19-3.帰宅(19日目)
飛び出したアリスと紅葉達を探しに、村を散策し始めたサトシは・・・
「家を出たはまでは良かったけど、どこを探すかな・・・」
最近探してばかりだな?
といっても、探すのは得意ではないし紅葉に頼ってばかりだが。。。
村の中を回りながら探すか。 何か面白いものがあるかもだしな・・・
歩幅を広めて、村の中を散策することにした。
村の人々もさっきの汚れを落としたのだろう、通常の生活に戻っているようだった。
ただ、俺を見る目には怯えが感じられる。 近づいてくる者が居ないのは歩きやすいが、避けられるのは中々にくるものがあるな・・・。
前方から大きな荷物を背負ったエルフが歩いてきた。
丁度いいな。
「あのー・・・ちょっと良いかな?」
「うわっ!? あ、あなたは・・・何でしょうか・・・?」
彼は一歩後ずさったが、何とか話が出来そうだ。
「こっちに俺の仲間・・・アリスを見ていないかな?」
「いえ・・・こちらの通りでは見ていません・・・もう宜しいでしょうか・・・?」
「あぁ、すまなかった。 ありがとう」
彼は足早に離れていった。 背中には竹籠を背負っていて、中には竹が詰まっていた。
このまま先へ進むと竹林でもあるのだろうか? こっちにアリアが来ていないと信じるなら、こちらへ進んでも無駄だろう。 立ち止まり周囲を見渡した。
話し合いをした建物の横には、1本の道が伸びているのみ。
まっすぐのびた道の両脇に家が立ち並んでいて、その先は森に続いていた。
「反対へ行ってみるか」
来た道を戻りつつ更に先へ向かうと、期せずしてさっきの彼を見つけた。
彼は、家の戸口で中に声を掛けているようだった。
あまり近づいて見入っては、さっきのように怯えられる為、遠目で確認している。
家の中から、家主と思われるエルフが出てきたが、何やらジェスチャーをしている・・・
おもむろに彼は背中の竹を取り出し、手をかざしていた。
竹はパラパラと繊維が裂け、クネクネと生きているかのように自らを編み込んで、見事な竹ザルが完成していた。 完成した竹ザルを受け取った家主は、家の中に戻り何かを渡していた。
一部始終を見ていて分かったのは、彼は背中の竹を使って道具を作っているようだった。 意図せず着いて来てしまったが、その後も籠や傘も作っていた。 その度に何かを受け取っていた。
その後もまっすぐな道を進みつつ周囲を見渡すと、彼以外にも同じようなエルフが居た。 火を出している者、水を出している者、食べ物を並べている者。 その度に何かを受け渡していた。 この村では、魔法の技能を活かして働いている者が居るのだろう。
気付いた事がある。
この村の家はどこも小さい。 それはエルフが小さいからでは無く、寝る為のスペースだけしかないと言えば分かりやすいだろうか。 生活をする上で、色々な物がそれぞれの家で足りない。
村全体で1つの家を成しているようだ。
皆で支え合っていて、料理が出来る者は料理のみ作り続ける。 その料理を得るには魔法を活かし働き、お金を得て料理を買う。 それぞれが、それぞれを支え合う。 一人で生活する事は出来ず、村全体で一つの生活が成り立つという感じだ。
その為なのだろうか?
道具という概念があまり発達していないようだ。 魔法で代用できてしまうから、他人が出来る事は任せる。 生活にも分業を取り入れ、極限まで貫かれた生活だった。 イメージが魔法として使える世界は、こうなってしまうのだろうか?
