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3-3. 無謀な作戦

頭上から聞こえてくる彼女の声に警備隊の声が混ざり、俺は思わず身構えた。


そもそも、彼女に列車へ乗ることが出来るのだろうか。

やり方は一通り教えたが、不安は心の底から湧き上がってくる。


手配書が回っていることを知り、慌てて対策を練った。

手配内容に彼女の情報が無かったことから、今回の方法を考えたが、無謀な作戦であることは否めない。


やはりもう少し、考えてから行動すべきだったか。しかし、時間が経つほど動きが制限されてしまう。

結局はどこかで無茶をやり遂げなければならないのならば、早く動くに越したことはないだろう。


〈荷物検査〉の瞬間。このタイミングさえ乗り越えることができれば何とかなるはずだ。

検品室にて検査官を瞬時に無力化する。簡単なことだ。後はその瞬間に反応出来れば良いだけなのだ。


思考の渦に揉まれていると、急に光りが差し込んでくる。

俺は鞄から勢い良く半身を出すと急いで周囲の状況を確認する。


右手に忍ばせていた拳銃を構えながら検査官の姿を探すが、目に付くのは彼女の姿ばかりである。

何度も見回して漸く気が付く。既にここは列車の中ではないか。


拳銃が恐ろしかったのか、俺から目線を逸らして震える彼女を宥める。

警戒を解いた彼女にどうやって荷物検査を潜り抜けたのかを聞いてみたが、彼女は首を傾げただけだった。

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