転変:中章 遊園地デート!?
今はそんな気分ではないはずなのに……どうしてこんな状況になっているんだろう。
周りから聞こえてくる様々な音。多くの人々が話す声。華やかな見た目のアトラクション。
俺は今遊園地に来ていた。零と二人で。
「ごめんね。何回も誘っちゃって」
「いや、全然。俺も気分転換したかったし」
「そう?ならよかった。無理させちゃったんじゃって心配だったんだ」
零はそういって微笑んだ。
……とは言ったものの、俺はまだ完全に気持ちの整理をつけたわけじゃない。こういう場所に行くという気分ではないのだが、ここ最近は毎日のように予定を聞いてくるので初めは断っていたが、ついポロッと空いているタイミングを漏らしてしまい、今に至るのだ。
「初めあれ乗らない?」
零が指さしているのはメリーゴーランドだった。
こういうの乗るタイプなんだ。めっちゃ偏見だけど遊園地に行く人って絶叫系みたいな激しめのやつばっか乗るものだと思ってたわ。……偏見か。
馬に跨りポールを掴む。ゆっくりとメリーゴーランドが動き出し、景色が回りだす。たまにはゆっくりするのもいいかもしれない。少し気分が明るくなった気がした。
「……よっかった」
メリーゴーランドから降りた後、不意に零が言った。どういう意味だろうか。何か良いことでもあったのかい?
「何かあった?」
「紅瑠君少し楽しそう」
「……」
驚いた。まさかそこまで自分のことを見ているとは思わなかった。
こんな時なんて返していいかわからず、俺はどこか気まずそうにすることしかできない。
「次、あれ乗ろ!」
零が指さしたのは観覧車だった。ゆったりと乗れるものが好きなんだろうか。
その後も、零はどちらかというとゆったりと乗れるものを選んで、時には軽食を食べながら景色を楽しんで、二人でゆったりとした時間の流れを感じながら安らぎのひと時を過ごした。
◉
「すっかり暗くなっちゃったね」
「うん。今日は楽しかった。来てくれてありがとね」
「こちらこそ楽しかったよ。誘ってくれてありがとう。じゃあ、俺は……」
「もう帰っちゃうの?」
「!?」
「せめて家まで……送ってほしいな……」
「……」
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