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プロローグ
プロローグ
ーこの光景は、本当に俺が生み出した物なのか…?
目の前に、鮮やかな赤色に染まった土の上に転がった、ついさっきまで人「だった」物が写っている。
ー嘘だ、こんな事があり得るわけがない。
願うような視線の先に、黒い霧のようなものを纏い、赤い液体に塗れた手が無慈悲にも現実を突き付けた。
ー何なんだ、これは。何が起こったというんだ。
見たいはずなんて無いのに、俺の目は、この光景から視線を移さない。
ー俺がこの人達を殺したのか…?
そう考えた途端、脳がその光景を見るのを拒否するように、その考えを無理矢理うち止めるかのように、俺の意識を何処か遠くへと飛ばした。