第32話
「エイトくん、だったっけ?君は僕のどこがそんなに気に入らないんだい?」
「エイトくん.....だと!僕が誰か分かって言っているのか!セブン・クレイム子爵の息子だぞ!」
エイト・クレイム、名前に性があるということはつまりどこぞの貴族のおぼっちゃまだろう。あえて性を呼ばないことによってエイトくんを煽り冷静さを失わせる。
「うーん.....すまないがあまり聞き覚えがないんだ」
「なっ、なんだと!貴様、僕と勝負しろ!平民風情が僕に盾突いたことを後悔させてやる!」
「勝負と言っても.....僕とエイトくんとじゃ話にならないんじゃないですかね」
「当たり前だ!だから貴様にはハンデをくれてやろう!」
なんでこの子はこんなにポジティブに翼の生えたような頭をしているのだろう。
「何か勘違いしているようだからこの際はっきりいっておこう。ハンデをもらうのは君だよ?俺が君とハンデ戦なんてしたら一瞬で勝負が終わっちゃうからさ、俺は今回の戦闘では時空魔法意外何も使わない。」
エイトくんは俺の言葉を聞き、顔を真っ赤にしている。
「.....その言葉忘れるなよ?今から勝負を始めるぞ。訓練場に来い」
そう言うと足音を荒あげながら教室を出ていった。
「エリーナ校長、訓練場ってどこですか?」
「この校舎の外にあるので案内します。皆さんは.....見学したい者は一緒に来てください。それ以外の者は自習するように」
エリーナ校長がそう言うと子供たちはお互いに顔を見合わせ席を立つ。どうやら見に来るようだ。
移動中、訓練場の説明をエリーナ校長から受ける。
「訓練場とは国から支給される特別な魔法装置をつかい、安全に訓練できるという施設です。その装置を使用し、戦闘をすると実際に攻撃はうけるし、衝撃も来るけど体自体になんのダメージも入らないというとても画期的な物なんですよ」
だそうだ。
訓練場の説明を受けているあいだに訓練場に着く。
エイトくんは既に準備万端の様子で訓練場の広場の中心に居る。
「よし、じゃあ始めようかエイトくん。ルールはエイトくんはなんでもあり、俺は時空魔法意外使わない、でいいかな」
「.....負けて後悔するんじゃねぇぞ」
多分OKということだろう。エリーナ校長もそう、受け取ったのか試合開始の合図をかける。
「では、今からミツル対エイト・クレイムの模擬戦を行う。勝敗はどちらかが降参というか気絶するまで。それ以外で勝敗はつかないものとする。それでは、始め!」
エリーナ校長のその合図とともにエイトくんが駆け出す。そして次の瞬間、エイトくんは落下を始めていた。




