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◆名も無き楽園

◆名も無き楽園


 飛び込んでくるのは、輝かんばかりの緑。

 そして、色とりどりの花達。

 ガラス張りの温室の中には、人が楽しめるようにと、白いテーブルクロスの掛かったテーブルに、細かい細工が施された白い椅子が5脚置かれていた。


 そんな、素敵な庭園で、二人の少女が楽しそうにティータイムを過ごしていた。

「ねえ、トゥーラ? カリス姉さまが、お疲れなんですって」

「ええ、シャーナ。だから後継を探しているって」

 どうやら、その二人は双子のようだ。

 お揃いのドレス、お揃いの帽子、お揃いのバッグ。

 けれど違うのは、その色。

 一人は鮮やかな赤。

 もう一人は、艶やかな黒。

 楽しそうに笑いながら、ひと時のお喋りを楽しんでいる。

「でも、カリス姉さまの後継ってだあれ?」

「姉さま以上のヒトっていたかしら?」

 ねえと、声を合わせて、同じ紅茶を飲み干した。

「姉さまも限界よね……」

「ずっとわたしたちを見ながら、あんなにたくさん働いているんだもの」

「他のヒトたちにも、姉さまの爪の垢を飲ませたいくらい」

「そうそう、それくらい働いてみなさいってものよね」

 くすくす笑いながら、同時に同じ、クッキーを口に入れた。

 ぱりぱりと美味しそうに頬張って。

「かといって、わたしたちじゃ、姉さまの足元にも及ばない」

「仕方ないわよ、わたしたちはそういう立場には、絶対になれないもの」

 二人は同時に、紅茶にミルクを入れた。

 同じように紅茶に白い円が出来上がる。それを二人は満足げに眺めていた。

「早く姉さまの後継が生まれるといいわね」

「ええ、そしたら、姉さまの代わりに一緒に遊んでもらわなくっちゃ」

 にこっと微笑みあって。

「「楽しみねっ♪」」

 二人の笑いが庭園に響き渡る。

 ふと、二人は同時に空を見上げた。

 ガラス越しに見える、どこまでも澄んだ青い空を。

「あらやだ」

「姉さまのところにお客様っ」

「わたしたちもお迎えしなくっちゃ」

「遅れたら姉さまに叱られるわ」

 ばたばたと慌しく、庭園の外へ向かう。と、一人が振り返った。

「やだ。鞄忘れちゃった」


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