.....とりあえず今はステータスいじらなくてもいいからこのスキルは置いておこう。つぎのこの確率変動者のことを聞いていいか?」
「私はさっきの操作よりもこっちの方が面白そうに見えたわ」
「と、いうと?」
俺がそう聞くとゼノは腕を組んで考え始める。数分考え続けた後、ゼノがようやく口を開いた。
「この現象を掴み取る事が出来るって言うのは.....ミツルの前世で宝くじってあったじゃない?」
俺は首を縦に振り、肯定の意を示す。
「たとえばミツルがその宝くじを一枚でもかったとするわね?すると、今まで宝くじで一等が当たる確率はゼロだったのにそれを買うと同時に果てしない確率だけど一等が当たる確率も出てくるわけね?」
「そうだが.....」
「その果てしない未来を確実に掴み取る事ができるということじゃないかしら?」
「ふむ.....?ラックチートってことか?」
「うーん.....そうなんだけどそうじゃないわね.....えーと、またステータスを参考に使うけど、レベル1の人がいるとするわ。その人は生まれつき、魔力が高くて魔法を使うのが得意だった。けれど本人は味方の盾になれる前衛としてのステータスが欲しかった。レベルアップする時に物攻や物防が沢山上がる確率は果てしなく低いわ。それでもこのスキルの介入があればそのステータスの上がり方を完璧に制御できるの」
「要は望んだ事が実現できるってことでいいか?」
「おそらくね。まぁ、なんらかの制約はあるかもしれないけれど」
と、そこでふと時計に目をやるとを既に放課後の時間帯だった。
「そろそろ学校に戻らなきゃ。ゼノありがとう、おかげでスキルの詳細がわかった」
「お役に立てたなら嬉しいわ」
「夜には戻るから。じゃあ、行ってくる」
そう言いのこし、充は学校へと転移した。




