神殿の迷路
「土くさいな」
マルクの声が神殿内に響く。
「あまり大きい声を出さないで。大きい声を出すと神殿中に響いてあいつらが出てきてしまうから」
ミナの小さい声がマルクの耳に届く。
「あぁ、わりぃ」
カツーン
小石が転がり壁にぶつかり音が響く。
「地下ってホント響くわね」
「別れ道だぜ、どっちに進む?」
見ると、道は真っ直ぐ行ったところでT字路になっている。
「左」
ミナは短く言って、左に曲がる。
「はいよ」
マルクもカリクも左に曲がる。
三人とも無言で奥へとつきすすむ。周りは少し薄暗い。
「?おかしいなぁ」
「?どうした?」
「敵が少なすぎるのよ。なにか・・罠にはまっている気分だわ」
周りを不審そうに見渡す。
「そうだな、敵が待ったくいない」
「?あれ?カリクは?」
「あれ?いねぇな」
周りを見渡しても、敵とカリクは居ない。
「どうしたって、奥に進むしか無いわね」
後ろは閉じられている。
「ちっ」
「完全に罠ね」
それでも、ミナたちは奥へ奥へと進んでゆく。
一方、
「豪華な歓迎の仕方やなぁ~」
カリクの前には敵。坂で出会ったゴブリンの大群よりも数が多い。
「ちゃんと倒してあげんとな」
そして、
「ねぇ、マルク。何かおかしくない?」
「それは大分前から分かってる」
「ずっと歩いてるけど、何にも無いよね?」
「後ろは閉じてるぜ」
ミナとマルクは迷走中だった。
「これ、緩やかに右に曲がってる・・」
「ずっとぐるぐる回ってたってことか」
ミナは壁を調べ始める。
「特に何かあるわけでもないし・・」
「おわっ!!とととと」
「「カリク!?」」
いきなり壁からカリクが出てきた。
「んあ?ミナちゃん?マルク?なんでこんなとこおるん?」
「「こっちが聞きたいわ!!」」
お互いに事情説明中・・・・
「んで、敵倒した後に奥にあった扉入ったら、ここに来たってわけ」
「つまり、あなたはどこかで私達とはぐれたって事ね」
「そやな」
呑気に言うカリク。
「とりあえず、この通路を抜けねぇと何もできないぜ」
「そうね。でも大体は分かってるから」
壁を触りながら、前に進むミナ。
カッ
指に何かが当たる。よく見るとそこだけくぼんでいて、指に当たったのはそのくぼみの淵だった。
「これに」
サファイアを取り外しはめる。
ガコンッ
サファイアをはめた辺りが円形で前に出てくる。
ガガガガ
まわるとその周りもせり出し、横にスライドした。
「隠し扉、ね」
「こんなのがいっぱいありそうやな」
「色々不思議すぎるだろう。この神殿」
「奥に進むよ」
隠し扉の奥へと進む。
ピギャーー!!
「いきなりは心臓にわるい!!」
そういいながらマルクが切り捨てる。
「こいつらも居るんだよね」
うざったそうに言う。
「それでも、奥に進まんとあかんやろ」
進むうちに、その辺で手に入れた地図で広間と書いてある場所に出た。
「全然広間には見えねえな」
「迷路にしか見えないわね」
目の前に聳え立つ壁。迷路のように通路を作っている。
「ひだりてほうだっけ?でいってみよう!!」
曲がり道のたびに左に曲がる。左に曲がれなかったら右に曲がる。
左
左
左
右
左・・・・
「あれ?ここ入り口だ」
「途中で右に曲がったから戻ってくるはずないんだがな」
「おっかしいな~?」
この後数十分ミナたちは迷い続けた。




