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ミナの冒険  作者: おおさんしょう魚
第一章始まり
2/51

プロローグ

「なぁ、向こうの神殿いかない?」

 私が、ユウに聞く。

「神殿行くには大人がいないとだめだろ?ミナ」

「えー、お母さんいたら自由に行動できないでしょ。だから、私とユウのふたりだけ」

「好奇心旺盛なのは、たまに傷だな」

 私達二人はお母さんの鳥を使って神殿に向かった。いま思えば、これは敵の仕掛けた罠だったのかも知れない。神殿に行くのを止めていたら。その思いは今になっても消えはしない。いまの私達が知る由も無いのだが。

「わー、気持ちいー」

 鳥の背に乗ってかぜを体で受け止める。

「そういえばミナ」

「なに?」

「大地ってしってるか?」

「あぁ、この雲海の向こうにあるっていう?」

 下を指差しながら言う。

「うん、俺行ってみたいんだよな」

 いつになく少しだけ目を輝かせていた。

「ふーん」

 ユウの願いはこの後直ぐにかなえられることになる。危険な形で。


ビュー


「きゃあ!」

 いきなり、凄い突風が吹きつけてきた。鳥が揺らぐ。

「あぶないぃぃ!?」

 ユウが手を伸ばす。けれど、私とユウは別々に鳥から落ちた。

「ユウ!」

 私は、叫んだ。十三歳の私の手が届くはずも無いのに手を伸ばす。だけど、ユウは笑っただけだった。

(どうしてこんな時にわらえるの?)

 私は不思議だった。ユウは、最後に何かつぶやいたけど聞こえなかった。

 ユウは、私を助けには来ないだろう。そういう人だというのを私は知っている。だから、

私が助けに行く。ユウを。そして私の持ってるフルートで街に帰るの!

 私の最初の目的。だけど、まだまだ先で発覚する事実で目的は変わる。だけど本当にまだまだ先の話。




 俺は笑った。ミナを安心させるために。うまく笑えただろうか。なきそうになってるようにしか思えない。神殿に行くの、止めさせとけばよかったな。

「カルミナさま、どうかミナを・・・」

 声が出なくなってしまった。ミナが見えなくなって怖くなってしまったのだろうか。

 我ながら情けない。どうせ落ちていくんだ、風に身を任せよう。

「ミナを助けに行こう。こんな時ぐらい、な」

 おれの目的はコレだった。だが、大地での出会いでおれの目的は変わる。まだ先の話だが。

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