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不完全愚者の勇者譚  作者: リョウゴ
第一部 一章 前編 異世界の洗礼
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世界の常識

「まずは……ステータスって何?」


「うっわ、それすら分かってないのか。……記憶喪失なら…仕方ねぇのか」


 呻く隣の人。


「まぁ、今は手を動かせないから………顎で長方形を書いてくれ」


 僕は言われたとおりに、顎を動かす。


「うわっ!?」


 すると顎で描いた軌跡が、青白く光り、一枚のパネルのような物が視界に浮かぶ。


 真っ暗闇なのにパネルだけはしっかりと見えた。


「それに書いてあるのが、ステータスってやつだ。その光る板を、一般的には〔ステータス窓〕なんて呼んでるな」


 どことなくゲームのメニュー画面みたいだ。


「一応そこに載ってるのは能力値だけで、素質……適性は乗っていないけど、適性は冒険者カードとかで見られるから置いておく。ステータスは以上だ。と思う」


 一応〔ステータス窓〕を開いたけれど、目を逸らしたら、消えていた。


 特にステータスに関しての質問は無いので、別の質問をした。


「遠く、遙か彼方にある四本の柱。あれは何?」


「あれはなぁ……聞いた限りだと、百年前には誰しも頭上にあったという柱を丁度百年前に誰がやったのか四本に分けて、四方向の彼方へと押しやった……それからというものの、魔法が使えるようになった。なんて言われている柱なんだよ」


 百年前には誰しも頭上にあったという柱……?


「ん、と、それだと柱は人それぞれに見え方が違ったりするの?」


「そ。どこまで行っても認識出来る視界の端に浮遊する柱。それがあの柱だよ。謎が多いけど、柱のある方角は皆同じだから方角を示すときに使われるね。蒼紅橙翠」


 柱は、〖蒼〗を正面にすると左手に〖翠〗、右手に〖橙〗背後に〖紅〗であり、日は〖橙〗から上り〖翠〗に沈む。(とう)(ざい)(なん)(ぼく)ってことみたい。


 東とか言っても通じないよな。異世界だもんね。


「魔物とかっているの? ゴブリンみたいなのにあったけどあれって何?」


「魔物……はよく分からないけど、ゴブリンは魔獣だな。魔獣っつーのは、家畜でも人でもない動物で、実際のところ家畜か魔獣かしか分類されていないんだ。害があるかどうかなんて小さいことだと昔の人が言っていた。」


 細かいことは良いんだよって? 良いのだろうかそれは。そんな分類だと犬も亀も兎も魔獣ではないか。モンスターに全部いそうだけどさ!?


「後は、解析されそうになったんだけど。解析って何?」


「解析って言うのは、分類上【支援】の魔法なんだけど、属性外魔法のようなものなんだよ。効果はそのまんま。ステータスを解析する魔法で、他にも隠し持ってる物くらいだったら分かっちゃうんだよ」


「へぇー」


 しかし興奮しすぎて、声が大きかったのか、外から


「ゴルァ!! うるせえぞ!! 黙らないとこうだ!!」


 と怒られた。


「が………あ…」


 隣の人から苦悶の声が上がる。他の所からも小さな呻きが聞こえてくる。


 僕は何ともないけれど、何かされているのだろうか。きっとそうだろう。


 大丈夫かと聞きたくなったけれど、聞けばまた怒られるのではないかと、口を噤んだ。


 無闇に怒られる行動は謹むべきだと僕は思った。




────その後、僕は約一週間、馬車の上で生活する事となる。


 転がされたまま、運ばれている。


──ステータス──


【アサギ ユウ】

【Lv】2

身体能力値…一般成人男性を50とする

【HP】 42【MP】 7569

【力】 38【魔力】19

【体力】41【技量】43

【敏捷】62【運】 140 (90+50)

【癒力】17

使用可能属性…2属性使用可能が一般的

7/7

【火】【水】【風】【土】

【妨害】【支援】【浄化】

身体能力素質

→非公開


魔法適性ランク

→非公開


【状態】

《不幸悪運の加護》 …… 紅蓮の森の妖精の加護。不幸な目に何度も遭うが、不思議と致命的な失敗をしない。運+50。加護期間残り27日


《----の祈り》 …… 髪の長さを一定に保ちながら髪の色を変える加護。解除不可能。

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