第27話
充は昼ごはんを食べるために皆で買出しに行こうかと思ったが、何だかとてもめんどくさく感じたので、全員に余裕を持って銀貨3枚ほど渡し、適当に食べてもらう事にした。
「じゃあ、みんな迷子にならないようにな」
『はいっ!』
もし迷子になってもみんなの魔力は記憶したからサーチの範囲内なら探し出せるから安心だ。
ちなみに子供達はみんなで一緒に食べるようだ。
「よし、俺も行くか......お前らはどうする?」
俺はそうルナ達に問いかける。
「えーっと......私達は.....」
ルナが何やら言いにくそうにしていたがテルが横槍を入れた。
「これから私達女子会するから気にしなくて大丈夫だよー!」
恐らくルナは王女という立場なのでこの様な対等(?)な立場での付き合いというものが新鮮で、それでいて少し照れくさいのだろう。
「そうか。楽しんでくるといい」
そう言って充は街の方に向かって歩き出した。
(なんか美味しいものないかなぁ......)
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テルは充がどこかに行ったのを確認し、自分達も昼食を食べに行くことにする。
「よしっ!じゃあ私たちも行こうか!」
「はい、行きましょう!」
「二人共少しテンション抑えてね」
「まぁ、少しくらい高くてもいいんじゃない?」
やはりみんな少しばかり楽しみなようだ。
「じゃあ何食べに行く?」
「うーん......私はみんなに任せるわ」
「こういう時に限って食べたいものって浮かんでこないですよね.....ルナさんはどこかいい店知りませんか?」
「私が知ってる店はどうしても高いものになってしまうので.....」
「そうだよねぇ......じゃあ冒険者飯でも食べに行く?」
「冒険者飯?ですか?」
「私も食べたことないわ」
「二人共食べたことないならそれにしましょうか。結構荒々しい料理何ですけと何故か美味しいんですよね」
「そう言うことならそれにしましょう!」
ルナは少しだけ「荒々しい」というキーワードに心惹かれた。
「じゃあ冒険者ギルドのすぐ横にあるから行こうか」
そして4人で歩き出す。
「ここですか?」
ルナとゼノは看板に『小鳥の翼』と書かれた店を眺めている。
その店は冒険者ギルドの隣にあるのがふさわしいと言った様子の外観をしている。
「ほら、何立ち止まってるの?入って入ってー」
テルが2人を後ろから押して店の中に入った。その後にリンも続いた。
「ほへぇ.....」
ルナとゼノは店の中を見回した。そこはとても騒がしくて、仕事を終えた冒険者が酔っ払っていた。
「この店の雰囲気はこんなんなんだけど.....大丈夫?」
「はい、大丈夫です。むしろ感激してます!自由の象徴の冒険者!昔からずっと憧れていたので......」
「お気に召したようで何より!じゃああそこの席に座ろうか」
テルはそう言いながら店の隅のテーブルに歩いていく。
「じゃあ何頼もうかなー」
「私は......この魔物肉のステーキにします」
「じゃあ私もそれにするわ」
「私はこっちのサンダータイガーのステーキにする!口の中がピリピリして面白いんだよ!」
「では私もそれを.....」
それぞれ決まったものを店員に頼み、注文したものが来るまでガールズトークに花を咲かせるのだった。
テル達がガールズトークに花を咲かせていると料理が運ばれてきた。
「こちらが魔物肉のステーキです。今日の肉はホーンラビットの肉とホワイトブルの肉です」
ホワイトブルとはDランク相当のモンスターである。だが群れで行動するため、その脅威はCランク相当とも言われる。
そしてその肉はとても柔らかく貴族などでも口にすることがあるという。
「ホワイトブルの肉ですか!今日は当たりですね」
「今日はって事はいつもは違うの?」
ゼノは疑問に思ったことをそのまま口に出した。
「このメニューは日によって肉が違うんですよ」
「そうなのね」
次にテルとルナの前に皿が運ばれてくる。
「こちらはサンダータイガーのステーキです」
その皿にはよく焼かれた肉がのっている。
その肉はパチパチと音を立て弱い電気を放っている。
「これこれ!口の中がおもしろくなるの!」
「これがサンダータイガーの肉......すごいパチパチ鳴ってますけど大丈夫でしょうか.....」
「この肉はこちらのフォークとナイフをお使い下さい。この二つは耐雷の性質をもった魔物の骨を使っています」
そう言った後、その店員はほかの客のところへ走っていった。
「じゃあ食べようか!」
「そうね」
「そうですね。熱いうちに食べましょう」
「じゃあ.....」
『いただきます』
そう言ってみんな一斉に口に肉を運んだ。
「んっ!ホワイトブルのお肉とても柔らかくておいしいです!」
