理解者
「うわぁあああ!異世界に落とされちゃったよおおおお!」
おっす!
変わらない日々、俺に訪れるのは悲しみのみ。バイトでは偉そうな偉いやつに怒られて、学校ではバカな男子女子に囲まれ六時間ほど拘束され心身ともに疲れ果て、家では家族がうるさく、とにかくfrustrationばかり溜まる日々でした。
いつもと変わらないある日。そう。その日僕はストレスを軽減できるとの情報をネットで仕入れ、外を散歩してたんだ。そんでさ。突然俺の足元に穴が出たんだ。日頃小説とかのサイトで何の穴か直感的に分かったよ。
異世界
確信した。そろそろ現世におさらばしようと思ってたから少しテンション高め。視界が一瞬で真っ暗になった。そして俺は閉じていた目を開ける。一面に広がる幻想的な景色。ではなく天井だった。そうか。道に倒れてる変わり者の俺を介護してくれた可愛いヒロインが今に出てくるぞ。俺はわくわくした。ヒロインは俺という主人公と結ばれる関係にあるからだ。お、足音がするぞ。どれ、どんな子なんだろう。
白衣を着た中年男性。病院?俺は一応言葉が通じると信じて問うてみる。あの、ここはどこですか?あなたは誰ですか?
中年男性は困ったような顔をする。どうやら言葉が通じないらしい。これは困った。どうやら俺は言葉を覚えなければならないらしい。ああ面倒くさい。
「あう。えぅ。いひゃいんよぎる。」男はまともな顔をしてこんなことを言っている。僕はこの中年男性は頭がおかしいと思った。ああ。助けて損した。