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1話~新時代に取り残された男は此処で決意する~

平成から令和にかけておはようございます、えぬえるです。

今回は転生するまでの話を書きました、あと主人公の名前なども分かります!

それでは令和と共にお楽しみください

…んっ。

僕は目を覚ました。ここはどこなのだろうか、白…というより、光に満ちた延々と続く部屋のようだった。言うなれば無の空間。いや、目で自分の手が見えているあたり光はしっかりと存在しているようだ。

「ようやくお目覚めですか、屍さん」

声のした後ろを振り向くと、まるでライトノベルにでも出てくるかのような露出度の高い服を着た女性が立っていた。見た目は20代前半、そんな気がした。

「屍って…まぁ、僕のことだよな」

「えぇ、元営業マン、長野県出身の22歳。親から授かられた名は…和田 令治(れいじ)。間違いは?」

「…えぇ、間違いありません」

死んでしまったのかという思いから俯いた瞬間、自分に飛び込んだものは裸の自分であった。

なにか声を出すことも出来ず、とりあえず自分の陰部だけでも隠そうと手で股間を覆った。

「そうなことなさらなくても大丈夫ですよ。そういえば私のことをお教えしていませんでしたね。名前はミール、ここで死者となった方々を振り分け、新しい人生を歩ませる神官を担わせて貰っています。」

そうか、これが仕事であるのなら向こうは幾千もの人間を裁いているはずだ。しかし、さすがにこの手を外すという判断をとることは出来なかった。

「そんなに隠すとは…本当に不思議なお方ですね。ひとまず服が必要なのであれば念じてもらえれば出ると思いますよ。」

私は死ぬ間際に来ていた服を目を瞑り思い出した。白いTシャツにチェックのシャツ、紺のズボン。特徴のない服だったが、目を開けた時にはその時の服は纏われていた。

神官ミールはにこりと微笑んだ。

「それじゃあまず、あなたに起きた災難についてお話しましょう」


4月30日午後6時過ぎ、オフィスでそつなく仕事をこなしていたいつもの夕方、変わらない仕事場の雰囲気、景色。違うのは2つ。この窓から見えるバケツを返したような大雨と、今日で終わる元号。

天皇の生前退位。それによって平成は終わり、新しい時代「令和」へと時は進む。僕はこの元号がとても大好きだ。自分の名前から取ってもらったような優越感、特徴の無かった自分に突如舞い込んだ朗報だった。

別に平成が嫌いだった訳ではない。この半生を過ごしてきた平成の時代は自分の元を作っているのだから。

平成最後の日、それでも仕事は変わらず外の雨のように僕に降り注ぐ。なにぶん、しんどい訳でも無いので別に嫌ではない。12時までに家にさえ着けば満足なのである…


「…そしてあなたは仕事を余裕綽々と終わらせ意気揚々と帰宅する途中に雷に当たり、令和を迎えられることなく屍に成り果てた」

「僕の心をそのまま朗読したかのように振り返りましたね」

「ここまででひとまずあなたの生前の災難についてはおしまい。ここからはあなたのこれからの生きる道についてお話します」

こっちの声は無視して神官ミールは話を進める。

「まずあなたが死んだ元凶である雷ですが、あれは天候によるものではありません」

「……はい?」

何を言われているのかさっぱり分からなかった。僕を殺したあの雷は天候によるものではない…?

「あの雷は、大雨の時に私たちが1本のみ振り下ろす(いかずち)(つるぎ)です」

…つまり……

「僕を殺したのはお前だっていうのか!?」

「正確には私ではなく、私とは別の神官を担う者です」

「そんなことは聞いていない!お前達は俺のこれから生きていたであろう人生を…」

「あれは雨による災害が不運を見舞わせることにならないために私たちが幸福を込めて落とす幸せの(いかずち)なんです。本来、人には当たらないものなのですが…」

「………っ!」

確かに不慮の事故は誰にでも起きるものだ、この神官は嘘をつくような人にも見えないので色々と言い返したい気持ちを精一杯押し殺した。

「……僕の人生は不運な事故で幕を閉じたわけか」

「ええ、申し訳ありませんがこちらの不手際で前世での人生は終了となります」

「それで、僕は一体これからどうなるんだ?」

「これからのあなた様の人生は…」

と、彼女はおもむろに立ち、すっと僕の後ろに立った。

「あなた自身で見てください」

片手で背中をポンと叩かれ、僕は吸い込まれたように何も無い空間に引き込まれた。僕はその行動に一言物申したかったが、口が動くことすらせず目の前がまっくらになった…

どうでしたでしょうか!?次回が楽しみになりますか!?実は週1投稿で次に投稿されるのは1週間後となります!お楽しみにー!!

チートが嫌いな主人公の顔が垣間見えるのは次回からですかね、新キャラさんもどんどん出てきますよ。

それではまた1週間後にお会いしましょう、えぬえるでした。よい令和時代を。

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