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格闘戦主義者の空戦論  作者: アキ八雲
2/6

胸。それは平原

遅れました!

なんかおかしいところやコメントあればお待ちしてます!

ってか下さい!お願いします!(迫真)


「起きて!」


誰だ...朝っぱらから騒がしいな...


「後5分...」


「だーめ!今起きなさい!」


いやいや顔を上げて時計を見ればまだ登校まで時間があった。

布団に潜り直し目を瞑る。

...ベッドの横にいるコイツは相変わらずうるさいが。


「はいはいオッパイオッパイ」


そう言って俺は手を伸ばし目覚ましを止めようとした。

普段なら「嫌味か‼︎」と帰ってくるはずだが今回はやけに静かだ。


「ん...?」


やけに平たい。

何回ポスポスやったって目覚ましは止まらない。向きも垂直で切り立ったような...


「なんだ...?」


顔を出した時見えたのはー


「な...な...な...」


真っ赤に染まった幼馴染みの顔と...

幼馴染みのへいやに置かれた俺の手だった。


「な、い、嫌味かこの変態‼︎‼︎」


パーン!

平手打ちが炸裂した時の音は、目覚ましに負けず劣らずいい音がした。

______________________________________

「悪かったって...」


「...」


朝、食卓を囲みながら謝る。

あれっきり幼馴染みはムスッとして顔を合わせてくれなくなってしまった。


「まあまあ奈緒ちゃん、はぎがどうしようもない変態なのは数年前から分かりきってるんだから...」


実の母親に言われるほど俺は重症だったらしい。

萩というのは俺の名前で、フルネームは八雲やくも はぎ。今年から高校一年生になった。

...まあ朝いきなり「オッパイオッパイ」なんて言う時点で重症なのは分かりきっているがな。


「ゴメンナサイ」


「別に、怒ってなんてないわよ」


ぶっきらぼうにそう幼馴染み...涼月すずつき 奈緒なおは言った。


「何年起こしに来てると思ってるの?こんな事の一回や二回前にもあったわよ」


「それはそれでマズいだろ...」


「萩、アンタそこまで行ってたの?」


「何がだよ」


母親までボケ出したらキリがない。

早々にこの話題は切り上げよう。


「今日は学校早く終わるから昼は何か作るか...」


昼間は父親も母親も仕事で家にはいないからな...


「私が作ろっか?」


そう言ったのは奈緒だった。


「お母さん仕事だよね?私なら同じ時間に終わるし料理できるよ?」


「いや俺もできるから」


「私の手料理食べたくないの?」


そう言われると...


「食べたい...」


断る理由などあろうはずがない。

クラスの男子に自慢できるなこれは。


「言いふらしたらフライパンで殴るからね!」


「ガチで怖いんだけど。やんないよね?」


「...ほら、朝ごはん食べ終わったなら行きますよー」


「ねえなんでスルーしたの?やんないよね?」


「ウフフ、仲良いわね...行ってらっしゃーい」

______________________________________

登校中、もう冬が過ぎたらしく最近は暖かくなってきた。

桜は所々咲いてるくらい。


「アンタ、どんな夢見てたのよ」


「どうした?薮から棒に...特に何も」


一段と奈緒が渋い顔をする。


「...えと、俺なんかしたかな?なんかしたなら謝るよ?」


「そうじゃないわよ。なんでもないわ変態」


「ゴメンナサイッテバ」


まだ引きずってたのか...

今度何かケーキでも買って行こうか?

まあそんな事は置いといて...


「髪型変えたな。可愛いと思うぞ」


前まで長かった髪が起きた時には肩までくらいの長さになっていた。

本人に言ったら怒られるが性癖にぶっ刺さっている。頭撫でたい。ナデナデしたい。


「...変な事考えたでしょ」


「全然?」


「食い気味だし...」


「キノセイダヨ」


途端、言われたことを思い出したのか俯いて顔を桜色に染めてこう言ってきた。


「まあいいわ...ありがと」


オウ...ジーザス...

