第52話
夕飯はテル達が今日何をしていたか、など話しながら賑やかに食べた。
テル達は今日、俺の加護の影響で強くなったのでいつもよりも高難度のサンダータイガー六匹の討伐依頼を受けたらしい。途中まで苦戦していたがある時を境にかなり楽に狩れるようになったらしい。
(それってきっと俺のレベルアップの影響で加護で与えるステータスが増えたんだろうな)
だか、俺は先程神造スキルを作ってしまったために、前よりも加護で与えるステータスが減っている。なので後でゼノにだけは本当の事を話し、テルとリンには適当に理由を付けてあまり高難度の依頼を受けないように言っておいた。もちろん、三人に限らずこの家の人間なら危機に陥った瞬間に駆けつけるのだが。
「三人ともよく頑張ったな」
頑張ったのは事実なので三人を褒める。すると、三人とも照れくさそうにしていたが、俺の言葉をしっかりと受け止めてくれたようだ。
「うん、じゃあ今週の仕事が終われば休みが二日あるからその時は一緒に依頼を受けようか」
「わかった!」「ミツルさんがそれでいいなら.....」
「楽しみにしてるわ」
三人とも楽しみにしていてくれるようだ。
「じゃあ明日も早いし早めに寝るよ」
そう言って充は腰を上げ、自分の部屋に向かう。
「ミツル様、おやすみなさい」
「あぁ、おやすみ」
最後にルナがおやすみなさいと言ってくれたが俺はこの後寝る訳では無い。俺は時空魔法を使い、玄関から靴を取り、転移で街の外に出た。
「よし、じゃあやるか」
充が何をしに来たのか、それは自分の力量を測るために体を動かしに来たのである。
「まず魔法、ライトニング」
充は掌の上に小さい灯りを灯し、その灯りをその位置に固定した。
「次は火球、うん、魔力が減ったと言っても普通に多い方だから特段問題は感じないかな」
充はそこにあった岩に火球を放つ。すると、大きな音と共に岩が崩れ落ちる。
「威力も申し分無し、か」
充は自分の状況を事細かに検証して行った。それで一番変化があったのは敏捷性だった。充は今日のアースドラゴンとの戦いに限らず、多様な場面で敵を翻弄する敏捷性に頼ってきたが、ステータスが落ちたことによる目測の変化により攻撃が当たらないという現象が起こっている。
充は先程火球で破壊した岩を何度も復元し、それに対して朧月で斬撃を加える。だがーーー
「あー、くっそあたらねぇ」
いつもの調子で斬撃を振るうと敏捷性が足りてなく、岩のかなり手前で斬撃を繰り出してしまう。
止まっている物に対してこれである。敵が動く戦闘になると攻撃が当たることなどないだろう。
充は日が昇り始めるまでに何とか距離感を体に叩き込み、元の調子まで戻すと、急いで家の自室に転移した。




