表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
13/42

第13話:修学旅行なんてろくなことないよ

 「なぁ冬貴」


 「ん?」


 「お前昨日何やってた?」


 「ん〜? 普通に鬼ごっこでしょ?」


 「そうだよな」


 どうしたんだ秋馬

 まぁ、どうしたんだは、同時に僕にも浴びせられる言葉だと思うけど……

 普通に鬼ごっこなど断じてできてはいない


 「俺さぁ……春香が好きみたいだわ」


 ぶふぉ! 

 いや何も吹き出してないけど


 「そう……なんだ」


 「あぁ!」


 言い切ったら元気になりました

 だったら僕も秋馬にはもう言ってしまおう


 「僕も「まぁ冬貴は夏帆だろぉ? うまくいくといいけどな!」


 ……は?


 「僕そんなこと言ってないよね?」


 「馬鹿め。冬貴馬鹿め。俺が気づかないわけ無いだろ」


 なんだって!?

 まさか秋馬も超能力を……

 そんなわけはない。僕ってそんなにわかりやすい?


 「そして今日で修学旅行最終日」


 「は? まだ5日目だよ?」


 「藤井のな」


 なるほど

 早々と一人で本州に帰還か

 まぁ、喧嘩に喫煙、夜間徘徊に雀荘。ヤクザとよろしくやってたのだから当然の処置とも言える


 「かわいそうっちゃー、かわいそうだな」


 「そうだね」


 しかし、藤井が帰ってしまうと、問題もそうそう起きないだろうな

 あと2日は、静かな修学旅行になりそうだ


 「おい! お前ら!」


 西が部屋に飛び込んできた

 まぁ、この部屋は西の部屋でもあるから文句とかはないけどね


 「藤井が俺は帰らん! とか言って暴れてる!」


 「「なんだって!?」」


 なんと、最後の最後に大問題を起こしてくれる予感……

 いや、期待はしてないよ




 「殺すぞ公務員が!」


 「黙れ! これ以上やったら、本当に逮捕するぞ」


 「やってみろやぁ!」


 なんと、なんと警察が出動する事態に……

 本当にめちゃくちゃな奴だ。なんとトメさんが鼻から血を出して倒れている


 「うぐっ! この……公務執行妨害だ」


 「うっせ! 公務員なんかにびびるか!」


 ついに警察の顔に……こりゃだめだ

 停学ですめばいいな


 「いい加減にしろ!」


 関節技だ


 「触れんな!」


 外して警察の顔面に藤井のパンチ! 本当に強いな藤井は

 

 ……警察は動かなくなった。教師が話しかけた、しかし応答がない。まるで屍のようだ

 そして鼻から血が出ている


 「やべぇな藤井」


 「そうだね……にしても強いね」


 「あぁ……」


 どうやら秋馬も感心して声が出ないほどの強さらしい

 僕からすれば、秋馬も相当だけどね


 「秋馬。あれパトカーだね」


 「うわぁ……高校生一人に対して、警官6人て……」


 降りてきた警官は6人。武装はしていないとはいえ、訓練を積んだ男たちだ

 これはもう、だめだろ藤井


 「ラアァー!! 死ねぇ!」


 「ぐあ!」 「うわ!」 「ぐはっ!」 「ぐふっ!」 「ぎあっ!」 「うあぁ!」


 「ハァ、ハァ……」


 ……屍累々

 というかどんだけ強いのさ

 ありえないよ。高校生一人が、合計7人の警察官をノックアウトって……前代未聞だ


 「いい加減にしろよ。……撃つぞ」


 その手に持ったその物体は……

 まさかピストルでは!?


 「は! 撃てば?」


 「……舐めるな」


 「撃てよ。できねぇだろ?」


 「……」


 


 パァン!




 「……あ?」


 う、う撃たれた? のか?


 「なんだ、今、ぐあっ!」


 なにがあった? 撃ったと思われる警官ばっかり見てたけど、今のは別の警官の攻撃だったよね

 

 「くそっ! 空砲かよ!」


 「ちっ! いいから乗りやがれ」


 連れて行かれてしまった

 まぁ、仕方がない。誰が悪いと言えば、今回の騒動は全て藤井の普段の行いが悪いのだ

 庇うこともない。しかしさすがは警察官だ。あの荒れ狂う化け物を抑えてしまった


 「ふぅ……全く。とんでもない奴だ」


 先生。お気持ち分かります

 本当にとんでもないですね


 「俺が、負けたのか……」


 トメさん。ショックでキャラが変わってます


 「……また学年集会だな」


 学年主任! 勘弁してくれ!




 ちくしょう! 藤井め! 5日目がつぶれてしまうじゃないか!




 「――というわけで。無責任な行動は慎むように」


 くそぅ。もう分かったから!

 もういいから! その話は入学説明会の時でもう聞き飽きたから!

 だから僕たちをこの沖縄に解き放ってくれよ! なんで修学旅行の内の2日もこんな風にホテルに詰め込まれるんだよ!


 「……ふあぁぁ……」


 「でかい欠伸だね秋馬」


 「しゃーねーだろうか。眠いものは眠い」


 「そーだね。僕も眠たいかも……」


 まだ終わらない

 これ内容的には同じことを4、5回リピートしてるだけだよ……

 本当に無意味な時間だよ


 「――我が校の生徒であるという自覚の元に行動してもらわないと……」


 そのフレーズも何回聴いたことか……

 

 「……うぜぇ。あのツルッパゲぶっ飛ばして黙らせようか」


 「だめだよ。秋馬まで帰らされるよ」


 「ちっ……」


 機嫌が悪いときの秋馬と、普段の藤井の脳の構造は酷似するものがあると思うな


 「――というわけで、今回の話は終わりとします」


 よっしゃぁ!

 

 「と、行きたいところですが」


 「「「なんでだよ!」」」


 数名つっこんだ……

 気持ちは激しく分かるが、それが口から飛び出すあたり秋馬と夏帆は困る


 「新型インフルエンザが流行っているのは知っているな?」


 随分タイムリーな話題だな……

 いやぁ、別に偶然新型のインフルエンザが発生して、近畿あたりからものすごく広がりかけていたりするだけですけどね


 「その関係で、今すぐ帰ります」


 「「「「えぇー!?」」」」


 今回は反応した人は多い

 僕もそのうちの一人だ


 「と、行きたいところですが」


 なんだよいったい!


 「飛行機に乗るのも危険な状況です」


 じゃあどうするのさ!


 「どうしたらいいでしょう?」


 聞くな!


 「「「「聞くなー!!!」」」」


 なんかひな壇芸人みたいだ……

 おもしろいけど、笑える状況じゃないのは確かだ


 「なので、現在は感染が確認されていない沖縄ですが」


 だったらいいじゃないか……


 「濃厚感染者がいるっぽく、出歩くのは危険です。というわけで、申し訳ないのですが、あなた方はホテルに缶詰めですね」


 嘘だ……まさかテレビで見ていた状況に僕が……




 勘弁してよ……

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