そいつぁ俺には...眩しすぎるぜ...


「ゴフッ...」


「⁉︎ ちょっと大丈夫なの⁉︎」


「大丈夫だ、問題ない」


「まあそれならいいけど...もう校門前よ?」


「...え?」


辺りに目を回せば確かにもう校門だった。

しかしいつも通り全校生徒が集まりやすい時間帯は避けていたので目は少ない。いくらか安心だろう。

だが奈緒はジト目をこちらに送りながらこう吐き捨ててきた。


「ほんとバカなんだから...」


ー...え、今なんかバカな要素あったか?ー

______________________________________


「おーいアキ!」

「お、来たか来たか!」


「おはよう。いつもよりテンション高いな...」


畦倉あぜくら 水月みずき檜山ひやま しゅん

いつも一緒にゲームをしている二人だ。

普段はこの二人と奈緒と俺でゲームをしている。

今はクラスが全員一緒だから朝に集まって、いつもは「おはよう!」で挨拶を終わらせるような奴らなんだが...今日はなんだか様子がおかしい。


「今日聞いたか⁉︎惑星でドーバー海峡を防衛する作戦が立てられて俺らも指名されたんだってよ‼︎」


「おお!マジか!」


これは嬉しいニュースだ!

一体どれだけこのチャンスを待っていたことか...


「やったじゃねーか!俺らも前線組だぜ!」


前線組。

トップランカーと言えばわかりやすいだろうか?

要するに前線は敵国とぶつかる場所。

つまり練度が高いプレイヤーが必要なわけで、前線の作戦はプレイヤーが部隊ごと指名されるというわけだ。

惑星というのは今やっているゲームの愛称のようなものだ。

由来は知らん。


「俺らも前線組か...」


「ほとんど、アキの手柄だけどね...」


何故俺がアキと呼ばれているかというと、萩という漢字が草冠と秋がくっついた漢字というだけの理由だ。

あだ名なんてそんなもんじゃないかな?


「俺は前から兵器ゲーやってるし...みんなも普通にうまいじゃん」


総撃墜数は俺が53機。

奈緒は12機。

水月は23機。

隼は30機だったかな?

5機以上撃墜でエースと呼ばれる空戦においては全員凄腕のパイロットになる。

そして俺は更に戦車にて4台、軍艦にて3隻の撃破数を誇る。

さっきの基準から行けばまあ廃人ってのに近い気がするかな。


「そういえば機体は?スピットファイアだって、新しいバージョンが出てるでしょ?」


「...なあ、知らないのか?」


奈緒はポカンとしたまま硬直している。


「?何がよ」


「俺らがこれまで乗ってたF.MK.IXは、前線組に配属される俺らに宛てて慣らしのために渡されてたんだぞ?」


「...じゃあ私たちは結構前から...」


「ああ、前線入りが確定してた。知らなかったのか?」


「じゃあF.Mk.IXは...」


「惑星のスピットファイアにおける最新型になるな」


その場に降りる沈黙。

唖然とした雰囲気と困惑した空気を絶妙にブレンドさせて、更に俺に対しては三人からの視線というトッピング付きだ。


「じゃあ...そこまで知ってるのに何でさっき驚いてたんだ?」


「言っただろ?確定してただけでいつの作戦からかは言われてなかったんだ。だからやっとかと思って」


「なんだよ...」


ガックリした様子で肩を落とす水月。

新バージョンのスピットファイアが欲しかったのか?


「まあ...あとちょっとで新しいバージョンのスピットファイアが公表されるらしいから。もう少し待とうか」


「チェっ...」


その時、ガララ、と音を立てて教室の扉が開いた。


「HR始めるぞー!席につけ〜!」


このクラスの担任の男教師がそう言うと、皆もすごすご自分の席へ戻っていった。

ハァ...二時間分しかない日程を確認しながら、俺らは今日の授業をこなす準備を始めた。


次も楽しみにしていただけると嬉しいです!

ではまた!

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