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2-8. 献身

明日からの行動が決まると、今日は早めに休むことにした。


彼女に先に休むように伝えると、俺はすぐに出発出来るように準備を始める。

準備といっても特に手間取る様なことは無い。

荷物の確認と医療用品の残数のチェック、後は乾かした衣類を鞄にまとめていくだけである。

人里を離れた場所へ向かうのならば、緊急時に使用する食料や飲料水などを多めに入れておくのだが、現在の予定ではもう暫くは街を移動するのが主要な目的となる。


荷物がまとまった頃、背中に小さな衝撃を感じる。

振り返ってみると、生まれたままの姿の彼女がそこにいた。

俺は釘付けになる視線を何とか引き剥がすことに成功すると、努めて平静を装いながら、彼女にどうしたのか聞いてみる。


彼女は消え入りそうな声で呟いた。


私は何も持ってないから。

こんなに一生懸命な貴方に何も返せないから。

私にはこれぐらいしか出来ないから。


そうして、彼女は俺の背中に身体を預けてきた。

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