プロローグ
改めまして、朱莉と申します。
長期連載になります。
よろしければお付き合いください。
そこにはなにもない。
ただただ、存在する。
場所という場所もなく、時間という時間もなく、無限に広がる <何か>
<それ>はあるとき無数の次元をつくりあげた。作り上げた無数の次元に、のちに【神】とよばれるもの達を放り込んだ。
そして、<それ>は自分の代わりともなるひとつの自我をもつ存在を作り上げた。
その存在は、<それ>に次ぐものであり、あらゆるものの頂点である。それは【神】でさえ例外ではない。
その存在は、無数の次元、その中でのちに【神々】によって作り上げられた数々の【世界】のバランスを保つ≪調停者≫であり、それらの行く先を観察する≪見届ける者≫。
<それ>はその存在に名を与え、形を与えた。その存在は≪紅・白・緑・紫・青・金・銀・黒≫の8色の色を持ち、人の形を持って生まれた。
その姿は17,8歳ほどの力を感じさせる美しい少女のものであった。
<それ>はその少女が【色】を持って生まれたことに歓喜し、その色に一つ一つに意味と力を贈った。
≪紅≫には、感情と天地と公平を 司りし力は火と炎と朝。
≪白≫には、生と死と縁を 司りし力は雷と時。
≪緑≫には、自然と貧富と学問を 司りし力は風と木。
≪紫≫には、夢と精神と芸術を 司りし力は毒と呪い。
≪青≫には、静と動と空間を 司りし力は水と氷。
≪金≫には、高貴と道と運を 司りし力は光と土。
≪銀≫には、物質と争いと力を 司りし力は原子と無
≪黒≫には、嘘と真実と不公平を 司りし力は闇と月と夜。
少女はその意味と力を受け取った。
そして少女が口を開く
「我が名は━━━━━━━・━━・━━━━━・━━━━━━・━━━。何か御用でしょうか」
<それ>は命じた。
<我>に存在を表す名を与えよ、と。
少女は半ば、その名が当たり前かのように思いながら言った。
「<クレアシオン>、あなた様は<クレアシオン>様です」
<クレアシオン>はその名を喜んで受け入れた。
━━そして、力を使い果たした<クレアシオン>は少女に後を託し、いつ目覚めるかも分からないほどの深く長い眠りについた。
少女は<クレアシオン>が眠りにつくのを感じながら、最後につぶやいた
「後は、お任せください・・・・・・」