表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/42

第5話:炎天下の悲劇?

 「午前中はー首里城のー見学です」


 修学旅行2日目。午前中は首里城の見学をします

 修学旅行は7日という結構な長さです。そして午前中は全体行動。午後から自由行動というのが全体の流れとなります

 なぜか岡辺とミッキーと藤井の姿が見えない。ミッキーと藤井は不良だからまぁいいとして、昨日から居ない岡辺はビミョーに心配だ


 「つーかさぁ。冬貴は夏帆さんと付き合ってるの?」


 今はバスの中です。そして僕の横にはいつもの秋馬……ではなく馬鹿の西大輝

 正直辛い旅になる気がする……


 「そんなわけ無いだろ」


 「でもほとんどの奴はそう思ってるぞ」


 マジ? そりゃ一緒に居ることは多いけど……それだったら秋馬の方が当てはまるだろ


 「というかなんでそんなことを聞く?」


 「お前……そんなの当然だろ。俺は夏帆さんLOVEだからな」


 コイツは……なにを言い出すかと思えばとんでもないことを

 しかし、夏帆も男を好きになったりするのか?


 「はぁー……」


 「どうしたの? ため息なんかついて」


 「お前が羨ましい」


 「はぁ?」


 「夏帆さんに殴られているお前がぁ!!」


 気持ち悪い! なんだこいつ

 僕としては全く嬉しくないんだが……だって夏帆手加減してくれないもん


 「言っとくけど、あれめちゃくちゃ痛いよ?」


 「構わない! 夏帆さんの拳なら目に入れても痛くは無い!」


 「じゃあ入れてやるよ」


 はい?


 「ぎやぁ!」


 本当に目を殴りやがった! ていうか聞いてたのかよ!

 てか後ろに座ってたんだ……


 「こ、これが愛のムふがぁっ!」


 「行こう冬貴。もう着いたよ」


 「あ、うん」


 まさか西がこんな奴だったなんて……知らなかった


 「くそぅ。冬貴め……」


 それはごめん。悪いけど僕は夏帆と一緒に行きます

 というか冷静に考えたら付き合ってると思われるのも仕方ないのか?

 まぁいいか。とりあえず首里城を見に行こう




 「首里城って赤いねー」


 「そーだな。本当に赤いね」


 赤いし暑い。確実に昨日より暑い

 バスから出て30秒。すでに汗が噴出してきている


 「暑い! 冬貴。中に入ろう。城の中!」


 「そうだね。太陽の下は暑すぎる」


 暑さをしのぐ為に僕たちは城内に入った。だが城の中は人が多すぎて逆に蒸し暑い


 「あーダメだ。どこ行っても暑い」


 「沖縄だしねー」


 「冬貴扇いで」


 「えー!」


 僕も暑いのに……

 夏帆は僕にうちわを渡して座り込んだ。なんて人使いの荒い奴……

 まぁ、仕方ないから扇いでやろう


 「ぬあぁー風がぬるい!」


 「それは仕方ない」


 「扇ぎ方が足りないのよ!」


 「はぁ?」


 「ちょっとうちわ貸して。手本を見せる」


 そういって夏帆は僕からうちわを奪い取り思いっきり僕を扇いでくれた

 ものすごく暑い沖縄で、確かに涼しい風を受けることができた


 「あぁー……涼しい」


 「ハァ、ハァ、ハァ、」


 これは相当疲れるみたいだな。ご苦労様


 「おーおー2人きりかい。見せ付けてくれるねー」


 「「あぁ?」」


 「そんな普通の奴よりも、俺と遊ぼうがふっ!」


 「……失せろ」


 夏帆コワッ! 暑さでおかしくなってきた! 問答無用でボディブローって……

 これはマズイ。とにかく涼しい場所に行かないと、主に僕の命が危ない


 「と、とにかく涼しいところ。日影にいこ!」


 「……うん」


 と言ったものの日影なんてナッシング!

 どこもかしこも日が当たる。しょうがないからバスの中でいいか




 「あぁー……やっぱいいねぇクーラーは」


 「そうだねぇー……」


 逃げ込んだバスの中はクーラーが効いていた

 かなり涼しい。もう出る気が起きない


 「あぁー……気持ちいぃ」

 

 ヤバイ。クーラーって誰が考えたんだろう

 天才だよね。クーラー作った人


 「そろそろ行く? ……寝てる」


 寝ちゃってますね。なんだか随分と気持ちよさそうに

 なんだか起こすのは悪いな


 「1人で出て行くのもあれだしなぁ……」


 もう僕も寝ちゃおうかなぁ……でも真横で夏帆が寝てるのに寝るわけにもなぁ……


 「イデェ! な、何があった!?」


 顔面に夏帆の手の甲が……なんて奴だ。寝ていても僕を狙うのか

 というか結構寝癖悪いなぁ……


 「……しまったなぁ」


 顔面を殴られた時、夏帆が座席で転がり僕の上にもたれ掛かる形になってしまった……なんか甘い匂いがするし……心臓がはじけそう……

 それに、その……あれが胸が当たってるんですけど


 「てかヤバイ! 特に西に見られるわけには! というか誰にも見られるわけには!」


 どうしようか

 夏帆を自分の席に戻してしまえばいいのだが……

 まぁ、幸いここは西と僕の席で、夏帆の席は後ろだから距離はないし。夏帆は僕のもたれてるから持ち上げるのも簡単だろうし

 やるしかない!


 「はっ! っとと……軽いな。簡単に持ち上がった」


 後は起こさないように夏帆の席まで……ヤバイ! 足元に何か!

 ちくしょう! 西! 通路にかばんを置くな!


 「うわっ!」


 夏帆を通路に落とすわけには……

 とにかく夏帆の座席に夏帆を座らせてっと。僕が倒れる

 それで解決のはずが、西のかばんの紐が僕の足に引っかかっていた


 「ヤッベ!」

 

 ……なんか柔らかい感触が……


 「うわっ!」


 反射的に飛びのいてしまった。そして頭を思いっきり打ってしまった……

 だがそんなの問題にならない!

 なぜなら大問題が起きたから

 僕の唇と……夏帆の唇が……

 

 夏帆とキスしてしまった!! ヤバイ、多分今までにないくらい顔が赤いと思う

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