プロローグ? ①
どうも、おはこんにちばんは。
始めまして、もしくはお久しぶり?
変態です( ゜∀゜) ドウモ!!
調子に乗って、新連載に……
今回は一話一話が短いので、気軽に読んで頂けたらと思います。
変な感じに物語が進んで行きますが、
気にしたら負けです(笑)
ではでは、皆様に楽しんで頂ける事を願っています。
それでは、どうぞ。
今日は7月19日。
今学期最後の日だ。
つまりは、明日から『夏休み』と言う名の長期休暇が我々に出されるのだ。
部活生にとっては長い合宿が。
帰宅部にとっては宿題との格闘が繰り広げられる休暇である。
この夏休みでは、『夏祭り』に『宿題祭り』、『友人の家にお泊り祭り』や『もしかしたら彼女が出来るかも知れないと浮かれる祭り』など、祭りがいっぱいだ。
この約一ヶ月間の休暇は、我々に多大なる変化をもたらす物だと思っている。
そんな大切な日の前日に、俺こと『田中 直也』は絶望の淵に立たされていた。
そう、『一学期の成績表』だ。
「ああ~……もうだめだ……死んだ。こりゃ完璧に死んだわ……」
唸りたい訳ではないが、唸らずには居られない。
なに、ちょっと一学期の成績に驚愕の事実を見ただけさ。
あれ? おかしいな……
目の前が真っ暗だよ。
もうなんにも見えないや……
僕はもうここまでみたいだ……
さよなら、パトラッs(ry
俺が半生を共にした愛犬に別れを告げようとした時、教師の声が響いた。
「よーし、成績表は貰ったな?」
「はーい、貰いましたー」
「それじゃ、また来月、だな!」
「はーい」
「身体には気を付けろよ? じゃあな!」
「気をつけー、礼」
「「さよーならー」」
「おう、じゃあな!」
どうやら今月の二年三組はこれで終わりらしい。
ああ、微笑ましい光景だ……
…………俺一人を除いて……
あの人、良い先生ではあるんだが……こんな物配らないで欲しかった……
と、俺がクラスメートに恨みの視線を送り続けていると、横から声が掛かった。
「どうした? 田中。顔が悪いぞ?」
「顔じゃなくて『顔色』ね? 絶対わざとだよな、それ」
「いやいや、悪気は無かった様な……?」
「どっちだよ……」
俺に話しかけて来ためがね美人は『沢田 舞』。
高校生離れした見かけと、特徴的な話し方で、下級生からも上級生からも告白されまくっている女だ。
この美人は、何かと俺をパシリやがる。
まぁ、美人にパシラれるのもなんか良いなーと一時期思っていたが、後半は面倒になり、あまり話はしなくなった覚えがある。
「で、俺になんの用だ? 俺は今叫びたいという衝動を解き放つべきかどうか迷っているのだ。用件があるなら早く言え」
「そうなのか? それは悪い事をしたな……それで、私の用件か……」
「なんだ? 無いんだったら帰ってくれないか? 俺は今から叫ぶ事にしたから」
「あ、いや、待ってくれ! すぐに済む……」
沢田がうつむいて喋り出す。
なんだか、その姿が酷く小さく、弱々しい物に見えた。
なんせ、いつものコイツは自信の塊、と言う様なヤツだったからな……
「なんだ?」
「そ、その……」
「あん?」
「あ、あの、その……」
「餡かけチャーハン?」
「その…………わ、私と、
私と、付き合って貰えないだろうかっ!!」
「ホイホイチャーハn……え?」
え?
なに?
今この人、何語喋ってたの?
うまく聞き取れなかったなぁー……
「あの……いま、なんて?」
「だ、だから、私と付き合ってくれ……と、言った……」
恥ずかしさのためか、後半は小さくなって聞き取れなかった。
本当なら嬉しいが、生憎俺はそこまでお気楽な頭をしていない。
一番考えられる可能性を聞いてみた。
「なぁ、なんかの罰ゲームか?」
「な!? 決して違う!」
どうやら違うらしい。
では次。
「じゃぁ、脅されたとか?」
「それも違う!」
「えー? じゃぁ他に何が在るんだよ?」
「何も無い!! 私は田中が好きなんだ! それだけだ!!」
「うっわ、マジか……」
俺は、きっとコイツは勉強のやり過ぎで頭がおかしくなったんだ。と思った。
俺の顔は目立たないから、コイツみたいな美人の目には一生止まりはしないだろう、とか思ってたのに。
「な、なぜ引いた様な顔をする!?」
「いや、なんかさ……」
「なんだ!?」
「いや、どうして俺なのかと……」
「……説明しなければならないか?」
「できれば」
そりゃ説明されなきゃ分かんないさ。
「うう……あれは、去年の今頃……そうだな、こんな夏だった……私は図書委員で、一人で本を大量に持っていて、歩けなかった時の事だ」
「ああ、あの時か? あの時はお前がフラフラしてて危なっかしくてさ、つい……」
「ああ。あの時は感謝している。
周りの人間は私が何でも出来ると思っていたから、私の事に口を出しては来なかったんだ。
それで私は誰にも見られずに、クラスメートの忘れていった本を一人で図書館まで運ぶはめになってしまった」
「そんな事もあったな……あれは酷かった。
お前が両手に本を抱えて悪戦苦闘している姿は見ていられなかったぞ?」
「うぅ、すまない。そこで田中が助けてくれたな」
「あー……そうだったな……確かに、お前を手伝ったよ」
「あの時は本当に助かった。重くて重くて、軽く眩暈がしていたよ」
「危ねーなお前は……」
「すまん。思えば、あの頃からだろうな。
田中をクラスメートではなく、男として意識し始めたのは……」
「いやいや、男っておま……」
「で、何とかお前に話し掛けようとしても、恥ずかしくて会話にならなかった」
「いや、待て。俺はお前にパシられた記憶があるぞ?」
「あの時はまだ田中をそこまで意識していなかったんだ。都合の良いヤツだと思っていた」
「お前ホント酷いね……」
そんな理由?
