ユー・オンリー・・。
おはこんばんちくわ、どもどもー^^
北村先生、登場です。
「この件ですが・・そろそろお決まりになられましたか?北村先生」
「あー・・・・・それが、ですねー・・・」
正直、行き詰っていた。
『この件』というのは、単純に言えば校長側につくのかどうなのか・・というものだ。
校長側につかない場合は、学園の全生徒を抹殺して出ていけと。
もちろん、俺は教師だ。
綺麗事を言っているようなのだが、生徒を殺すなんざ無理だ。
無論、自分の命がかかっていても。
「北村先生?早く仰っていただけません?こちらも暇ではないので」
「あ、すいません・・その、やはり校長先生のほうに立つにはちょっと・・・」
「・・・そうですか、では・・」
「いや、ちょっと待て、生徒抹殺は後にさせてほしいんだ」
「どういうことです?」
「その・・・・言いにくいんだが、こっちにも少し未練がありまして・・」
「未練・・・ですか、いいですよ。決断をなされたら、また校長室におこしください」
「じゃあ、失礼しまーす・・・」
「はい、それでは」
堅苦しい校長室を出て、いろいろと思考を巡らせる。
俺が言う『未練』というのは、リアルに洒落にならない。
これは確実に・・ヤバいヤツなのだ。
とりあえず暗黙の了解、といって誤魔化させていただこう。
「あー・・・・・・・」
俺も、落ちぶれたものだ。
こんないい歳して、若いの引っかけて。
悪い悪いとは理解しているものの、それでもまだ、愛されたいと願ってしまう。
情けないな。
「・・・本当に、情けないね」
「・・・・・・は?」
後ろから、声がした。
生き残っていた生徒か・・よくぞ無事でいたものだな。
「せんせーは、想先輩のこと護りたいんでしょう?」
「・・・・名前は」
「土島です。想先輩たちと行動してるんですよ」
土島、か。
たぶん1年・・だったか。
『瑠乃』とかいう珍しい名前だったような気がする。
「俺に説教でもしに来たのか?」
「・・・あーもう、素直じゃないですよねー・・せんせーも、先輩も」
やる気のなさそうな声が、俺を振り返らせたくないような。
そんな感じだろう。
「いいですか?先輩・・・いや、女を悩ませるなんて最ッッ低のクズ野郎ですよ?そんなクズ野郎は、まだ先輩に会いたいんですよね?護りたいんですよね?【自主規制】したいんですよね?」
「いや・・・・・【自主規制】したいとかは一言も言ってねぇんだけど」
「とにかく!先輩はそんなクズ野郎に護られて嬉しいと思いますか?」
全くコイツは、俺を罵り放題だな。
まあ大体は当たってるんだが。
ここまで心配してやってるんだな、アイツを。
「・・・・・・俺に、会えって言ってんのか?」
「もちろんです。・・あ、それと」
「ん?」
「あたしたち、保健室で待機してるんで」
「ああ」
「保健室で、待機してるんで」
「?・・ああ、分かったって」
「ほ・け・ん・し・つ・で、待機してるんで!」
「だから分かったって!さっきからどうしたんだよ・・?」
「先輩に【自主規制】しても大丈夫ですから」
「はぁぁ!?いつまでそれ引きずるつもりだお前は!!」
「むしろしてください、あたし見てるんで」
「見んな!てかしねぇよ!!」
大人ぶって罵り放題だったコイツも、結局はただの思春期娘か。
ああ、これだから高校生の奴らは困る。
「まあとりあえず!絶ッッ対に来てあげてくださいよ?あたしたち、そん時くらいは違う部屋いときますから・・」
「そうだな、思春期共は移動させとけ」
「させときますから、絶ッ対!絶ッッッ対に来てくださいよ?約束ですから!!」
「あー分かった分かった」
そう適当に言っておきながら、俺の心臓はうるさくなっていた。
想「お兄ちゃん、何か瑠乃が気持ち悪いんだけど・・(コソコソ」
辿「しょうがない、そろそろノルマに・・(コソコソ」
瑠 (監視カメラどこに配置しようか・・!)