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1-1. 出会い

彼女が実験体となるのと、俺が研究所に配属されたのは同じタイミングだった。


その研究所では〈生命力〉の研究を行っていた。

生命力とは、つまりは生きる力である。瀕死の人間は助かり、病弱な人間は元気になる。

そんな夢を追い続け、人間はついに可能性を見つけ出した。


それが有翼種族、通称〈天使〉の存在であった。

彼らは人間より知能が発達しており、争いを好まない事で知られていた。

彼らは生まれつき生命力が異常に強く、人間はそこに目を付けた。

人間は天使を追い求め、ついには神聖な存在と崇めていた彼等をモルモットに貶めた。


様々な薬品を投与し、化学反応の調査のために電極を取り付け放電し、経過観察のために内臓部を再生可能な程度に部分的に摘出する。

彼等の体内に生命力を補填するワクチンを作成するのが目的で行われた研究が、〈拷問〉と対して変わらない事に気付くまで、そう長い時間は掛からなかった。

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