プロローグ? ②
皆様、おはこんにちばんわ。
変態です( ゜Д゜)
今回は二人目の主人公&ヒロインです。
稚拙な文章ですが、読んでくれると嬉しいです。
ではでは、『俺とクー』始まります。
今日は7月19日。
明日からは晴れて夏休みだ。
俺は自分に配られた成績表を見ながらそう思った。
夏休み。
俺の様な部活生にはあまり嬉しくは無い言葉だ。
今日も部活が長い。
サッカーは楽しいのだが、練習はとてもキツイ。
しかも俺はレギュラーだ。
周りの期待がとても痛い……
おっと、紹介が遅れたな。
俺は 『岩崎 圭介』。
二年三組、サッカー部所属で、キーパーをやっている。
身体が大きく、怖い人と思われがちだが、そんな事は全然無いぞ?
ふぅ……
やっと今学期が終わったか。
おや?
隣で田中が死んでいるが……
ああ、成績表か。
なるほど。赤点ホルダーは伊達じゃないな。
さて、こんなバカは置いといて、俺は部活に行かなければ……
俺は、成績や夏休みの事で騒がしい教室を後にした。
早く部室に急がなければ……
「遅いですよ。皆さんはもう着替え終わってグラウンドに居ます」
部室に入った瞬間、俺に非難の声が浴びせられた。
「ああ、京か。すまんな。色々と忙しくて」
「だったら尚更、早く行った方が良いですよ。レギュラーが遅刻なんて、下級生に示しが付きません」
「ああ、分かっている」
この声の主は、『香川 京』同学年の女子で、サッカー部のマネージャーをしている。
隣に京が居る事を忘れ、俺は急いで服を脱ぎだすと、ユニフォームに手をかけた。
だが……
「な、なんでいきなり脱ぎ出すんですかっ!?」
「おお、悪い。そう言えば居たな」
「居たな、じゃ無いですよ!! 私は出ますから、早く来て下さいねっ!」
「ああ、すまん」
ガチャンッ!!
と言う音がして、部室のドアが閉まる。
京も女子だ。
同学年の男子の着替えなど見たくは無いだろう。
悪い事をした……
「ま、それは置いといて……グラウンドに出るか……」
急いでグラウンドまでの道を走り、同級生や下級生に頭を下げる。
「すまん、遅れた!」
下級生A「まだ始まってないから、大丈夫ですよ、先輩」
同級生A「そうだぞ。まぁ、そんな所がお前の美点なんだろうがな」
「ああ、すまん」
同級生A「謝んなって。安心しろ、お前なら多少遅れても文句は言わん」
下級生B「そうですよ。岩崎先輩はいつも早いですから、誰も文句は言いませんよ」
「悪いな……」
ありがとう。
同級生Aに下級生A、B。
お前達の名前は事情があって乗せられんが、本当に感謝している。
ふぅ、息も整った。
では、部活を始めるか!!
~少年部活中~
ああ、疲れた…………
サッカーは楽しいのだが、長時間やると疲労感が勝ってくる。
今日も身体がガタガタだ。
同級生A、B「「じゃあなー、岩崎ー」」
「ああ、また明日な」
同級生達も疲れているらしい。
それもそうか。
今日の練習は一段とハードだった……
夏休み前に心を引き締めろ、と言う事だろうか……?
俺は家への道のりを、そう考えながら歩いていった。
「い、岩崎さんっ!」
なんだろうか、と言うか、誰だろうか。
俺は今疲れていて、話すのも面倒くさいのだ。
「ん? 誰だ……?」
「私です。香川です」
「ああ、京か……」
「はい」
「で、なんの用だ?」
「いえ、帰り道が一緒なので、せっかくだから話でもしようかと」
「そうか……だが、今の俺と話しをしても面白くは無いぞ……疲れてるからな……」
「いえ、岩崎さんと一緒なら私は楽しいですよ」
「そうか? 俺はそんなに楽しいヤツでは無いと思うが……」
「いえいえ、そう自分を卑下なさらずに」
「ああ、そうかな……?」
京は俺を見て言う。
部活中は厳しいが、普段はこんな感じだ。
だが、あまり表情に変化が無い。もっと表情豊かにならないのだろうか?
もっと愛想がよければ、彼氏なんてすぐに出来るだろうに……
「なぁ、京」
「なんです?」
「お前、彼氏は作らないのか?」
「へはっ!? い、いきなり何を!?」
「いや、お前ほど出来た女なら、彼氏の一人や二人居るのかと思ってな」
「い、いませんよ!? それに何ですか!?
