表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/11

クローズ ザ・アイ

おはこんばんちくわー^^

んー、今回なんか怖い・・

私ははっきり言うと、作戦も何も用意していない。

晴子がどう出るだとか、そんな難しいことは今、通用しない気がして。

もしかしたら殺されるかもしれない。

それとも・・?


「・・・分かった」

「潤さん・・」

「行ってこればいいと思うよ、俺は」

「・・・・・ありがとう」

「そのかわり、絶対帰ってきてくれよ?そうじゃないとこっちのお兄さんがダメになっちまうからな?」

「ふふ、そうですね」

「潤太郎くんがうるさいでーす」

「はいはい、悪かった悪かった・・・・想ちゃんが心配なんだよな?」

「当たり前だ」

「んもーっ、何それ急に~!行きにくくなんじゃん!私もう行くよ?」

「気ぃつけてな~」

「絶ッッッ対帰ってこいよバカ妹!」

「はーい!!」


あらら、『バカ妹』だってさ。

言われちゃったな。

まあお兄ちゃんなりの心配の仕方なんだろうけどね。

こっちも負担かかっちゃうなぁ。


「・・・・・・・ここ・・っぽいかな・・・?」


気配なんざ完全なる勘。

実際どこにいるか知らないし、分からない。


ーーがらがら。


「・・・・・・・・ありゃ、違いましたか・・」


ここはバツ。

じゃあ次は・・隣へ行ってみるか。


「・・・想、ちゃん?」

「・・・・・・・・ぇ、」


声が聞こえたのは隣だった。

この声は絶対に晴子だ。

いつもより弱々しい気もする。


「・・・晴子・・・・・・!」

「ふふっ、想ちゃんってば不思議だね・・・・まさか私と同じ気持ちだったなんてさ」

「同じ?・・・晴子も、私を探してたの?」

「うん、ずっと」

「・・・そっか」


最終的に、落ち合うは心。

晴子のいる教室は窓が開いていて、風が私たちの間を吹き抜けていく。


「ねえ、晴子はさ」

「ん?」

「私のこと、嫌いだったんだよね」

「・・・・え?」

「だから、殺そうとしたんでしょ?・・あのとき」

「違うよ・・違うの、嫌いなわけない」

「じゃあ何で、刺そうとしたの?私のせいなんだよね?」

「ごめん、想ちゃん・・・・私、私は・・・!」

「・・・?」

「・・・・・・・・いや・・何も、ない・・・ねえ、想ちゃん」

「・・何?」

「今日こそ私を、殺してほしいの」


衝撃だった。

前とは違って、向こうから殺気は感じない・・だが、『今日こそ』なんて。


「・・・・無理だって・・私、そんなこと・・・」

「お願いッ・・・・・・私、そうじゃないと想ちゃんを・・・・・!」

「やめて、晴子・・・」

「想ちゃんッ!隠さないでッ!!」

「はる、こ・・・・?」

「いつもいつもそうなの・・想ちゃんは最初から・・・!想ちゃん、きっと私のこと憎いはずなのに・・・・・・どうしてそんなに隠すの?」

「・・・・・ッ」

「想ちゃんは、私に自分のことなんて何も教えてくれなかったよね?・・・怖かったんだよね・・?・・・人に、自分を教えるのが」

「・・・・・・・・やめ、て」


本当は、ずっと恐れていた。

幼いころからずっと。

何もかも、自分で自分を覆い隠していた。

ああもう、この視線が嫌いだ。

人の目が。


「見ないで・・・・・・嫌、なの・・!」


声が、視線が、瞳が。

私は人の目を見続けることが恐い。

・・視線恐怖症、だった。


「・・・・あれ?こ、えが・・」


私の脳内は軽いパニック状態だ。

晴子はずっと私の目の前で話しているのに、聞こえない。

あるいは、恐れすぎて聞こうとしていないのか。

気付けば私は、晴子の目を直視していた。


「・・・・・・・・・こわい、から・・・・」


私は、机の上にあったカッターナイフを握りしめていた。


ーーぐさっ。


「・・やめてって・・・・・言ったのに・・・・」


気付けば私は、晴子の目を『直視』していた。

想ちゃんマジブラックエンジェル。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