表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
格闘戦主義者の空戦論  作者: アキ八雲
3/6

初々しい二人

Twitterあたりで活動報告した方がいいかなって思ったんで最近始めました!

アカウント名は同じなので見つけたらリツイートとかしていただけると幸いです


「ただいまー」


誰もいない玄関に向かって言う。

誰もいないのに「ただいま」っていう意味はあるんだろうか...?


「お邪魔しまーす...」


疲れた様子の奈緒。

2時間しか無かったあの日程にそんなに疲れることあったっけ?


「どうする?昼なんて俺も作れるし...

そこで休んでるか?」


そう言ってソファーを指さす。

が、奈緒は首を横に振った。


「ううん、私の手料理食べて欲しいから。」


「っ!」


時々見せるこの眩しすぎる笑顔はなんなんだろうか。

毎回同じ笑顔なわけではないのに、幼馴染みとして見慣れた顔が美少女と言われるレベルの可愛さだということに気付かされる。


「そ、そうか!じゃあ何か手伝うよ!」


「どうしたの?慌てちゃって...それじゃあ、これ切ってくれる?」

______________________________________

俺が渡された唐辛子とかパクチーとかを用意して、その隣で「辛さはどれくらい?」とか、「卵は完全に火を通しちゃう?」なんていう新婚さんみたいな会話をしながら出来上がったのはガパオライス(目玉焼き付き)だった。


「いただきまーす」

「頂きます」


卵の黄身を崩しながら食べ進めていく。

辛さも丁度いいし目玉焼きもちゃんと半熟になっている。


「美味しいな!

今度これの作り方教えてくれる?」


「ふぇ⁉︎ いい...よ?

...やった...練習した甲斐があったな...」


何か呟いていたのはわかったが、いいよの後が聞こえなかった...ちょっと気になる。


「ねえねえ」


聞こうとしたところで質問されてしまった。

んー、まあそこまでして聞きたいわけでもないからいいか。


「どうかしたの?」


「その...教える時、さ。私の家でも、いい?」


俯きながら顔を赤くして、言葉をつまずかせながらそう聞いてきた。

なんともまあ愛らしい姿だ。


「ああ、どっちでも。合わせるよ」


「本当⁉ ︎ありがとう...!」


俺の返事を聞いた途端目が一気に輝いた。

もしイラストかなんかで描くんだったら目の中に星が見えていることだろう。


「お、おう」


食べ終わったあと、玄関から見送ろうとした時に急に奈緒が肩にかかるかかからないか位の髪を翻しながら振り返ってきた。


「ねえ、今日こっちに泊まってもいい?」


なんとなくだが、その目の中には凄く真面目な光が灯っている気がした。

まあ別に断る理由はない。


「...いいよ?」


「やった!じゃあVRヘッドセット持ってくるね!」


そう言って奈緒は家にVRヘッドセットを取りに行った。

VRヘッドセットというのはゴーグルとはちがって、実際に自分をVRの世界に潜り込ませるのだ。

神経に干渉してどうのこうのというメカニズムらしいがよく分からない。

まあ基本は寝ている間とか休日にしか使わないかな。

その世界で休めば脳も休む仕組みになっていて、普通に寝ている間ずっとゲームしていても疲れが残っていたり眠かったりはしないのだ。


「たっだいまー!」


「ん、おかえり」


家がすぐ近くなだけあって、奈緒は数分かからないくらいで帰ってきた。


「このままいても暇じゃないの?どこか出かける?」


「え?前線に行くんだから、早めにログインしちゃおうよ!」


たしかにその通りだ。が、俺は普段ベッドに寝っ転がってヘッドセットを付けているためどうにもこうにも場所がない。


「...俺が床に寝てやるから、奈緒はベッドに...」


「何言ってるの?...一緒にベッドに寝ればいいじゃん!」


取り敢えず思考が3秒ほど停止した。

その次は急激に脳が回転を始める。


ーどういう事?俺が男として見られてないのか?いや逆に誘ってるという線も...

確かに幼馴染みだけどそんなことあるか?

いやあいつのことだしありえる。

でもそれにしては態度が普通...?

やっぱり俺男として見られてない?

俺少し傷ついたよ?ー


...ここまで0.5秒のことだった。


「ふぅ...了解」


そのまま階段を上がり、自分の部屋へと入っていく。

特に見られたらまずいものがあるわけでも散らかっているわけでもないし大丈夫だろう。


「お邪魔しまーす」


後ろをついてきている奈緒もなんとも思ってなさそうだ。

なんとも思ってないのに胸を触られると怒るのか...?

まあそういうものなんだろう。

これ以上考えたら殺されてしまいそうだ。


そのままベッドに寝そべる。

俺が寝そべるのを確認した直後、奈緒もベッドに横たわる。


交差する視線。

思わず心臓が大きく跳ねる。

仮にも美少女の奈緒。

何を隠そう初恋の相手も奈緒なのだ。

ドキッとしないわけがない。


「じゃあ...行こっか」


「あ、ああ。」


そしてヘッドセットの耳のあたりにある電源ボタンを押し込む。

すると瞬く間に意識が吸い込まれ、少し落下するような感覚を通り過ぎた時...目の前では愛機、スピットファイアF.Mk.IXが格納庫の中で俺を待っていた。

ログインが今、完了した。


個人的にはこういう甘い回みたいなのも書きたいしカッコいい戦闘も描きたい...バランスが難しいところです。

ではまたー

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