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3-9. 独白

その後、俺は追いかけて来た警備員に連行され、詰所にて説教を受けることとなった。

やっと解放されると、出入り口では彼女が佇んでいた。


「本当は、ずっと早い時間に街を離れようと思っていたんです。」

彼女は俯きながら淡々と語り始めた。

「すぐに街を離れて、そして、今まで通り旅をしようって、そう思っていたんです。」


彼女は続ける。

「でもここまで来て、気付いてしまった。私の目的が変わっていることに。」

「最初は世界を知りたかっただけだったのに。」

「いつの間にか〈貴方と〉世界を知りたいに変わっていた。」

「だから……どうすれば良いのか、分からなくなったんです。」


彼女は顔を上げて更に続ける。

「あんなことを大声で叫んで……しっかりここまで聞こえていましたよ。」

無性に恥ずかしくなり、顔が熱くなる。

「許すも許さないも無いんです。」

彼女の言葉に頬が緩む。

「私は貴方にずっと感謝しているんだから。」


そして

「私に空の広さを教えてくれたのは貴方だったから。」

俺は彼女を抱き締めた。



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