村の違和感の正体はこれだった。
これは、エルフの村だけなのだろうか? 人が増えれば傾向は変わるかもしれないが、新しい発想が生まれ難いはずだ。 同じような魔法を扱える者が集まったなら、切磋琢磨し改良や発展は行われるだろう。
村の事は分かってきたが、肝心なアリアは見つからない。
村の中には居ないのだろうか? 森と村の境界に、門番が立っているようなので訪ねることに・・・
「ちょっと質問してもいいかな?」
「ん? 見慣れない顔だな・・・」
門番は槍を構えてこちらを警戒していた。 さっきの洞窟で起きた騒動は、まだ伝わっていないようだ。 全員をあの場に集めていたのでは無いようだ。 村の守りを解いてしまっていたら、敵の侵入やトラブルを防げない。 最低限の人員は残していたのだろう。 クイナの指示なのか、的確な判断だと思った。
「おーい、交代するぞー」
「あぁー! 宜しく頼む。 ついでだが、こいつの事知っているかー?」
槍を構えたまま森から戻ってきた兵が視認出来るよう、門番は横に移動した。
「おっおいっ!?」
走ってきた兵士は俺を見るなり驚き、門番に耳打ちをしている。
門番の構えていた槍が次第に下がり、顔が青ざめていく・・・
「も、申し訳ありませんっ!」
二人揃って平伏していた。 顔が地面にめり込むかと思うほど、震えながら押し当てている。
「謝る必要は無い。 彼には自分の事が伝わってなかっただけだ。 兵士として正しい姿だと思うが?」
俺の一言で、激しく震えていた門番の揺れが小さくなった。
だが、揺れは伝染するようだ・・・
交代要員の兵士の揺れが激しさを増していた。。。
「わ、わたくしが伝えて忘れてしまった事が失態です! わたくしに責があります。 ど、どうかクイナ隊長には、どうか・・・ご容赦願います。 足りないでしょうが、ここはどうかわたくしの命で償わせて・・・」
「お前っ!? ばか野郎・・・」
門番の囁きが耳に届いた。 俺に対して言っていることでは無いはずだ。 命を投げ打つ同僚に嘆いているのだろう。 とてつもない覚悟を持った兵士だと驚くも束の間・・・
「いえ、あなた様は村の中からいらっしゃった。 外ではなく、村の中から来られた方に槍を突きつけるなど、愚かな行いでした。 わたくしにこそ責があります。 彼にも・・・どうかご寛大な配慮を・・・わたくしの命でどうか・・・」
どちらからとも無く、兵士達は手を握り合っていた。
恐怖心で吊り橋効果がとか、男同士の友情(?)の様なものが・・・
困ったな・・・俺の事はどう伝わっているんだ? 確実に悪い方面だという事は揺るぎ無い・・・頭が痛くなってきたぞ。。。
「二人の命なんて要らないからな・・・? それよりも聞きたい事が・・・」
「そ、そんなっ。 我々の命では・・・やはり・・・クイナ隊長、我々は何て事を。。。申し訳ありません・・・申し訳ありませんっ・・・」
二人の兵士は、地面を濡らしていた。
自分達の失態でクイナが害されると考えているのだろう。
あんたらもアリアと同じことを・・・。
ただ、クイナが慕われている事が良く分かった。。。 想われている事に羨ましく思う。 自分達の命を投げ出してでもと想う彼らは、クイナの何に惹かれているのだろう?
二人の命なんて要らない。
もちろん、クイナの命だって、体だって。
強く惹かれるクイナの何かに、俺は興味を持っていた。
そう想われるまでに、彼女はどれだけ身を削ってきたのだろうか?
そこには、きっと偉業も運もあったかも知れない・・・。 だが、それだけではなれない。
俺には無い輝きを持つだろうクイナを羨んで、そして妬んでいるのが分かる。
今は、紅葉にもアリアにも俺は好意を持たれているだろう。
だが、いつまで・・・?