「ホワイトブルももちろん美味しいけどこのホーンラビットの肉も歯ごたえがあって私は好きよ」
「やっぱこれだね!口の中がぱちぱちするー!」
「......確かに口の中が面白いですが味もいいですね」
4人は黙々と食べ進んでいきあっという間に食べ終わってしまった。
「んー!美味しかった!」
「店の雰囲気に似合わない美味しさだったわ」
「ゼノちゃんそれはちょっと失礼かも.....」
「じゃあ会計して帰りましょうか」
そう言ってカウンターに向かおうとした時だった。
目の前に4人のがたいの良い男が立ちはだかった。
「そこのお姉さん方、これから暇?俺らと一緒に遊ばない?」
その言葉を聞いたテルは即座に否定の意を示す。
「いえ、結構です。もう帰るつもりなので」
だが男達は引き下がらない。
「良いじゃん!俺らと遊ぼうよ~!あっ、今食べてた分のお金払うからさ!」
4人はもう既に呆れていた。
「いや、ほんとにやめてください」
「ちっ、下手に出たらこれだよ!やっぱ無理矢理が一番だわ!」
男は店のど真ん中でそんな発言をした。
そしてそのままリンに掴みかかった。
「きゃっ!やめてください!」
そう言ってリンは掴まれてない方の腕を上げた。
それを見た男は気にもせず、話しかけてくる。
「へへっビンタでもするつもりか?そんなんで俺があきらめぶベッ!!」
リンのビンタがクリーンヒットし男は店の壁に激突し、店が沈黙に包まれた。
「......へっ?」
やった本人でさえ訳が分からない様子だ。
「.......リン?どうしちゃったの?」
リンを含め4人は呆然としている。
「な、なんだお前!ちっ、そこの女!こっち来い!」
と言って男はテルを捕まえようと手を伸ばす。だがその手は空を切った。
テルが尋常ではないスピードで身を引いたのである。そしてそこから回し蹴りをお見舞いしてその男を昏倒させた。
「こいつらやべぇよ!お前ら逃げるぞ!」
そう言って男達は気絶している2人を引きずって走って店を出ていった。
「あいつら無銭飲食しやがった!店は任せた!」
そう言って店の店主らしき女性がカウンターを飛び越え、男達を追って行った。
「あの女店主ワイルドね......」
「リン、テル!大丈夫ですか!?」
ルナは2人に駆け寄って二人の安否を確認する。
「うん、私たちは大丈夫.....でもリンが凄まじいビンタを放ってそれに唖然としてたら、私の体も私の体じゃないみたいに動かせた......」
「私の物攻はビンタで人を浮かせることが出来るほど高くないはず.......」
「鑑定使いの人に見てもらった方がいいのでは?」
「.....それもそうだね」
「私使えるから見てあげようか?」
「ゼノちゃんってほんと多才だねぇ」
充は「ステータス」と言って自分のステータスを呼び出しているが、この世界の人間は基本そのような事は出来ない。なので鑑定スキル持ちの人に見てもらうのが一般的である。
「じゃあ見させてもらうわね......鑑定!」
ゼノの脳内にステータス情報が流れ込んでくる。
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テルーナ (14)
ジョブ・・・重剣士(14)
レベル ・・・24
HP ・・・17,620/17,620
物攻・・・14,820
魔攻・・・103,420
魔力・・・103,420/103,420
防御力・・・20,270
俊敏・・・15,870
属性値
火・・・32,727,332
水・・・32,727,272
風・・・32,727,272
土・・・32,727,307
光・・・32,727,272
闇・・・32,727,272
スキル
疾駆
剣術
ヘイト管理
阿吽の呼吸
加護
剣神の加護+1
能力神の加護+1
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リン(14)
ジョブ・・・魔道士(14)
レベル ・・・28
HP ・・・16,720/16,720
物攻・・・11,420
魔攻・・・107,320
魔力・・・107,320/107,320
防御力・・・18,670
俊敏・・・14,120
属性値
火・・・32,727,272
水・・・32,727,662
風・・・32,727,472
土・・・32,727,272
光・・・32,727,722
闇・・・32,727,272
スキル
水属性魔法(上)
風属性補助魔法(中)
回復魔法(上)
阿吽の呼吸
加護
魔道神の加護+1
能力神の加護+1
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ゼノはこの鑑定結果を見て、頭痛がしてくるのを感じた。




