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3-1, 警備隊員の日誌
ここ最近は多忙な日々が続いている。
先日の国家直属の研究施設が襲われた騒動以来、国内全域での警備体制の強化が敷かれたためだ。
犯人は研究所の職員だったとのことであるが、事前に防ぐことは出来なかったのだろうか。
それにしても、なんとも不貞不貞しい面構えをしている男だ。
この手配書だけでも、よくもまぁ、こんな職員を採用したものだと思う。
ところで、今日は珍しい少女に出会った。
彼女は大きな鞄を引きながら、券売所の前でおろおろとしていた。
困っている姿を微笑ましく思いながら声を掛けてみると、どうやら彼女は個室の予約方法が分からなくてようだった。
列車に乗り慣れていないとは、どこかの御令嬢なのだろうか。代わりに見晴らしの良い部屋をとってあげると、とても感謝をされてしまった。
彼女は記念にともう一枚のチケットを購入すると、何度も頭を下げながら去っていった。
やはり、良い事をすると気持ちが良い。
国境横断鉄道は本日も異常なし。