現実世界で出会ってきた異性との過去がフラッシュバックする・・・
二人もいつか離れていく・・・
俺は必要とされなくなって、そして一人に戻るのだ。。。
俺は何を削ってきただろう。 何も・・・だろう。
異性との関係を疎ましく、そして誰よりも欲した醜い自分。
だからクイナを羨ましく思う。
そんな自分だから、クイナを妬ましく思ってしまった。
何の努力も無く、そうなる何て無いと分かっているのに。
運だけじゃないと分かっているのにはずなのに。。。
妬むばかりで勇気の無かった自分だから、俺は自分が嫌いだ。
自分自身よりも憎い者は居なかった、それが俺の現実での人生だった。
俺の頬にも水が流れた。
・・・
涙を流す男3人の思考は違ったが、声無く泣く不思議な一体感が生まれていた。
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「我の行動が発端だった事もあって、安直な行動に出た事を悔いて、来てみたが・・・何なのだあれは・・・? 心配する必要なかったかの・・・」
木の枝で這う小さな白蛇の目には、伏して泣く男二人と、呆然と立ち尽くし泣くサトシが写っていた。
「まぁ・・・帰るか」
白蛇の背には翼が生え、夕日の浮かぶ空へ消えていった。
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陽が傾き始めてもなお、三人はその場を動いてはいなかった。
通行人すら、その状況に顔を曇らせるが声を掛けていない。
村中に、サトシの噂は広がっていた。
兵士二人を平伏させ何故か目を閉じ立ち続ける姿は不気味であった。
「サトシ、何泣いてるのよ・・・」
「サトシ、大丈夫?」
「・・・っ!?」
過去の悲しみに囚われて、時間を忘れていたようだ・・・
「紅葉、アリアっ!」
二人の声を聞いて、さっきまでのモヤモヤは消えていった。
走って駆け寄ると、紅葉が飛び込んでくる。 フカフカのモフモフだ♪
「どうして泣いてたの?」
「あ、あぁ・・・ちょっと昔を思い出してね・・・」
「あら、面白そうね。 詳しく聞かせてくれないの?」
「また今度な」
「紅葉ちゃん、残念よね」
「ぅん、ガッカリだよ・・・」
「お前ら、二人して俺を虐めるなよ・・・また泣くぞ」
「泣くとか言ってる割に、嬉しそうに見えるけど?」
「ね~♪」
紅葉とアリアが仲良くなっている・・・と言うか息が合ってると言うか・・・
「紅葉とアリアに会えて嬉しいからな。 って、二人とも何かあったか?」
「ちょっとね、でもサトシには内緒っ♪」
俺の腕の中から紅葉がアリアの方へ飛びついた。 今までならあり得ない状況に俺は少し寂しくなった・・・。
「紅葉・・・アリアの方が良いか・・・?」
温かさの無くなった腕は、まだ虚空を抱き続けている。
「そ、そんな事ないからっ! もー・・・」
紅葉が再び腕の中に戻ってきた。
「紅葉~♪」
「分かってはいても、サトシはほんと紅葉ちゃん大好きよね。。」
ため息交じりのアリアの声は、少し寂し気であった。
「俺はアリアの事も同じように好きだぞ!」
「・・・っ!? そ、そうだったの・・・」
「というか・・・これからもアリアと呼んでいいか?」
「っ! い、今頃そんな事確認しないでよっ! 今度は私が泣くわよっ!?」
「ごめん、悲しませるつもりじゃなくて・・・」
「良いわよ、分かってるからっ。 自信持ってよね? それよりも、もうすぐ陽が落ちるわね。 洞窟のところに集まらなきゃ」
自信持ってよね・・・か。 アリアの言葉は余韻を持って響いていた。
そろそろ行くかと、洞窟を目指す事に・・・
村の中には火の魔法士だろう、道の周りにたいまつを配置していた。 俺もバックパックから明かりを取り出そうとすると、紅葉がミニ太陽を出してくれた。
「ありがとうな」
「ううん♪ 私が出来る事は私も手伝うからねっ」
「あぁ、助かるよ。 それじゃ行こうか。 エイシャさんはそう言えば家に置いたままだったけどどうしようか?」
「ママの事だから、問題ないと思うわ。 要領良く立ち回る人だから・・・私と違ってね・・・」
以前もあった気がするが、アリアの目が遠い空を見ていた。
