第15話
充はギルドマスターの執務室を出て、階段を降りてる途中にふと気になった事があった。
「そういえばあのドラゴン倒してからステータス見てないなぁ.....あいつそこそこ強かったからなぁどれくらい上がってるかな」
そう言いつつ、充は階段の踊り場で立ち止まり、ステータスボードを開いた。
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荒木 充 (15)
ジョブ・・・クルセイダー(26)
レベル ・・・89
HP ・・・139,200/139,200
物攻・・・89,200
魔攻・・・990,200
魔力・・・990,200/990,200
防御力・・・149,200
俊敏・・・109,200
属性値
火・・・999,999,999+
水・・・999,999,999+
風・・・999,999,999+
土・・・999,999,999+
光・・・999,999,999+
闇・・・999,999,999+
スキル
鑑定
疾駆
魔法創造
双剣術
付与術
捌き
固有スキル
属性値操作
加護
転生神の加護+999
時の女神の加護+999
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「まぁ、ステータスはお察しだが、89レベルになったのか。えーと前見たときが34だったか?55も上がってるのか」
充はステータスボードを暫く眺めていた。
「ん?スキルが増えてるな『魔法創造』、『双剣術』、『付与術』、『捌き』.....捌き?最初の3つは分かるが、捌きってなんだ?」
充には全く心当たりがなかった。
「んー.....どこで手に入れたんだ?」
充はしばらく考え込み、一つの結論に至った。
「鑑定すればいいじゃん。鑑定!」
すると『捌き』についての詳しい情報が目の前に浮かび上がる。
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スキル名『捌き』
効果
○1対多戦闘時に自動で発動する
○スキル中、5感が鋭くなり第6感が発現する
○死角からの攻撃を察知することが出来る
○このスキルが発動している間、敵の攻撃を武器で受ける、又は回避時全ステータス+2500
入手法
クルセイダー(25)達成
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「.....なるほどクルセイダーのレベルによるスキルか......そういえばジョブアビリティとベースアビリティって物があったな。この際だし、クルセイダーのアビリティだけでも確認するか」
そう言って充はステータスボードを閉じ、ギルドカードのジョブ欄のクルセイダーの詳細を開いた。
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クルセイダー(26)
○ベースアビリティ●ジョブアビリティ
●Lv1・双剣装備時攻撃力+1000
●Lv1・武器に魔法・属性付与時攻撃力+1300
○Lv1・武器に魔法・属性付与可能
○Lv5・全ステータス+200
●Lv10・武器に魔法・属性付与時攻撃力+5000
●Lv15・双剣装備時俊敏+500
○Lv20・敵の属性魔法を武器で受けた時、その攻撃を無効化できる
○Lv25・限定スキル『捌き』入手
?????????????????????
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充はそっとため息をついた。
「このアビリティ.....簡単に+4桁とか書いてるけど大丈夫なのか?いや、俺からしたら少なく感じるけど普通の人がここまで頑張ってレベル上げたとしたら凄まじい補正だよな.....」
充はそこまで考え一番問題ありそうなアビリティのことを考える。
「このLv20で獲得できるベースアビリティ.....こわれてるよな.....」
また一段階人外の限界突破をした事を憂鬱に思いつつ、このスキルを一度は試したいと思う充だった。
充がギルドの1階に着くと、3人がレッドウルフ討伐の依頼を受けるところだった。
「あっ、ミツルさん。お話は終わったんですか?」
「あぁ、終わった。3人はレッドウルフ討伐依頼を受けるの?」
「そうです!ルナちゃんと私達なら余裕です!」
「ルナちゃんって......ルナリアはそう呼ばれてもいいのか?」
