第102話
時は少し遡り、エリックが気絶して保健室のベッドで寝ていた頃。充はエリックをここへ運んできて、近場の椅子に座って休んでいるところだった。
「さて、このまま時間を持て余すのも何だしバロンの店に行くか。色々聞きたいこともあるしな」
充はエリックが寝ているのを確認すると席を立った。
充は保健室を出てすぐ時空魔法を使い、校門前まで転移した。直接店の前に転移しなかったのはたくさんの人の目があるからだ。
「まぁ話を聞くのが目的だが、まずあの串肉を食ってからだな」
俺は足取り軽くバロンの串焼き肉の店へ向かった。
店に近づくにつれ、特製のタレをつけられた肉が焼ける香ばしい香りが強まっていく。他にも露店は出ているが、この匂いは間違いなくバロンの店のものだろう。
「いらっしゃい、今日のオススメは......っと、お前さんか。少し待ってろ店を閉める」
「軽く話が聞きたいだけだからそのまま続けてくれても構わないぞ」
「いや、いいんだ。どうせ今日はこの焼いてる分で終いだったしな」
「そうか、じゃあその焼いてる分は全部買い取らせてもらうよ」
俺は金貨を一枚バロンに渡し、焼きあがったものから手に取っていく。
「おい、銀貨一枚でたりるぞ」
「んん?そうか?じゃあこれから聞くことへの情報料だとでも思ってくれ」
俺が肉を頬張りながらそう言うと、バロンはしぶしぶと言った様子で受け取った。
「そう言うことなら突っ返したりはしないが......本当にいいのか?」
「いいんだって。しつこい男は嫌われんぞ」
「ははっ...あんたみたいな若者に言われると......なんだか腹たつな」
バロンはそう言うと今度こそ、その金貨を懐にしまった。
「で、何を話せばいいんだ?俺は」
「そうだな...」
俺は一番気になっていたことを聞いてみることにした。