俺って都合の良い男なの?
「で、答えはどうなんだ? 初めはお友達から、と言うのも良いぞ」
「いや、コレはどうなんだろうな……?」
「そうか……まぁ、私の様な表情の乏しい女などに興味が湧かないと言うのであれば、私は大人しく身を引こう」
「いや待て。今考え中だ」
「あ、ああ……」
え~っと?
沢田は俺が好きで、俺は沢田をそこまで嫌いじゃない。
うん、これは良し。
じゃぁ付き合っても良いのかってなると、良く分からないんだよなぁー……
「なぁ、田中……」
「ああー、もう少し待ってくれ」
「ああ……」
それにコイツと付き合うと、周りの目が怖えーんだよなぁ……
先輩とか後輩とか、コイツの撃墜率は100%だったらしいから。
俺に、ましてやコイツの方からってのは…………俺、殺されそうだ……
「なぁ……沢田……」
「な、なんだ……?」
「あのさ……本当に悪いんだけど……」
「なんだ?」
「まずは……一緒に帰る所から始めませんか?」
「え? あ、うん……」
「本当に、ヘタレですまん……俺も、努力するから……」
「い、いや、良いんだ。そこまで悩んでくれなくても……」
「いや、俺みたいなヤツに惚れてくれたんだ。そこは嬉しく思う」
「田中…………」
「だからさ……俺達、お互いを名前で呼び合うってのはどうだ?」
「名前、か?」
「ああ」
うむ。
最初からこれは飛ばし過ぎたか?
でも、こう言う物ははっきりしていた方が良いからな。
「じゃあ、な、直也……」
「なんだ、舞」
「こ、これは……恥ずかしいな……」
「まぁな。最初は少しずつで良いから、慣れて行こう」
「ああ……でも、私の事を名前で呼んでくれるって言うのは……嬉しい……」
「そっか。それは良かった」
「ありがと……」
「なに、良いさ。じゃあ、舞。帰ろうか」
「あ、ああ。帰ろう、直也」
お互いの名前を確かめ合い、俺達は教室を後にした。
「なぁ、私なんかで良いのか?」
「いやいや、告白して来たのはそっちじゃん」
「それもそうだが……」
「それに、俺も嬉しかった。俺も舞の事は好きだったし……」
「そっ、そうなのか!?」
「ああ。ま、お前は気付かなかったがな」
「すまない……」
「気にするな。まぁ、なんだ。
いつか、俺の方からも『付き合ってくれ』って言える様に、俺も頑張るから……」
「な、直也……」
俺の言葉に、顔を赤くする舞。
あ……臭すぎたか? 今のセリフ。
「まぁ、そう言う訳で、これから宜しく頼むよ、舞」
「ああ。こちらこそ、だ。直也」
そして俺達は、まだまだ明るい空を見上げながら、家の分かれ道に差し掛かるまで話し合った。
男みたいな口調の舞と、
相変わらず平凡な俺と。
こんな二人でも、うまくやって行けると思う。
俺は、自分の中に湧いてきた期待に顔をほころばせ、隣に居るコイツに囁く。
「なぁ、舞」
「なんだ?」
「俺はお前が好きだ」
「!!」
「こんな俺だが、これからも付き合ってくれると嬉しい」
「あ、ああ。こちらこそ……」
「じゃあな。俺の家はこっちだから。また明日」
「ま、待ってくれ!!」
「ん? どうした?」
「な、直也……」
「私も、その、君が好きだ……これは忘れないで欲しい……」
「……ああ。分かってる。絶対に忘れないよ」
「ああ……絶対だぞ?」
「分かってるって」
「じゃあな、直也。また明日、電話する」
「またな、舞」
かくして、俺達の微妙な日常は幕を開けた。
これからも舞との日々は続いていく。
そんな他愛も無い日々をここに書き綴りたいが、それはまた、次の機会に。
さて、これからどうなる事やら……
新連載、どうでしたでしょうか。
え? まだ一話だから分かんない?
それもそうですね。
すいませんでした。
まずは一人目の主人公と、一人目のヒロインです。
クーデレ目指してます。
作者はクーデレとヤンデレが大好きだ!!
そんな俺は多分で廃人……
どこか変な所が在れば、ご忠告下さいますよう、お願い申し上げます。
第一話から調子に乗ってすみませんが、
ご感想、文章、ストーリー評価の方、お願い致します。
ではでは、皆様に次回も見て頂けるよう、頑張ります。
それでは、変態でした( ´Д`) クーデレバンザイ!
さて、次話はどうしよう……?