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異世界に呪いは付き物です!  作者: 来葉
第一章 魔窟  〜侵略と反逆の兆しと森狩族との出会い〜
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質疑応答的会話

短いです。いや、普段から二千文字前後と短いのは知ってますが、今回は殊更短いです。中身的に続きを書いてしまうと二話分とかになってしまうので切りました。


「こんなとこで何してんだ?危険性とか考えなくて良いのかよ?」


とりあえずでそんな事を言ってのけた。言ってのけたは違う気がするけど。あの女が出てくるまで待つのは釈だし狼でも焼くか。すると後ろから魔力を感じる。・・・まぁしょうがないとは思うけど、こんな所で裸になってたのは向こうだし。まあ第一声でも聞きますかね


「貴方は何故ここにいるのですか!ここがどこだか分かってるのですか!答えなさい!貴方は誰の手先ですか!」


どこの手先ってなぁ・・・別にどこでも無いしどう答えようか


「別にどこでも無いな。強いて言うなら・・・神殺しの手先・・・なのかなぁ」


後ろは見れてない。見たら殺されそう・・・いや、殺されはしないだろうけど(実力的な意味で)なんか禍根残しそうだから。すると彼女はため息を吐いた。


「はぁ・・・なのかなぁってそれは無いでしょう。ここまでこれるという事はかなりの強者だという事の証明にはなります。それなのに私は貴方を知らない。本当にどこの人なのですか?」


いうべきなのかなぁ。まぁ契約上守秘義務があるわけでも無い。なら言うか。ここで信用を得る方が大事だな。


「俺は・・・神に捨てられた勇者の成り損ない。岩樹冬仙だ。そっちは?耳が長いってどう言う事だ?ただの人間じゃ無いよな?」


そう。彼女は耳が長い。噂というか、御伽噺に出てくるエルフってやつか?


「あ・・・ゆ、勇者様?でも捨てられたって・・・あ、私はペティネ・ローエンティ。種族は森狩族(エルフ)。四人組パーティー『攻略者』所属。よろしく。」


四人組パーティー?他の三人はどうした?あーいないのか?幾ら本気じゃ無いからってかなり力抑え込んでる俺を強いと認識出来るくらいには武芸ができるんだろうけどほかの人が強いのかどうかは不明。


「他の人はどうした?・・・ああちょっと待て考える。・・・飛ばされたな?大方上のボス的な存在のやつ倒したらトラップでここに飛ばされたんだろ?そんで休憩してたら俺に会った。間違いは?」


二、三瞬だろうか。返答が無い。すると息を吹き返したかのような呼吸音が聞こえる。


「あ・・・間違ってはいませんけど、どうして分かったんですか?」


「ああ?簡単だ。魔力の練りが甘い。外に漏れすぎているな。ある程度の威力しか出せないぞ?そんで立ち位置。すぐに反撃を許す場所だし。俺が現れた時に気づかなかったし。そんな奴が一人でここまで来れるわけない。偏見ではあるけど、あんたが一人でここに入る事を誰かしらが邪魔する奴がいるはずだ。大抵の場合女に成果上げて欲しくないと思う奴は居るしな。まぁパーティーなら邪魔はされないだろ。だからこそあんたは集団で来た事がわかる。」


俺はさらに説明を続ける。いや、丸一日以上会話してないと色々と出てしまうな。これからは反省する点かなぁ。


「それなら魔力を使う役割が二人以上必要だと思われる五人以上のパーティーじゃないから他に魔力を主体とする奴がいないと考えられる。それならそのお前が消耗していたらトラップにも気づかないのは道理だな。俺もここには飛ばされてきたんだし。さて、これでお前がトラップでここに飛ばされた事の理由を終了するが質問疑問間違ってる点は?」


彼女は---ペティネ・ローエンティは少し考えているようだ。後ろを見なくても分かる。それくらいの空気は感じれないといけなかったし。


「間違ってる点が二つ。一つは回復役が他にいるわ。もう一つは私の魔力は漏れてないわ。第一貴方も同じくらい漏れてるじゃない。」


ん?そうなるとちょっとメンバーおかしく無いか?後衛二人に前衛二人って、余裕ないじゃねぇか。て事はその回復役ってあれか。殴りメイジ。いるのかよ実際に。ってか俺自身が殴りメイジみたいな物だよな。ま、一回会話に戻るか。


「ふーん。魔力探知自体は行けるわけか。じゃあ俺の本気の魔力の隠蔽を見せてやるよ。そしたら分かるんじゃねえか?自分がいかに漏れてるかって。」


そして俺は魔力を封じる。身体の外ではなく中へ。奥へ、奥へ・・・よし、いい感じだな。ペティネはかなり驚いているようだ。


「嘘・・・!まさかここまで魔力が漏れてないなんて・・・!なるほど、ここまで魔力の操作が得意なら私の魔力と同じ漏れ方も出来るわけね。しかし、魔法の発動自体はどうかしら?魔力操作が上手くても勇者ならば詠唱は出来ないでしょう?」


少しカチンと来た。いや、煽られた訳でも無いのにカチンと来たのは久しぶりだな。よーし見せてやるよ。火魔法最上位属性焱属性の威力ってやつをよぉ!


「じゃあ後ろ見ろ。湖があります。これを・・・はい!無くなりました!」


やる事は簡単。焱属性で蒸発させただけだ。大人げ無いとは思いつつ子供(高校生ってどっちだろうか)だしいっか(甘いとは思う)。再度、というか三度?ペティネは驚いている様だ。


「な・・・なんなのですか今の火魔法は!?火魔法って威力じゃ無いでしょう!答えなさい!なにをしたのですか!」


「言うわけないだろ。お前は自分の手の内を知らない奴に明かすのか?」


当然の反論だ。なにが悲しくて信用しきれていない奴に手の内を明かさなければならない。あいつらのスキルも聞いていないと言うのに。彼女は罰が悪そうな声を出した。


「うっ・・・!た、確かにそうですが、得体の知れない物を信じれないのは当然では?大まかなジャンルくらいは教えてくれてもいいのではないですか?そもそも勇者ってそんなに不親切な人間ではないでしょう?」


「あのなぁ、勇者が全員同じだと思うなよ?俺は俺だ。他の誰にでも俺という一人を否定する事は出来ない。俺がこう言う性格なんだからそうなんだよ。分かったか?・・・まぁ、確かにお前からしたら得体の知れない物だから怖いと感じるのも仕方がない事だし、大まかなジャンルくらいは言ってもいいのか。じゃあ言うぞ。」


彼女は唾を飲み込んだ。他に生物がいないからよく聞こえてしまう。


「魔法だ。」


少しの間、無音の空間が続いた。美術館よりも静かな空間だった。案外俺には合っている。いつまででもと言う訳ではないが、今は存外心地良い。彼女は今更大きな声を出すのは恥ずかしいのか普通の、落ち着いた声で反応した。


「魔法・・・ですか。しかし火魔法ではあそこまでの威力は出せません。爆発した様子が無い事からあそこまでの威力が出せる魔法?覚醒魔法ならあそこまで行けるのでしょうか?」


知らない単語が出てきたな。覚醒魔法か。あー炎とか氷とかの合計レベル11以上の魔法群か。


「そこから先は考えろ。そんじゃあここからは契約の時間だ。」


こいつが信用できるかどうか。俺とこいつと未だに会っていない他のパーティーメンバーの運命を決める契約が始まる。




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