洞窟の周囲にはたいまつがたくさん並べられていて、紅葉のミニ太陽が無くとも明るくなっていた。
昼間と同じようにクイナが先頭、その後ろに男のエルフが一人、後の村人が大勢既に待機していた。
慌てて駆け寄ろうとすると、アリアから止められた。
「大丈夫よ、サトシはゆっくり行けばいいわ。 私達とクイナ姉達は対等じゃないの。 打ち合わせた通りに進めれば良いわ。 クイナ姉が文句言うようだったら、私と紅葉ちゃんで潰すわ」
「そ、そうか・・・、よろしく頼む」
紅葉とアリアはガッツポーズをしていた。 紅葉のは分かり辛いがアリアを真似ているようだったので雰囲気で・・・だが。 仲良くなったのは事実だろうが、何やら二人が偉く好戦的に。。。
早く家に帰ってのんびりしたいな。
俺が近づいたのに気づいてか、クイナ筆頭にエルフ達が跪いた。
やっぱ慣れないな、こういうのは。。。
クイナの前に立つが、誰一人顔を上げる事は無い。 いつ始めていいのだろうか? 何から話せばいいのだろうか・・・考えが飛んでしまっていた。
「あー・・・、クイナと言ったな、頭を上げよ。 話し辛い。 こちらの要求主に3つ、細かく話せば多いが、お前に拒否権は無いと思え」
「・・・承知しております」
顔を上げ、こちらを見るクイナの表情や言葉は硬いが、大きな変化は無い。 問題はその後ろか・・・
昼間よりも悪化していた。 土に指がめり込んでいる。
外見は細身な男のようだが、締まった体をしているのだろう、見える腕には筋が出ている。
とてつもなく穏やかでないのが分かる・・・さっさと終わらせたいな。。。
「・・・?」
そう言えば、クイナの服装が鎧姿で無く、小綺麗になっている事に気づいた。
村人達は、麻で作られたような簡素な服だ。 布の中央に穴を開け、被って腰を紐で縛った程度・・・男性は丈が短く、女性は逆に丈が長い。 未着色と思われるベージュ色で、所々に黒い点が見えるのは植物の皮が残っていたのだろう。
対してクイナは、淡いピンク色の服で、丈の違う2種類の布を纏っている。 表にはピンク色の布地。 その下は足まで丈のある白い布だ。 村人のベージュとは明らかに違い白とハッキリ言える物だが、それも地面の土で汚れてしまっていた。 村長としての服装だろうか?
ただ、昼間の鎧の方が何倍も立派に見えるし、あれらはエルフの村で作られた物では無い気がしてきた。 こっちの服装の方が、文明レベルに合致している。 この世界の情報も・・・と考えが過ったが思い留まる。
「まず、一つ目だが、お前達の麦についての知識と、種、麦粉をよこせ」
10Lのゴミ袋と、500ccのペットボトルを渡した。 10Lの方に収穫した麦か麦粉末をを入れろと細かくクイナに指示した。
クイナから背後の男、そして村人へと伝わっていく。 後ろの村人も、権力順か何かで並んでいるようだった。
物が届くまでは、麦の栽培について確認した。 秋に種をまき、夏に収穫するようだった。 ほとんど現実世界と変わらない・・・。
実家が農家な俺の知識の方が、彼らより多いくらいだった。 それでも、多くの事が分かった。 季節は25日を目安に代わるが、若干の前後はあるようだった。
しばらくすると、ペットボトルには外殻の付いた種もみが届いた。 種まきを終えた後だった為、余った種もみをかき集めたようだ。 粉は外殻を取り除いた後で、町へ運んで製粉しているようだったので粉は得られなかった。 ただ、得てせずさらに川下に進めば町があるという有力情報が得られた。
「一つ目の要求には満足した。 二つ目は、俺達への干渉は控えろ。 アリアや紅葉、エイシャさんが求めた場合を除き、俺はそちらからの不干渉を要求する」
「・・・承知しました」
予想外にクイナはすんなりと条件をのんだ。 何か裏があるかも知れない・・・
「三つめは、俺達は家に帰る。 森を出る為の案内を一人よこせ。 森を出ればそいつは開放する。 以上がこちらの要求だ」
「・・・? えっ!?」
驚くクイナと、その背後の大勢。
「クイナ姉、早く帰りたいから誰か案内してよね?」
「わたしはもう夜だし、朝に帰るわ~」
「私は早く帰りたいっ!」
「それじゃ、アリアと紅葉と俺は帰りますね、エイシャさんは・・・まぁ大丈夫ですかね」