「あ、はい!むしろ初めてあだ名と言うものを付けてもらったので嬉しいです!よければミツル様もそう呼びます?」
「じゃあそうさせてもらうよ。ルナ.....でいいんだよな?」
充がルナと呼ぶとルナリアは少し顔を紅くして、首を縦に振った。
「んー......3人がその依頼受けるなら俺は別の場所に行ってもいいか?少し試したい事があるから」
「はい!こちらは大丈夫なので行ってきてください」
「じゃあ俺は別のクエストを受けるよ」
「じゃあ私達は先に行ってますね!」
そう言って、3人はレッドウルフ討伐に向かった。
「えっと、受付嬢さん。群れの魔物の討伐とかないですか?」
「群れですか?んー.......ダイナリザードとかどうでしょう?」
「ダイナリザード?」
話を聞くと南門の草原を超えた先にある森に住む緑色の肌をしたトカゲのような魔物らしい。
「じゃあその依頼受けます」
「わかりました」
こうして充はダイナリザードの討伐依頼を達成する為に南門に向かうのだった。
充は街を歩いていてふと、とある白く清潔感のある建物が目に入った。
(教会か......一応こっちに転生....じゃなくて転移させてもらった恩もあるしな。一度くらいお祈りした方がいいだろう)
充はそう考え、教会へと足を向けた。
中に入ると、イメージ通りの清潔感のある白く美しい内装だった。ステンドグラスから日が差し込みとても綺麗だ。
(さて.....来たはいいけどこっちの作法とか分からないんだよなぁ)
そう思っていると、先客がいたようでおじいさんが片膝をついて両手を組み、お祈りを捧げている。
そのおじいさんが去ったあと、充も見様見真似でお祈りを捧げる。
(お陰様で楽しい人生を送れています。これからも頑張って生きていきます)
そして充がお祈りを終わろうとした瞬間充の意識がふっと、遠くなるのを感じた。そして充が目を開けると、そこは見覚えのある景色が広がり、ゆるふわの金髪幼女と、黒髪の美しい女性が立っていた。
「えーと.....お久しぶりでもないけどお久しぶりね、ミツル」
「え、俺がここにいるってことは俺死んだの?なんで?」
充が慌てていると、黒髪の女性が声をかけてきた。
「あなたは死んだ訳じゃなく、私が呼び出しただけだから安心するといいわ。どうも初めましてミツルさん。私は全能神のメルリアと言います」
「あぁ、はじめまして。死んだわけじゃなかったのか。良かった......というか、今全能神とか言ったよな?」
「はい.....言いましたけど?」
内心めんどくさいことになりそうだと心の中で直感する充だった。
「えー......っと全能神様が何の御用で?」
「あなたの加護.......ステータスに付いてね」
「加護って....あぁこの999な。いやぁこのスキルのおかげでレベルが上がりやすいわ」
「ええ、そうでしょう。だってあなたはもはや上級神よりも力を持っているのですから」
「は?なに?神?誰が?」
「ミツルさんが」
「なんで?そんなこと聞いてないんだけど?」
あまりにも衝撃的なことをさらっと言われた充は少しの間フリーズし、また動き出した。
「まぁ、この際俺が神どうこうはおいといて、なんで呼び出したんだ?」
「えっとね.....ミツル......加護は普通少しだけほんの少しのサービス精神で付けるものなんだけど、でも私999も与えちゃって.....ごめんなさい....」
金髪幼女のゼノスが頭を下げた。
「いや、多くて困ったことは今まで無いし謝る必要は無いよ」
「えーっと.....話を進めていい?」
「あ、はい。どうぞ」
メルリアはこほん、と一つ咳払いをすると、話を再開した。
「まず、なんであなたをこっちに呼んだのかと言うと、ゼノスに謝らせるためと、もう一つあってね.....」
「なんだかとてつもなく厄介そうな感じがするのだが.....」
「......実はあなたに加護をあげすぎたせいで、ゼノスの神力が落ちてきてるの」
「.....ゼノスなんかすまん」
「いえ、私の手違いだから.....と言うか私の神力が落ちてるのは聞いたけどそれとミツルを呼んだこととどう関係があるの?」
「ミツルさん、ここからは完全にこっち側のお願いだから嫌ならしっかり嫌って言ってね。無理強いはしないわ」
充は静かに頷く。
「ゼノスを地上につれてってあげて欲しいの!」
「「はっ?」」
「えーっとそれってゼノスは神をクビになったってこと?」
「メルちゃん!私もう同じ失敗しないから見捨てるのだけはやめてぇぇぇ!!」