彼氏の一人や二人って! 私はそんなに尻軽ではありません!!」
「ああ、それは悪かったな……すまん」
「ああ、もう、いいですよ。頭を上げて下さい」
「いやいや、すまなかった」
「いいですって……」
呆れたように言う京と、
頭を下げる俺と。
二人の長い影が道路の端まで伸びていた。
「……………………………」
「……………………………」
二人とも話す話題が無いのか、しばし無言のまま歩いた。
すると、いきなり京が歩みを止めた。
「ん? どうしたんだ?」
「え? あ、いえ……」
京の視線の先には、ショーウィンドウに飾られた、小型のアクセサリーの様な物があった。
京はそれをジッと見つめている。
「なんだ? 欲しいのか?」
「え? ああ……正直言うと、欲しいです……ですが、私の家は少々厳しいので……」
「そうか。なら、俺が買ってやろうか?」
「え!? 良いんですか!?」
「ああ。親から貰った金を溜め込んでいてな。使い道が無いから困っていた所だ」
「ですが……やはり止めておきます。そこまでお世話になる訳には……」
「なに、気にするな。俺は使い道が無くて困っていると言うんだ。
お前に使ってもらいたい」
「いえ、でも……」
「ほらほら、入るぞ」
「え!? あ、ちょっと!?」
中々煮え切らない京に痺れを切らした俺は、
京の腕を掴み、店の中に足を踏み入れた。
「ほお……こんな店には初めて入るな……」
「わ、私だって初めてですよ……」
店の中は、アクセサリーに反射した光でキラキラと輝き、ピンクを主体とした壁紙に光の虹を作り出していた。
……ここは男が入る店ではない。俺ははっきりそう思い、入った事を後悔した。
「で、何にするんだ? 4~5000円までなら払えるが」
「そ、そんなに高額な物は買えません!!」
「いや、今日はお前の好きにすると良い。俺のおごりだ」
「そ、そこまで言うのなら……」
「おう。好きな物を選べ。どうせ今日から夏休みだ。無礼講だな」
「そ、そうですね…………なら、これなんてどうです?」
そう言って京が手に取った物は、ハート型の金属の枠組みの淵にまたハートが繋がっている、と言うものだった。
ちなみに、価格は2000円。
「はぁ、京よ。こう言う時は男に大きな顔をさせると言うものだぞ。
それよりこっちにしろ」
そう言った俺が手に取ったのは、4cm程のロザリオの中心に、ハート型のガラス球が埋め込まれた物。
ちなみに、こちらの価格は6000円。
「えっ!? いえいえ、頼めませんよ、そんな高価なもの!!」
「気にするな。俺が決めた物だ。もらう立場で文句は言わせん」
「ですが、予定よりもオーバーしているのでは……」
「そこも気にするな。俺の自由だ」
「で、でも、私にそれが似合うかどうか……」
「一回、付けてみたらどうだ? 俺は似合うと思うぞ」
「そうですね……では、お言葉に甘えて……」
鏡に向かい、首にロザリオをあてる京。
「どうです? 似合ってますか?」
そう言って振り向く京に、俺は驚きを隠せなかった。
京がロザリオを付けると、普段とはまったく変わった人に見える。
まるで聖職者か何かの様だ……
飾り一つで、女とはこうも変わる物なのか……
「あ、ああ。良く似合ってる。思った以上だ……」
「そ、そうですか……? 絶対に褒め過ぎですよ、それ」
「いや、本当に似合っているぞ?」
「あう……う、嘘でも、嬉しいです……」
「いや、嘘ではないのだが……」
よし、京にはこれを買おう。
そう決めた俺は、京に聞いた。
「俺はそれが良いと思うが、お前は何かあるか?」
「え? いえ、やっぱりこんな高価なものを、同級生に買って貰うなんて……」
「安心しろ。俺の財布は大丈夫だ。ついでに言うと、
俺はこの事を誰にも言わんぞ?」
「ですが……」
「はっきりしろ。俺はこれを買ってくるぞ?」
「あ、い、いや、その……」
「なんだ?」
「お願い……します……」
「ああ、分かった」
俺は店員にロザリオを渡し、金を支払った後、店の外で待っている京の元に向かった。
「待たせたな」
「いえ、待ってはいません」
「そうか。じゃあ、これを持て」
「あ、それ……」
「晴れてお前のものだ。盗まれない様に注意しろ」
「あ、ありがとうございます!!
本当に、なんと言ったら良いか……」
「気にするな」
「いえ、ですが……何かお礼をしなければ……」
「だから気にするな。これはもうお前の物だから、好きに使うと良い」
「あ、ありがとうございまふっ!!」
あ、噛んだ。
「あ、あふ、その……た、宝物にします!! 一生、大事にしますから!!」
「いや、そんなに重く考えるなよ? そんな大層な物じゃないからな?」
「いえ、岩崎さんに買って貰った物です。大事にします」
「そうか、ありがとな」
「こ、こちらの方こそ! ご迷惑を……」
「あー、待て。これ以上謝るな。ややこしい」
「す、すいません……」
「だから……はぁ、まぁ良い。またな」
「あ、はい!! また明日!」
「おう。じゃあな」
「はい!!」
弾けるような、本当に嬉しそうに笑いながら、京は走り去って行った。
「あたっ!」
あ、こけた……
それでも元気に走って行く様子に、俺は満足した。
いつも不機嫌そうで、あまり笑わない京に、俺はあんな笑顔をさせたのだ。
満足しないはずが無い。
さて、俺も帰ろう。
もう8時だ。
親が夕食を作っているだろう。
はぁ……
今月、あと2000円か……
見栄を張りすぎたな……
どうするか…………
京が去って、初めて自分の愚かさに気付いた俺だった。
『俺とクー』第二回、どうだったでしょう?
え? まだ二回目だから分からない?
そうでしたね。
失礼しました。
今回の主人公はサッカー部なのですが……
変態はサッカーをした事がありません。
よって、サッカーの内容については一切触れませんので悪しからず。
出来る事ならば、文章、ストーリー評価&ご感想、
お待ちしております。
では、変態でした( ゜∀゜) マタネッ!!
……次の主人公はどうするか……?