エイシャさんはいつも通り自由人だが、さっきクイナが不干渉をあっさり受け入れたのはエイシャさんと何か繋がりがあるからかもな。 まぁ、アリアや紅葉に危害が及ばなければ俺も不干渉でいよう。
紅葉が灯りを出せるという事で火魔法士は不要と判断され、夕方のが案内する役を任された様だ。
一人で良かったんだが兵士二人に案内されて森を進む。
村を出ても道は整備されていた。 獣道のような、木々を間をぬって進むような物とは比べ物になら無い。
2m程の幅で木が生えていない事から、切り倒すだけでなく切り株の処理までしているようだ。 その先には・・・
森を抜けると、眼前には空があった・・・
湖面は風に揺らされる事なく、静かに2つの月と星を写し輝いている。
「紅葉、少しだけ明かりを消してくれないか?」
「うんっ♪」
「少しだけ・・・眺めていたいんだ」
湖の畔に座り、もう一度眺める。
「・・・・・・ふぅ・・・」
月明かりが、黒いはずの全てを青く染めている。 注がれる光に魅入ってしまい、息をする事を忘れていたようだ。
深く息を吸い込むと、月明かりを取り込んでいるような気分にさえなる。
兵士も含め、全員が無言の時間を過ごしていた。
・・・
「ほら、あんまり遅くなると寝る時間が無くなっちゃうわよ?」
アリアの一言で、月の魔力から解放された。
時計は22時を回っている。 もう道草を食っている場合じゃない。
「行こうか、立ち止まっちゃって申し訳ない」
「これは中々見られない光景ですよ、足を止めても致し方ないでしょう」
兵士達がにこやかに笑みを浮かべていた。 嫌味は感じず、純粋な気持ちなのだろう。 悪感情ばかりで見られていた事がこれで変わる・・・訳無いか。
湖の外周を回り、再び森に入る。
その先は迷路だった・・・
目印のような物もなく、道らしい道も無くなり、右へ左へ・・・木々に隠れて月も見えない。 紅葉が出している明かりで照らしていても、見えるものは、木と草ばかり。 方向感覚はとっくに失っていた。
「こちらです」
「ありがとう、助かった」
遂に川原まで戻ってきた。 兵士にお礼を伝えると、彼らはすぐに森へ戻っていった。
「もう時間も遅いし急ぐね。 紅葉、アリアもこっちに来て」
紅葉は鎧の隙間に、アリアは抱き上げた。
「アリア、俺の首に手を掛けててくれないか? 落ちないようにね」
「う、うん・・・」
ギュッとアリアが腕に力を入れたところで、一気に走り出した。
装備をつけたまま全力で走った事は無かったが・・・これは・・・。 自転車に乗っているかのように周囲の風景が流れていく。 ただの道じゃなく、石等で足場が悪い川原でこの速度だ。 平坦な道ならもっと速く走れそうだ。
「二人とも大丈夫か?」
「私は大丈夫っ♪」
「私も大丈夫よ」
「それじゃぁ、跳ぶぞっ! 振り落されるなよ!」
アリスがグッと体を寄せてくる。 俺は速度を緩めず・・・川を・・・
ダッ! ザザッ・・・
「よしっ! 飛び越えれるみたいだな」
「サトシ、おめでと~」
「私は・・・別の方法をお願いしたいわ。 ちょっと怖かったわよ・・・」
「ダメかぁ・・・今度橋でも掛けようか」
「お願いね・・・」
首筋に顔を寄せて、アリアはそのまま静かになった。 腕には力が入っているようなので、その姿勢が気に入ったのだろうか? こうして密着している時間をもっと求めたくなる。 まぁ今日は無理だわな。
家に到着したが、間もなく日が変わろうとしていた。
月明かりは変わらず綺麗だが、眠気が今は勝っていた。
「それじゃ、今日は寝ようか。 俺も疲れたな・・・」
部屋に向かって歩き始めると、紅葉達が何か話しているようだった。
「おーい、紅葉 眠気がヤバくなってきたから・・・先に布団に居るね。 アリアもおやすみ」
布団に入るとすぐさま眠気が訪れた・・・
寒くなってきたが、布団は暖かいな・・・冬は露天風呂に絶対行くぞ・・・zzZZZ
実家に帰ったら、タイミングよく(?)新鮮なサンマを貰ったので屋外で12匹炭火使って焼いてました。
鮮度の良いサンマだったので、虹色に輝くサンマの皮が、焼いた状態でも綺麗でしたね。
秋サンマ・・・美味しかった・・・
しかし、2匹ずつ焼いたのでかなーり疲れました。。




