『市影譚 / Cityshade Tales』⑤笑う路地の受信機
青森・弘前の寺町(禅林街)近く、こみせ通り裏の細い道で「ときどき笑い声が降ってくる」という相談が相次ぐ。男の笑い、女の含み笑い、まれにドラマの一場面のような短い悲鳴。夏の夜や雨上がりに多く、冬はほとんど聞こえない——理由は不明。近くに寺院や墓地があることも、噂に拍車をかけているらしい。
桂一と相沢は“怪談”として現場へ。初夜は道具を出さず、足音と風の音にまぎれる「気配の濃い地点」を耳で拾い、地図に印をつける。
世の中の怪奇の多くは仕組みで説明できる。けれど、説明の外側に残るわずかな余白も、彼らは否定しない。今回もまた、怖い道は「確かめて歩く道」へと、そっと姿を変えはじめる。
桂一と相沢は“怪談”として現場へ。初夜は道具を出さず、足音と風の音にまぎれる「気配の濃い地点」を耳で拾い、地図に印をつける。
世の中の怪奇の多くは仕組みで説明できる。けれど、説明の外側に残るわずかな余白も、彼らは否定しない。今回もまた、怖い道は「確かめて歩く道」へと、そっと姿を変えはじめる。
起:降ってくる笑いの方角
2025/09/16 14:48
承:昼の雑音、夜の余白
2025/09/16 17:02
転:雨上がり、道が少し話し出す
2025/09/16 17:10
結:貼り紙と半歩の終わり方
2025/09/16 17:51
後日談・相沢メモ:ワトソン募集してませんか?
2025/09/16 17:58
(改)