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異世界に呪いは付き物です!  作者: 来葉
第一章 魔窟  〜侵略と反逆の兆しと森狩族との出会い〜
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勇者 始動


風が吹き、鳥は鳴く。


空が晴れ、灯は灯る。


そんな日常は、すでに消えた。


音は消え、闇が広がる。


壁に空ごと囲まれた。


残ったのは百人だった。


しかしすぐに消えてしまった。


もはや今の時間も分からない。


今になって死ぬのだと気づく。


妻と子を亡くした。


友人も亡くした。


だからこそやっと死ねると思った。


後悔などない。


有ってはならないのだ


私はモノを作るのが趣味だった。


今は何も作れない。


作れないなら意味がない。


今はモノを作る資材もない。


天井・・・いや、この場所が揺れる。


天壁が堕ちる。


空が見える。久方ぶりの空が。


堕ちて来た岩を用いて壁を登る。


登り切ったその先にあったものは。



        砂漠だった



そして気づく。この世界は終わったと。


私は歩く。この砂漠を抜ける為に。


まだ見ぬ自然を見つける為に。




     世界最後のモノ作りの為に




---加藤軽茂著『世界最後に貴方は何を作るのか?』より、プロローグを抜粋---





私の親は俳優とアイドルだ。だからなのか周りに人が多い。今度もまた一つの作品の主役に抜擢された。



私の親は魔王と神だ。最初は意味がわからなかった。理解できないのだ。魔王とは?神とは何か?

私には分からないのだ。


そんな時に一人の男子が手を差し伸べてくれた。

そう、岩樹冬仙君だった。


彼とは幼くても三つの頃には一緒にいた。お互いの親が交流を持っていたのだ。


七つの頃に槍を扱い始めた。彼が刀を始めたから。少しでも一緒に居たくて。


一目惚れだったと思う。気付いたら好きだったのだから。


中学に入ると紫幻に昇格していた。彼の次だった。それでも天道や石田よりかは早かったけれど。


そして高校一年が終わる頃、私は槍を継承した。この世代で最初の継承だった。彼にも褒めてもらえた。


そして今、私は、私たちは異世界に来ていた。


彼も私も含めてこの場の全員が混乱している。


確かこういうのを『異世界転移』と呼ぶんだって聞いた事がある。


原理はどうなっているのか。重力と斥力、酸素濃度は確認済みだ。


奥から美しいだけでとても醜い女神が現れる。天道の親が神だからこそ醜いモノだと分かる。


何やら説明している中で、これからの動きをシミュレートしていく。


恐らくこれから何かしらの戦争に巻き込まれるのは確実。つまりは武力が必要なわけで、ここで本気を出すとこれから傀儡になる可能性が高まる。それとこれから渡されるもの全てに注意を向けなくては。恐らく奴隷制度が存在する世界。女神の説明が正しいのなら魔法道具が存在するはずだ。腕輪が首輪か知らないけど。


勇者のランクを測るというのだ。まぁ確かにランク付けは大事だろう。使い捨てる為には。今ランクをつけなくても別に問題がないのではないだろうか。


結果は彼だけが黒だった。生まれが卑しいなどとほざく下賤な輩が多いがその理由は分かっている。刀を継承できたからだ。それと彼の親が神殺しだからだろうか。まぁ、彼だけが特別だと示す事が出来た。これから彼をリーダーに一つの軍隊として過ごしていけば、この世界からすぐに脱出出来るはずだ。


すると彼が私達を呼ぶ。この場にいるのは彼の『岩樹』、私の『風鳴』、『天道』が当てはまる。石田はこちらを知っているが、裏の家ではない。他クラスの『海渡』や三藤の残り二つ、『兵藤』と『士藤』、数家の『一橋』、『二見』、『三羽』、『四船』、『五樹』、『六波』、『七闇』、『八聖』、そして『九世』はこっちに来ていない。『四船』が来てないのはありがたい。彼女は彼にゾッコンだから、この場にいると絶対に荒れる。


彼はなんと追放されると言うのだ。そして私たちにリーダーになってくれと頼んできたのだ。私達はスキル持ちと異能持ちを伝えてその場を離れる。これからの事を考えて。



その後、世界の説明を受けて、それぞれの部屋へとメイドが案内する。私の部屋の前でメイドが止まり、「こちらです」と扉を開ける。その部屋は広かった。


あぁ、おそらくランクによって広さが変わるのだろう。私は宝槍を持ち闘技場(訓練場とも言う)に足を向ける。そこには天道がいた。ここは良い空間だと思う。


『紫幻』はその強さから相手が限られる。同じ『紫幻』か、その一つ下の『紫想』の昇格試験、または各家の家主に教えを乞う時以外戦えないのだ。故に彼は毎朝父親に模擬戦をしてもらっている。私だって毎日彼と戦いたいのに。少し妬けてしまう。天道は声を出す。


「やはり私達は考えている事は同じですね。私も速くなったんですよ?それこそあなたを越えるまでに。当然あなたも速くなってるのでしょう?それを私に見せて下さいよ。」


私は確かにこの世代で一番速い。まぁ彼の父親はその速さも意味がないけど。


お互い武器の範囲にまで進んで構える。


「紫幻一槍---雷突」


「紫幻一長---雷払」


お互い雷が幻覚に現れるほどに速く、それこそ光すらも追い越すほどに---


ピタリ、と私の槍が止まる。その直後、彼の武器も止まる。


「私の勝ちね。天道。確かに速くなったけど、私は宝槍の継承者よ?あなたに負けるわけないじゃない。」


天道は武器を下ろし笑っている。


「ええ、リーチの都合上で勝てる可能性はあったのですが・・・壁でも超えました?」


それに私は素直に答える。


「ええ。つい先日『一』の四文字を覚醒させたわ。機会があれば使うかもね。それでも龍玄様の月落に落とされたけどね。」


私達の技の格は文字数で決まる。四文字は最強級。彼でも実は顕現させてない。天道は笑顔で告げる。


「そうですか。それではこれで。人が来ますから。」


私もこの闘技場から去る。


これからが楽しみだ。




最初の作品は存在しません。このドラマは青年組『作世争乱』という曲が主題歌です。人気が出たらこのドラマの話だけで一話使いたいかなと。


愛知視点です。実はかなり強いです。紫幻の一(雷切とか雷突とか。)だけだったら異世界に入った時点というか、冬仙が模擬戦した時の雷切よりも強いです。速いし。次の話で覚醒出来たらいいなぁと思っています。


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