日常:中章Ⅱ 主人公は襲われるもの
「イィッ!!」
無理やり注射器をさされた痛みに苦悶の声が漏れる。
俺の様子などお構いなしに男は注射器を押して中の液体を俺の体内に流し込んでくる。
「ヒ、ヒヒ」
それを確認した男は気色の悪い笑い声を上げながら後退りした。
「貴様……ッ!?」
腕に刺さった注射器を取り、男にブッ刺してやろうと思い、地面を蹴った瞬間、俺は地面に倒れた。
「な、なんだ……?ッ、グァァァァァァァ!!」
なんだ……体に力が入らない。全身が痛い。痛い。苦しい。息ができない。熱い
体が燃えるように熱い。寒い。とてつもない寒さが襲ってくる。あつくてさむくていたくてくるしい。
ふと注射器を刺された腕を見てみると、その周りがまるで腐っているかのように変色していた。
「な、なんだ、これ……。まさか、ゾンビ……?」
まるでウイルスが体を蝕むように全身を痛みが襲う。体を襲う痛みと風邪症状を数百倍にしたような苦痛に俺は身動きが取れなかった。霞む視界で男の方を見ると、男は逃げるようにその場を離れようとしていた。
「ま……て……」
俺が力を振り絞って声を出すと、男はビクッと震えてこちらを素早く振り返ると、蔑むような、恐怖に支配されたような表情を浮かべていた。
男は一瞬だけこちらを見ると、覚束ない足取りでその場を離れていった。
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