「ちょっ!何勘違いしてるの!今や、あなたより格上の神力をもったミツルさんと少しでも長くいれば、なくなった神力が少しづつだけど増えていくのよ」
俺にはよくわからんがそうらしい。
「そうなのか?俺は一向に構わないけど.....」
「そ、そういうことなら私もそれでいいわ。地上に降りてミツルさんのそばに居るわ」
「じゃあ決まりね!じゃあお互い自己紹介と、ミツルさんはもうなってるけどゼノちゃんはミツルさんのことを呼び捨てにしましょうね」
「......よろしく。ミツル」
「お、おう。よろしくゼノス」
「んーゼノちゃん自己紹介それで終わり?つまらないなぁ」
「つまらないって何よ!?」
「んーとねゼノちゃんはね.....寝る前に絶対「わあぁぁああぁぁぁ!!!」しないと寝れないの」
「よく聞こえなかった。ワンモアプリーズ」
「もう二人ともやめてよ!なんでメルちゃんはそんなこと知ってるの!?」
ゼノスの顔は真っ赤になっている。
「これでも一応全能神やってるからねぇ」
ニヤニヤしながらメルリアが答える。
「職権乱用!」
「さて、冗談はここまで。ゼノちゃんは地上に降りるなら偽名を使った方がいいわね。ゼノって名前にしましょう」
「分かったわ」
「じゃあ話は終わりってことでいいな?」
「ええ、ゼノちゃんをよろしくお願いします。また会えるといいですね」
そう言われた瞬間俺の意識はまた遠のいて行った。
最後にみたメルリアの目には涙が今にも零れ落ちそうなほどたまっていた。
俺の意識がまたはっきりしてきて、目を開けると、俺は神界に行く前のポーズを取っていた。
何も違う場所は無い。ある一点を除けば。
「なんで.....なんで全裸なんだよぉぉぉ!」
目の前には全裸のゼノスがいた。
俺はそれを見た瞬間に身にまとっていたローブを脱ぎ、ゼノス......ゼノに被せた。
そして俺はゼノを抱えて、裏路地に入っていった。
「ん.....んぅぅ?」
「目が覚めたか?」
「ここは?」
まだ寝惚けているようで、目を擦っている。
「地上のアスメル王国という国だ」
「ほへぇ?地上....地上!?なんで!?......ってそうか地上に来たんだった」
「とりあえずお前の服買いに行くぞ」
「服?」
そこでようやく自分の状況を確認したゼノは顔を真っ赤にして、俯いてしまった。
金髪幼女がローブだけを身にまとっている状態なのだ。
「ほら、行くぞ」
そう言って充はゼノの手を引き、高級洋服店に入っていく。
「すみません、こいつに似合う服を何着か見繕ってもらえますか?」
「失礼ですが、うちの値段設定は少々お高めになっておりまして......」
充は明らかに冒険者の格好をしているため、金があるか、心配になったようだ。そこで充は、ギルドカードを渡し、
「このギルドカードに白金貨100枚分の貯金がある。好きなだけ使ってくれて構わない。出来るだけ可愛い服をとりあえず1週間着回せる程度に見繕ってくれ」
と言った。そしてギルドカードの貯金額を確認した、店長らしき女は「お任せ下さい!」と言ってゼノを奥に連れていった。
待つこと3時間。もうとっくに昼をすぎている。
「お待たせしました」
「ん?おぉ」
充が店員から声をかけられそちらに目を向けると、白い裾がフリルのワンピースを着ているゼノがいた。
「ど.....どう?似合ってる?」
「あぁ、とても似合ってる」
「お客様、こちら会計となります。それとお荷物はどうしましょう」
「ん、白金貨8枚くらい使ったのか。思ったより使わなかったな。えーと、荷物は自分が持って帰るので持ってきてください」
「かしこまりました」
そして、充はその大量の服の入った袋を両手にもち、裏路地へむかい、そこでアイテムボックスを使い、全部その中へ仕舞った。
「ありがとう.....」
「ん?あー、気にすんな。全裸の幼女といたら俺が捕まるから服を買ってやっただけだからな」
そう言って充はそっぽを向いてしまった。
ゼノはそっと微笑み、
「照れなくていいのに」
と、呟いた。
「ん?なんか言ったか?」
「何も言ってないわ」
「そうか?じゃあ俺今から冒険者ギルドの依頼達成しなきゃいけないけどゼノはどうする?」
「私も行くわ。この世界の魔物に負けるほど弱くはなってないはずよ」
「よし。じゃあ行くか!」
そして、充は当初の目的のダイナリザード討伐に向かうのだった。
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