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不完全愚者の勇者譚  作者: リョウゴ
第一部 一章 前編 異世界の洗礼
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初めての戦闘



「グギャァ!!」


 創作上なら攻撃を受け止めてカウンターとか突然こんな事になっても出来るのだろうけれど。


「!!」


 僕にはそんな事出来る気がしない。素人には普通出来ないだろうし。


 だから、先に飛びかかった。


 幸いなことに心の準備をするだけの時間はあったのだ。


 落ち着いて自分よりも身長の低いゴブリンの振り上げた右手の剣を振り上げる前に顔面向けて跳び蹴りをした。


 だってナイフあっても怖いでしょ。手を近づけるのは。


「グギッ」


 見事、右足が先頭のゴブリンの頭に当たり、勢い余って地面まで行き、踏み潰す。


 あれ………あっさりやれた。


「グ、ググ……」


 とりあえず、ボロボロでも剣だ。踏み潰したゴブリンの剣を左手に持った。


「「グギャァァッ!!」」


 取り敢えずゴブリンの皆様はお仲間の死にご立腹な様です。


 そこで、突然の飛来物が頬を掠る。


 先を見れば一匹、弓を持ったゴブリンがいて、矢を放ったことが分かる。


───そう言えば、前の時も、こんな感じで殺されたんだったか。


「やるか。」


 僕は二匹同時に真っ正面から襲いかかってきた、僕から見て右の方のゴブリンを左手で持った剣をバットでフルスイングするように思い切り振り回し、顔面に当てる。


 剣はゴブリンの顔面に浅く食い込む。切れ味が足りないのか、全く切れていない。これじゃただの鉄の棒だ。


 しかし当たったゴブリンを吹き飛ばすには十分で、さらに吹っ飛んだゴブリンはもう一方のゴブリンを巻き込んで飛んだ。


 思っていた以上に軽い。剣は重いけど。


「おりゃあ!」


 さっきの一撃でヒビが入ってしまったぼろい剣。それで一番奥にいた弓使いを狙い、投げ飛ばした。


「ガギャァ!!?」


 剣は少しゴブリンから逸れてしまったが、当たる。それによって肩を強打して後ろに転がる弓使いゴブリン。


 接近してきたゴブリン。そいつが剣を出鱈目に振り回す。


 投げた直後の攻撃だったため、とっさに仰け反った僕の胸元を掠めていった。


「…っ!」


 僕は、そこから距離を取った。


 出来るだけ自然体を意識して、ナイフを構える。


「これだけやったら分かるでしょ? どっか行ってよ」


 対話が成立するかわからないけれど、取り敢えず呼びかけてみた。


「グギャ! ガギィ?」


 話を聞いてくれなかったか、理解すらされなかったか、ゴブリンのうち一匹が飛びかかろうとしてきた。


 しかし飛びかかろうとしたゴブリンを引き留めた別のゴブリン。


 極めて人間っぽい動きで首を横に振る。


 まるで、止めておけと言わんばかりに。


 それで、ゴブリンは剣を下ろした。


「…………」


 ゴブリンは僕を睨みながらではあるものの、引き下がってくれた。


 走って、どこかに行ってしまった。



 やがてゴブリン達が見えなくなると僕は草原に仰向けに倒れ込んだ。


「…………………ぷはぁ!! 怖かったぁ!!!」


 掠り傷だけしか追っていないとは言え、一歩間違えていたら、死んでいたかもしれない。


 そう思うと、寒気が止まらなかった。


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