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◆僅かな綻び

◆僅かな綻び


 薄暗い部屋。

 その中で、音も無くコンピューターが動いていた。

 繭のような、空中に浮かぶイスに、彼は体を預けている。

 と、顔全体を覆うヘッドマウントディスプレイの中、彼は首を傾げた。

「ディヴァス、レミド、フォーガレア」

 ぴぴぴと、コンピュータが反応し、ディスプレイの内側で答えを返している。

 彼は眉を顰めると。

「……わかってるよ。けど、もう少しで終わりでしょ?」

 先ほどの言葉が、別の言葉へと変わった。

「このボクが、そんなヘマやると思うのかい? ボクはこの都市の創設者の一人。最高の地位を持っているんだ」

 不服そうな顔で続ける。

「それにそっちでも、それなりの地位を築いているつもりだよ。そのために、単身でこの原始的な星に来ているんだからね」

 ぽぽぽ……とコンピュータが何かを返している。

「とにかく、ここのことは、ボクに任せてよ」

 乱暴にコンピュータを落とすと、彼は苛立ちながら、被っていたヘッドマウントディスプレイを放り投げた。それでも壊れることはないのだが。

「……何だよ。ボクにその力が無いって言ってるわけ? あいつらは」

 イスから降りて、彼は部屋の窓に近寄り、カーテンを開いた。

 とたんに差し込むのは、陽の光。

 彼はその眩しさに瞳を細めて言った。

「変な小娘がいたけど、それだって想定内だ。計画は順調に進んでる」

 彼の眼下には、いつもの営みを続ける東京都市の姿があった。

「もうすぐ、この星は……ボクらのもの、なんだからね……」

 あざ笑うかのように、彼は嗤う。

 その顔に、異常な幼さを残して……。

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