第33話
「なっ!!?」
エイトくんはいきなりなくなった足下の地面に驚きの声を漏らす。
目の前の景色は上から下へと、目まぐるしく変わっており、エイトくん本人には何が起こっているのかさっぱり分からなかった。ただ、落下し続けているという事実だけがその思考を恐怖で染めあげていく。
「よしっ、いっちょ上がり」
唖然とする生徒達、そんな中第一声を発したのはエリーナ校長だった。
「な、えと、ミツルさん?それは何をしているんですか.....?」
未だ落下し続けてるエイトくんに向かって指を指す。
「ん?これ?ほら、自分は時空魔法しか使わないって言いましたよね?時空魔法には直接攻撃できる技が皆無なのでこれで降参待ちしようかな、と」
充がエイトくんにした事、それはワープホールという魔法を使っただけである。ワープホールは2つで1対の穴を作ることにより、そのワープホール間を行き来することが出来る時空魔法の1種だ。今回はそのワープホールを縦につなげてエイトくんを上手くそこに落としただけである。
「あ、他にもエイトくんみたいな不満がある子いる?今なら同じ条件で戦ってあげるけど」
充がそう問いかけると生徒達全員が首をすごい速さで横に振る。
「よし、じゃあエイトくんが降参するまでお茶でもしてようか」
そう言って充はどこかで買っておいたクッキーと紅茶を取り出す。
「おい!まて、まだ勝負は終わってねぇぞ!」
エイトくんはそういうもののもう本人にはどうしようもない。
「ほら、降参っていえばこの勝負は終わるんだよ?もうどうしようもないんだから降参しちゃいなよ。それとも何か?このワープホールの距離をどんどん縮めてほしいのかな?」
その言葉にエイトくんは青ざめる。
ワープホール間の距離を縮める、それはつまりやがて隙間がなくなり完全な異空間に放り込まれるということだ。
「それでもまだ続ける?」
そう問いかけるとようやくエイトくんは
「まいりました.....」
と、降参の意を示した。
その言葉を聞いた充はワープホールの位置を変えてやり、エイトくんを落下地獄から解放してやる。エイトくんは放心したまま宙空を見つめていた、
「よしっ、エリーナ校長約束通り更生させましたよ。私がさっき取りつけた約束も忘れないでくださいね」
「あ、はい、もちろんなんですが.....結構えげつないことしますね」
若干引き気味の目でその言葉をぶつけられると流石の充でも結構来るものがある。
「ま、まぁ、うん、いいんですこれで。終わり良ければ全て良しですよ」
そう、強引に締め括った。
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