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ミナの冒険  作者: おおさんしょう魚
第一章始まり
6/51

第一の危機

「そろそろ、いいかな」

 ベッドから、這い出すミナ。服は昨日の騎士の服だ。

「これいいね。布なのに丈夫だ」

 ポーチを腰につけて、剣を背中にさす。盾もつけて。

「よし、いくか」

 扉が小さくキィィと音を立てて開く。

 周りの人たちを起こさないように、そーっと歩く。

 校門に近づいていくうちにキンカンと誰かが戦っている音が聞こえてくる。

「誰かが練習してるのかな」

 宿舎を出ると、誰が戦っているのかが分かった。

 満身創痍の、

「マルク!」




『マルク!』

 ちっ、ミナが来たか。

「来るな!」

「!!」

 ミナが驚く。

「こいつの狙いはミナちゃんやねん。逃げるか、先生起こすかしてくれんか?」

 カリクの説得。ナイス!

「うお!」

 なんだよ、ホントに。

「てやぁ!」


キン


「お目当てが来たようだ。君の相手をしている暇は無い」

「いかせない」

「その傷でどうするんだい?」

「どうにか、する!」

「本当に君はうっとうしいね」

 剣を相手が一振りする。っく、なんだよ、この威力!

「おらぁ!」

「おっと」

 ナイス!カリク!体制をととのえる。

「ミナ!先生起こしてきてくれ!」

「分かった!」

 


「分かった!」

 先生達起こさなきゃ!

 私は宿舎に戻り、ハナマさんの部屋を乱暴に開け放つ。

「ハナマさん!」

 この時間なら、この人は起きているはずだ。なのに、

「おきてください!ハナマさん!」

 どんなに揺さぶっても起きない。


フュン


 小さく音がして私の目の前に小さな精霊(みたいな)のが現れた。(全長20cmぐらい)

「だれ?」

「今は、気にしている場合じゃありません!この人は眠りの呪にかかっています。目覚めの唄をふくか、術をかけた奴が倒れるかしないと、おきません」

「目覚めの唄?」

 あれのことかな?

「フルート、取ってこなきゃ!」

 自分の部屋へ向かう。

「ここに、あった!」

 すぐさま戻る。

「おきてよ・・・」


♪~♪~


 フルートのきれいな音が宿舎に響く。


♪~♪~


「んぁ、なんだ?こんな時間に」

「大変なんです!」

 かくかくしかじか、ハナマさんに説明する。

「分かった直ぐ行く。他の皆を起こしていてくれ」

「はい!」

 数分後。

「マルク!つれてきた・・・」

「ミ・・・ナ・・逃げ、ろ」

 マルクはハナマ向かって倒れこむ。

「おっと」

 ハナマが支える。

「マルク!」

「ミナ、この子を部屋に。あと、カリクを、あれ?姿が見えないね」

 マルクを支えて、あたりを見回す。

「!、あそこだ!」

 カリクはいたけど、マルクを支えたままじゃ、無理だ!

 一度、マルクを部屋に連れて行き、戻ってカリクを助ける。

「ミナ、ちゃん・・か」

「ハナマさんたち起こしてきたから大丈夫!」

「大丈夫や、あらへん。マルクがあいつの・・・こと、思い出した、んや」

「アイツを知ってたの?!」

「歴史、で、習った・・やろ。あの・・・ギランや」

「え?」

 カリクの冗談だと思った。いや、思いたかった。

「うそでしょ・・そんな奴がなんで」

「逃げてくれ。頼む・・・」

「ダメ!皆が戦ってくれてるのに!」

「ミナちゃんがおらんかったら、皆悲しむ。みんなの悲しそうなかおが・・みたいわけちゃうや、ろ?」

「そうだけど!」

「しゃーない。マルクの・・右ポケットあさり」

「右ポケット?」

 あさる。何かあった。

「これ?」

「ちょっと、かし」

 言われたとおりに、カリクに渡す。

「あいよ」

 渡して直ぐに返された。

「なにしたの?」

「ちょっとした、おまじないや。ずっともっとき。じゃあ、逃げや」

「でも・・」

「逃げんと怒るで」

「・・・」

 その言葉で逃げたわけじゃない。でも、居たらギランに皆が殺されてしまいそうで。

 そうだよね。あいつの狙いは私なんだから、私が居なければここには用は無い。

「分かった。私は逃げるけど、絶対戻ってくるから!絶対無事で居てね!」

 その言葉を残し、私は騎士学校を出た。皆が無事なら、私は出て行こう。みんなの危険がなくなるように。



「行ってくれたか」

(行ってくれんと困るもんな。カリク)

「せやな。ハク」

 騎士学校はその後は平和でした。



 ミナが出て行って、二日後。騎士学校に来客があった。

「すいません」

 まだ、ギランとの戦いでできた傷がいえきっていないハナマが出る。

「だれだい?」

「ユウというものです。ここにミナという少女はいますか?」

「ミナ!?お前もミナを狙ってきたのかい?」

「いえ、そういうわけではなくその少女を探しているだけでして」

「でも、行き先が分からないから一緒だけどね」

「ここにいたんですね!」

「あぁ。二年ほど」

 来客は、ミナの探していたユウだった。

「ありがとうございます!」

 ユウはお礼を言ってから、走り出した。

「騒がしいやつだったね」

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