表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
10/42

第10話:国に2人とはいない勇者

 さぁ、買い物へ! 行きたかったのだが今僕たちは、というよりもこの全生徒はホテルの一階のロビーにてお話しを聞いている

 なぜこんなことになったかというと、九割ほど藤井が悪いと思うけどいろいろと警察のお世話になりかねない行動が目立ったからだ

 ちなみにお説教が始まることになった一番大きい問題は藤井が吸っていたタバコだ


 「ふざけてるのか!」


 「あぁ? 雀荘に行ってはいけませんなて言ったか? タバコ吸うななんて誰が言った?」


 国が言いましたよ藤井さん。それは法律で禁止されています


 「俺は弁護士じゃないんだ。法律なんて知らん」


 未成年の喫煙が禁止だということを知らない高校生が一体日本に何人いるだろう……僕はゼロだと思うよ


 「帰らせるぞ!」


 「……あれはポッキーだ」


 「あ?」


 「テメェの節穴アイが俺のくわえていたポッキーをタバコと見間違えたんだろ? いい加減なこといってると殺すぞ?」


 またむちゃくちゃを言うなぁ

 それは通らないだろ


 「そうか、ポッキーか。分かった。だが夜間にうろつくのはやめるように」


 納得したのか? 今のでいいのか?

 いいならかまわないけど


 というわけで、さぁ買い物へ! と思うのだけどここで更なる問題発生!


 「おォいコラァ! ここに藤井っつーガキがいるなぁ!?」


 誰? もしかしてヤ●ザ?

 なにしにきたんだろう


 「負けっぱなしで引き下がれるかよぉー! とりあえず金返してもらうぜ!」


 「あ? テメェ等が弱すぎるだけだろ? 妙な因縁つけてんじゃねーよ」


 麻雀か……

 あの日藤井の相手をしていたのか……それもヤ●ザって


 「ウルせぇ!」


 「ちょ、ちょっと!」


 先生が止めに入る。まぁこれは当然なのだが……


 「教師がでしゃばんじゃねぇよ!」


 「ひぃっ!」


 これもお決まりなのだ


 「うぜぇな、殺すぞ」


 「やってみろやァ!! ガキがあんまり舐めた口たたいてっとゴフォォ!」


 「あ? なんて?」


 そして藤井は強い。それにヤ●ザを恐れたりはしない

 臆することなく放った藤井のストレートで決着がついた。それにしても修学旅行でヤ●ザとトラブルになる学校が、果たして日本に何校あるだろうか……

 先生たち……これからうまくまとめるの大変だろうな……


 「くっそ……高校生が舐めたまねを……」


 そんな捨てゼリフを残してヤ●ザは帰っていった

 岡辺曰く


 「これは最終日にヤ●ザルートが発生するフラグが立ったな」


 だそうです


 買い物に行きたかったのに、それはまた後日ということになってしまった

 例のヤ●ザたちがヤバイっぽいので、本日の午後からはホテル内に待機ということになった 



 「ナイスだ西!!」


 「よくがんばった相棒ー!!」


 「すごいや西!」


 この部屋の仲間たち、僕と秋馬と岡辺はパイナップルを持ち、無事に帰還した西隊長を拍手で歓迎した

 この男、パイナップルを取られまいとホテルの外に隠れていたらしい

 そして、忘れていたパイナップルをお説教の時に回収したらしい


 「では! 食べようではないか!」


 「食いながら麻雀の二回戦でもやるか」


 またか。またですか秋馬

 僕はまぁ……得意だから良いけど!


 「ヤンぞコラァー!」


 そして前回惨敗の西は気合充分だ。どうせ負けるのにな


 「待て! ここは女子を呼ぼう!」


 「なぜ!?」


 「むさ苦しい」


 「それは同意」


 まぁ僕もむさ苦しいとは思うけど、女子を呼んでどうなるんだ?


 「脱衣マージャグハァ!」


 「「帰れ!」」


 何かを言いかけた岡辺を、僕と秋馬渾身のコンビネーションキックで部屋から追い出した


 「じょ、冗談だ。やっぱ麻雀は……男同士だろ」


 「それでいい」


 気を取り直して、レッツ麻雀!




 ジャラジャラジャラジャラ……


 「ロン! 30符4翻。8000点支払いでーす」


 「な、西が……」


 不覚にも……油断した。たいした役ではないとはいえ、考え無しに牌を……

 気合入っているだけはある。どうやら×ゲームがいやらしいな


 ジャラジャラジャラジャラ……


 来た!


 「ツモ。30符2翻の500点」


 「冬貴らしいチッセェ役だ……」


 「秋馬はデカイ役ばかり狙うから浮き沈みが激しい」


 「うっせ! 見てろ!」


 ジャラジャラジャラジャラ……


 秋馬があきらかに何かを狙っている

 捨て牌にはランダムに数字の牌ばかりが捨てられていく

 そしてその中に一九の牌と、字の牌は入っていない。色々考えられるし、これは多分。確率的には来ることはないと思うけど……まだコイツ鳴いてないしなぁ

 国士無双……


 「ツモ」


 「んだとテメェ!!」


 「落ち着け岡辺……秋馬、何が来た?」


 「?」


 1人だけ状況が全く読めていない男が1人いるが……

 とにかくもう秋馬が半端な役ではないのは確かだろう……チートイツ……ではないだろうな

 最悪の場合も考えられる


 「国士無双!!」


 最悪だ


 「×ゲームだ岡辺!!」


 「なぜ俺!?」


 「お前が点が一番低い!」


 「まだ途中……」


 「国士無双だぞテメェ!! 初めてみたっつーの!」


 秋馬テンション高いな。そりゃそうか

 国士無双なんてそうそう見れるもんじゃない。なんとも美しい役だ

 まぁいいや。×ゲームは僕じゃないし


 「一体×ゲームってなに?」


 「……×ゲームは」

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