追憶 魔窟三眼狼・黒
ワーーーーー!!!キャーーーーーーー!!!ハアーーーーーーーーーーーーー!!??・・・・・・・・ウ・・・(涙ダバーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー)
魔石を齧る。何故そうしようと思ったのかは分からない。だがこれ以外に摂取方法があるとは思えなかったのだ。意識が遠くなって行く。
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目が覚める。ここはどこなのだろうか。
何かを体内に入れたい。ん?周りに動くのがいるではないか!我はそれを喰らう。
我はそれを体内に入れた。何かが体内をめぐるが、今はどうでも良い。まだ他にもいるではないか!
それは先ほどのそれよりも大きい物だった。喰らうのは今は避けておいた。今挑んだら死ぬ。それはすぐに理解できた。
我は逃げる。そうだ。どこか遠くにいかなければ!ここから逃げれば我は生きて行ける!
しかしいくら進んでも景色は変わらない。
道中にいくつかの動物を喰らいはしたが、変化はない。そして我は巨大な一つ目の青い動物と出会った。
勝てないと思ったのもこれが二度目。挑めない。とても高いと感じる天辺に届きそうなのだ。勝てるはずが無い。
しかし、奴の足には空きがある。そこを駆け抜ければ、或いは!
我は駆け出した。そうだ。奴はこちらを見れないのでは無いか?ならば後ろから喰らえるのではないか?我は試した。しかし牙は通らない。何故なのだろうか?
そういえば、奴の体躯には我に流れてるあれが、使われているように感じる。我にも出来るのではないだろうか?この牙に巡れ!
願いが通じたのかは分からない。しかしこの牙は鋭くなった。我の勘のような物だ。もう一度!今度は牙が刺さる。そうだ、このまま喰いちぎれる!我は牙で、爪で、奴を切り刻む。奴は何をしてか、否、あの体を巡る力を用いてだとは思うが、それで、青い血を出してきた。その血は我の体躯を映す。なるほど、最初に喰らった奴の黒くした状態なのか。しかし奴らには無いものがある。この景色を映し出しているであろう部分が三つあるのだ。まぁ、気にしないが。
しばらくの時間が経ち、奴は倒れた。あぁ、我は勝ったのだ。そうだ。勝てたのだ!その時に我はここで最も強いと思ったのだ。そうだ。我が王なのだ!
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時は流れる。
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つまらない。我に迫る力を持つ者がいない。あぁ、生まれたての頃が懐かしい。そんな時だ。何かとてつもない力を持つ存在が現れた。ああ!これを望んでいたのだ!あの角を曲がれば逢える!そうだ、一思いに噛んでやろう!これほどの力を持つ者だ、奇襲にも応じるだろうが許せ!あぁ、あと少し、あと少しなのだ!我は飛び出す・・・・・・
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俺は目を覚ます。あぁ、成る程、そういうことか。確かに、普通に戦えばもしかしたら負けるだろう。いや、負けないな。だがこれは生死を掛けた戦いなのだ。許そう。魔窟三眼狼・黒!俺は一思いに叫ぶ。
「ァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!」
何かあると叫ぶと案外スッキリする。まぁ、牽制の意味合いもあったけどな。だが、これで分かったはずだ。ここで生きて行ける。脳内アナウンスが響いてきた。
『土魔法Lv.1を取得しました。異能〈記憶喰い〉を取得しました。なお、これから先は追憶を選択できるようになります。』
異能の発現か。まぁ、特殊っぽいからな。それよりも、そうしたらまずはステータスの確認かな。
ー----ーーー所変わって天界ーーーーーーーー
私達は突然この場所に呼ばれた。何故呼ばれたのかは分からない。だけれど次期王はこの場所にいる。
安心は出来ない。奥から女がやってくる。私達女の目から見ても美しいと感じてしまう。まぁ、次期王はそんなの気にはしないが。あの人の母親の方がとても美しい。しかし、まぁ神なのだろう。天道の現家主の奥方は神だからな。あぁ、男ども(彼の味方を除く)は女の肢体に見惚れている。なんて嘆かわしい事なのだ。あれの本性はとても黒い。どす黒い。外見だけで相手の本性を決めるなど愚の骨頂すぎるだろう。
聞けば私達は勇者として召喚されたらしいのだ。そこに置いてある水晶で適応できるようになるらしい。出席番号順に確認する。結果として、彼だけが黒に光った。
彼は私達を呼ぶ。曰く、彼は捨てられるらしいのだ。それを防ぐことは出来そうだがやめておいた方が良い。後にきちんと合流しようとの事。
私達のステータスや、簡単な考察を挟み、彼の思った通りの展開になった。その後、私達にも武具が与えられる。私は宝槍と短槍、それに脚甲だった。天道は鎌と斧と手甲だった。
その後、世界の説明を受けて、それぞれの部屋へとメイドが案内する。私の部屋の前でメイドが止まり、「こちらです」と扉を開ける。その部屋は広かった。
あぁ、おそらくランクによって広さが変わるのだろう。私は宝槍を持ち闘技場(訓練場とも言う)に足を向ける。そこには天道がいた。ここは良い空間だと思う。
私達『血統流』の最上位『紫幻』が戦えるのだから。『紫幻』はその強さから相手が限られる。同じ『紫幻』か、その一つ下の『紫想』の昇格試験、または各家の家主に教えを乞う時以外戦えないのだ。故に彼は毎朝父親に模擬戦をしてもらっている。私だって毎日彼と戦いたいのに。少し妬けてしまう。
そんな気持ちを忘れて私は槍を構える。相手は天道。私達の中でも最も個性的な戦い方をする。それでも、いや、その方が私は楽しいと感じてしまう。彼とはあまり戦う事が出来ないから。自然と笑顔になっていると自分でも分かる。
「ふふ、それではやりましょうか。天道の次期当主?」
天道もそれに応じて鎌と槍の『二長』を構える。
そして、それは同時だった。
「紫幻一槍ーーー雷突」
「紫幻一長ーーー雷交」
お互いが寸止めで終わる。武器を降ろし、お互いに見合う。お互い笑っている。きっとそれは天道も分かっているのだろう。
「私の勝ちね。」
「君の勝ちだ。」
私の方が深く、早く止めることができた。故に私の勝ちである。すると、脳内に何かが響く。
『スキル〈紫幻槍〉を獲得しました。』
私は天道を見る。どうやらお互いに『紫幻』がスキルとなったようだ。恐らくは彼もだろう。さて、これから一体どう動こうかしら?ま、その前にもう一戦やりたいわね。
前書きの文章は、これを書こうとした前日の私の感情です。偽りのアリスというスマホゲームをしているのですが、五章Page 55だったかな?とあるキャラのCVが入った瞬間に「うわやっば」となり、推しのキャラだったのに「殺して下さい」って言われて!?ってなってしまいまして、殺したくないのでずっと拒否してたらもう健気で健気で・・・それでも殺さなかったからこそのあのストーリーの神具合よ!もうね、FFⅩの『素敵だね』流れてた時の映像を見てたときと同じよ!誰か分かるかな?いや、あれは泣くよ!絶対に!
って感じでした。
ちなみに血統流とは『白、赤、青、白、黒、紫』の順で高くなり、『空、想、幻』が上中下である。よって、一番最初は『白空』からである。と言ってもこの下には級と段もある。なので、二文字付きは上位者のイメージがある。『紫幻』ともなると化け物しかいない。雷突も雷交も雷切も雷よりも早いのである。一体全体、何人が反応できるのか・・・。紫幻〇〇(←数と武器)のこの表記は紫幻にしか与えられていない、奥義のような物なのである。