第30話
「アイシャはこの学校の生徒なのか?」
俺は前を歩くアイシャにそう尋ねる。
「そうだけどなんでそんなことを聞くのかしら」
「いや、ただ単に気になっただけさ。そういえば今どこに向かってるんだ?校長室に行きたいんだが」
「今向かってるのは私のクラスよ。そこにエリーナ先生もいるわ」
「ん?エリーナは校長だろ?なんでアイシャのクラスにいるんだ?」
俺は思ったことをそのまま口に出した。
すると、アイシャは少し顔を俯かせてその理由を話し始めた。
「私は自分で言うのもなんだけど天才なの。基本的にこの学校はSからCまでの4クラスで出来ているわ」
「そうか、アイシャはどのクラスに所属しているんだ?」
「今から話すわ。私はさっきも言った通り天才だからSでは収まりきらなかった。そうしてできたのが私のためだけの特Sクラスよ。私に魔法を教えられるのはこの学校でエリーナ校長しかいなかったの。だから私のクラスの担任はエリーナ校長なのよ」
ふむふむ、なるほど。それはわかった。だがなぜアイシャが暗い顔になるのかがよく分からない
「着いたわ」
余計な事を考えているあいだに着いてしまったようだ。
「エリーナ校長、おはようございます」
「おや、アイシャさんおはようございます」
アイシャは教室に入ると最初からいたエリーナに挨拶をした。
「エリーナ校長、今日はよろしくお願いします」
充は教室の中を見回す。とても綺麗な教室だが椅子と机のセットが1セットしかない。
「あ、ミツルさんも来てましたか!アイシャさん、数分ほど自習しててもらっていいですか?私はミツルさんを1年Sクラスに案内してきます」
「分かりました」
俺とエリーナさんは教室を出て移動を開始する。
その途中で俺は気になったことをエリーナさんに聞いてみることにする。
「エリーナさん、アイシャの事なんだがあの特Sクラスはアイシャ一人だけなのか?」
「えぇ、アイシャさんはとても才能があります。他の子供たちと比べ物にならないほどに。でもそれが裏目に出て仲のいい友達がいないんです。それに、アイシャさんはとある事情からあまり人を近づけない」
「ふーん.....何とかしてあげたいな」
充は顎に手を当てて思考を巡らせる。
「ふふっ、ミツルさんは優しいですね。でもこれから行くクラスはビシバシやっちゃっていいですからね!もしあのクラスの風紀を直せたら何かご褒美をあげますよ」
「っ!!」
エリーナさんのご褒美という言葉でピンときた!
「分かりました。では、その1年Sクラスを更生させたらご褒美としてーーーーーー」
「.....ふむ、いいでしょう。校長の名において約束しましょう」
「ありがとう」
充は今一度気合を入れ直し、1年Sクラスへとたどり着いた。
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