第28話
「ね、ねぇゼノちゃんどんな鑑定結果が出たの?」
「どこか強くなってた?」
ゼノはこのことを伝えるべきか迷った。
「も、もうちょっと待っててね」
(とりあえずこの加護の効果を見てみないと.....それから伝えるかどうか考えましょう)
そう考え、ゼノは能力神の加護を鑑定する。
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能力神の加護+1
効果・・・能力神のステータスが+値=%で自身のステータスに加算される。最大50%
(現在1%)
能力神は与えた加護の+値=%で自身のステータスに加算される。
(現在4%)
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この表示を見た瞬間ゼノはルナと自分のステータスを鑑定する。何故充へのステータス加算が4%なのか。思いついたのはあと二人に加護を与えているということ。
そこにはしっかりと能力神の加護の文字がある。
(くっ......私神なのに......神なのに加護を.......)
少しだけ屈辱感があるが今は置いておく。
(これは.....私だけでは決めかねるわね.....)
ゼノはこのことを伝えるのは充に相談してから決めることにした。
「うん、少しだけステータス伸びてたみたい」
「そっかー.....まぁ伸びてたなら良しとしよう!まだまだ伸びしろがあるって事だからね!」
「ついでにルナのステータスも見たけどルナも少し伸びてたわ」
「本当ですか!成長を実感出来るとなんか嬉しいですね」
「じゃあそろそろ家に帰りましょう、もう皆昼食を食べ終えて戻ってきてる頃よ」
「そうですね、じゃあ帰りましょうか」
ゼノたち4人が屋敷に戻ってくると、充も子供達も屋敷に戻ってきていた。
「お、おかえり。何を食べてきたんだ?」
「私達は冒険者のご飯を食べてきたわ」
「へぇ、そんなものがあるのか」
「私はテルさんにすすめられてサンダータイガーの肉を食べましたよ。口の中がパチパチしてて面白かったです」
「そんな面白そうなものを.....今度俺も行ってみることにするよ」
「で、ミツルと子供達は何を食べたの?」
「俺は屋台で串肉を買って学園まで歩いて行ってきた。子供達も店に入るのが緊張したらしくって屋台でそれぞれ好きなものを買って食べたらしい」
「子供達はともかく...あなたは適当なものを食べすぎじゃない?まぁ学園の下見に行ったのは偉いと思うけど.....」
「これでいいんだよ。肉も美味しかったし」
「まぁミツルがいいならいいわ.....あとひとつ話したいことがあるから後でミツルの部屋に行くわね」
「話したいこと?言っとくが俺はロリコンじゃないからゼノは守備範囲外だぞ」
「えっ...そうなの.....?じゃなくて!そういう話じゃないわよ!」
そう言ってゼノはミツルに強烈なビンタをお見舞いした。
その日の夜、ゼノは約束通り充の部屋に向かった。
「ミツル?いる?」
ゼノが扉を軽くノックし、声をかけると部屋の扉が開いた。
「ゼノか、そういえば話があるとか言ってたな。入ってくれ」
そう言われゼノは充の部屋の中を見回す。
「結構綺麗にしているのね」
ゼノは充がここまで几帳面な事に少し驚いた。
「いや、元々荷物が少なかったからな」
「そういえば私もそうだったわ.....充ってあんな服持ってたっけ?」
そう言いながら、壁にかけてある綺麗な服を指さした。
「あぁ、それは明日から学校が始まるわけだし冒険者のままの格好じゃまずいだろうと思ってな今日の昼飯の帰りに買ってきたんだ」
「ふーん.....」
よく見ると結構暗い色を使った服で、充がいつも着ているローブに合いそうな服だった。
「.....ミツル、これ店員のおすすめをそのまま買ったりしたんじゃない?」
「なんで分かるんだよ.....」
「やっぱりね。ミツルならそうすると思ったわ」
充は左の頬をポリポリと掻きながら話を逸らす。
「そう言えば本題ってなんなんだ?こんなことを話すために来たんじゃないんだろ?」
「えぇ、そうね。じゃあ本題に入るわ。ミツルは前に私がミツルはもう神になったって言ったの覚えてる?」
「まぁ、覚えてる。能力神、だったっけ?」
「そうよ。でもミツルはまだ神っぽいことしたくないとか言って加護を与えることを拒否したわよね?」
「したなぁ」
そこでゼノはミツルに自分のステータスを鑑定するように言う。
「鑑定.....おお.....?はぁぁ?」
「分かった?ミツルの加護が付いてるの。それだけならいいんだけどその効果がほかのとは比べ物にならないほどぶっ壊れてるの」
それを聞きミツルは能力神の加護を今一度確認する。
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能力神の加護+1
効果・・・能力神のステータスが+値=%で自身のステータスに加算される。最大50%
(現在1%)
能力神は与えた加護の+値=%で自身のステータスに加算される。
(現在4%)
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充は唖然とした。この上の付与されたものに対するメリットも凄まじいが何よりこの下の充に対するメリットがいじょうである。なんせ限界がないのだから。
「ゼノせんせー、しつもーん」
充は手を挙げ、質問を投げかける。
「はい、ミツルくん」
「なぜ俺が意図しないところで加護が与えられているのでしょーか」
「それはミツルが無意識に大切だと思ってしまったからね」
「要するに加護の+と愛情は比例すると?」
「まぁ簡単に言えばそうなるわね」
「じゃあゼノは俺のことこれ以上ない程に愛してくれているのか」
「ばっか!そんなわけないじゃない!あれは操作ミスよ.....あまりにも加護を与えるのが久しぶりすぎて.....」
「まぁ本気にしてたわけじゃないけどな。で、俺はゼノを含め4人を大切に思っていると?」
「......そういう事ね。まぁ嫌なら加護を消すことくらいは簡単よ?」
そこで充は悩んだ。元のステータスに戻してあげるべきかそのままにしておくべきか。
「んんんん.....このままにしておこう.....デメリットがあるわけじゃないし加護を付けていてもバレたりはしないだろう」
「そういうことならいいわ。じゃあわたしはそろそろ寝るわ。おやすみなさい」
「あぁ、おやすみ」
そして静かに部屋の扉は閉まった。




