知恵の試練
『ここよ。がんばってね』
すぐに扉は開けられた。
始めにみえたのは分かれ道。さいっしょからめんどくさそうな・・・。
「えっと、「右きゅういちによんにに左きゅうさんなないちご」なんだこれ」
球さん奈々イチゴ?旧位置に四荷に?
周りを見るがヒントがあるわけでもなし・・・。
ん?旧位置四荷に。きゅう?9か!
「えっと、なら・・・。「右912422左93715」だからなんなんだ?」
その時頭にミナの声が浮かんだ。
『10は死ぬ生き残れ?なにそれ』
「あ・・・」
なら、分かれ道は・・。
右9+1=10 2+4+2+2=10
左9+1=10 3+7=10 5
左に行くべきなんだ。
左に行って進むと扉があった。
「?」
開けると、
『こんにちは』
さっき心の試練で会った少女が頬杖をついて座っていた。
「ハク?」
『違いますよー』
ニコニコ笑っている。
『今回は知恵比べですから術かけたりはしませんよ』
俺の考えを察したようで少女は言った。
「知恵比べ?」
正直言って知恵比べでミナに勝ったことが無い。
『えぇ。とりあえずお座りください』
自分の正面にあるいすを指差した。
『ただの数字あてですよ。私に勝てたら合格です』
ルール説明を受け、ゲームスタート。
一回目・・・負け
二回目・・・負け
三回目・・・負け
四回目・・・負け
その後百回目までやったが全敗。なさけねぇ。
『はぁ、弱すぎますよ勇者様。知恵比べといっているのに、全て勘でしょう?』
ばれたか。
『これは、確率の問題なんですから消去法とか、自分で導き出したヒントとかを頼りに推測をたて相手のものを当てるんです。
勘でやっている上に顔にでやすすぎですよ』
はぁ、と大きなため息をつかれた。そんなこといわれてもなぁ。
『つぎ、行きますよ』
このゲームは相手の三桁の数字を当てるものでミナとよくやった。百回に一回は勝てた。
『勘でやろうとしてたら一生私には勝てませんよ』
「なぁ、これの何処が知恵なんだ?」
『正しい知恵があれど、正しい使い方を知らなければ意味がありません。
このゲームは、推理力、観察力、記憶力の三つが試されるのでちょうどいいのですよ』
「なんか、探偵に必要そうな三つの力だな」
『そうですね』
数字を決める。今回は黒髪の少女からだ。
『123』
「位置なし、数字1」
俺の番。
「573」
『位置なし数字なし』
相手の番。
『248』
「位置1数字1」
俺の番。もう相手は予想がついてると見える。
「672」
「位置なし数字なし」
相手の番。
『27・・・4』
「位置3」
また負け。百一連敗。何なんだよ~。
『かおに出てます。だから、勘でしない!』
「消去法ってどうやってするんだよ」
『消去法じゃなくてもできます。次いきますよ』
今度は俺の番からだ。
「123」
『位置なし数字なし。123』
「位置なし数字なし。456」
『位置1数字1。456』
「位置なし数字なし。789」
『なんで、そうなるんですか。位置1数字なし』
黒髪少女は少し悩んでから言った。
『879』
「位置なし数字3。うわぁまたかよ。うーん」
暫く悩んむ。
えーっと、456に二つあって789に一つだから・・・。
「469?」
『!位置3』
「おぉ!」
運の勝利!
『はぁ。まぁ、合格としましょうか。普通なら合格にはなりませんけど、もう時間もありませんし』
黒髪を後ろに払う。
『あとはよろしくね。メアル』
『分ってるわよ。メラル』
いつの間にか黒髪少女の後ろに居たメアル。さっきまで居なかったよな。
『ユウさん。行きましょう』
「あぁ」
メアルの後を追っておくの部屋へ。もう見慣れた厳重に保管された緑に輝く何か。
手を伸ばす。
「!?」
大量に頭に流れ込んでくる知識。中には使うのか分らない複雑な魔法陣まで。
『大丈夫ですか?』
「ん?あぁ」
どうにかハッピークローバー全てを集めてルイたちのもとへ。
『お、戻ってきた』
『今回はかなり遅かったですね』
『百一連敗してたもの』
苦笑しながら言うメアル。
『あれを百一連敗!?どうやったらできるんですかそんな事』
有り得ないとでもいう風に首を横に振るソフィー。
「なんかできたんだよ」
『まぁ、いいじゃねぇか。それよりも次いこうぜ』
『はい』
「つぎ?」
まだ、何かあんのか!?
『はい。この上に向かいましょうか』
「上?」
階段を上がっていく。
『最後の「女神の間」です』
ソフィーが言って扉を開ける。
ヒュー
扉の先は外だった。細く伸びていく崖の先に、
「「「ミナ?」」」
カリクとマルクが横に居た。
「「あ、ユウ」」
「カリク、マルク。無事だったか」
よく見るとふたりとも傷だらけだ。
「あぁ、なんとかな」
崖の先に立っていた女性が振り返った。
ミナに似ているがミナよりも大人びていて、綺麗だった。
「来てくれましたか」
安堵するように彼女は言った。
「ソフィー、ルイ、ハク、メアル。よく使命を果たしてくれました。ありがとう」
『いえ、それが私達の役目でございますから。カルミナさま』
ソフィーが代表して答える。ん?カルミナ?
「あ・・」
「え・・・」
「カルミナさま!?」
崖のふちに立つ女性はにっこり笑い、深くうなずいた。




