カザルム山噴火
「ふぁ~」
あくびをする。眠い。寒い。
『ミナさん起きられましたか?』
ソフィーが声をかけてくる。
「うん、でもここカザルムに向かってるのか疑っちゃうくらい寒いわね」
そう、ここはカザルムではなくカザルムに向かう途中の村で、一晩泊まらせてもらったのだ。
「でも、村があってよかったー。またの野宿かと思ってたから」
『フェアルの森では難儀しましたからね』
フェアルの森で野宿をしたときは火をつけているときはいいのだが、消して眠ろうとすると大量のゴブリンが襲ってきたのだ。
「もう、いや。あんなこと」
つぶやきながら服を着がえる。沐浴に使った服で寝ていたのだ。
『私だって嫌ですよ』
階段を下りると、宿主が声をかけてきた。
「早いねー、もうでてくのかい?」
「はい。急いでいるので。ありがとうございました」
ぺこりとおじぎをする。
「朝ごはんはいらないのかい?」
その言い方がとてもハナマに似ていた。
「はい。では」
ミナは宿を出て行く。
「びっくりしたー。ハナマさんそっくりに言うんだもん。懐かしくなっちゃった」
後ろを振り向く。騎士学校のあったクリエン村がある方向だ。
「でも、もう戻れない。気づいてしまったら気づかなかった頃にはもう」
歩き出す。
「私が封印したら、マルクたちの危険が減るんだよね」
『ユウさんがハッピークローバーを使えば危険など無くなります』
「ハッピークローバーを見つける間、私が封印していないといけない」
真剣な表情でカザルムのある方向をにらみつける。
「だから、私はいかないといけないんだ」
《身を清めにいくのはそれだけが理由じゃないんですけどね》
「いこう」
『はい』
そして、
「あっつい!!」
カザルム山登山口。ミナはすでに汗だくだった。
「何でこんなにあついの?もう、水筒が空になるわよ」
『いちおうこのカザルム山にも川はありますよ(すっごいちいさいですけど)』
「なら、いいけど」
カザルム山に足を踏み入れる。
ボコボゴ
「?」
土煙が上がる。
<おうおうおうおうおうおう!!勝手に俺たちの・・ってお前違うじゃねえかよ>
「は?」
<すまねえ、最近俺たちの家を荒らす奴がいるモンでな>
出てきた奴はモグラと犬が混ざったような・・
『モグ犬族ですか』
(名前そのまんま!?)
なぜか私以外にもこの名前につっこんだ人はいるような気がした。
<モグ犬族?なんだそりゃ?そんなダサい名前はずっと前に長老が捨て去ったぜ!!>
「え?じゃあ名前は?」
<おれか?おれはイヌモ族のカンだ>
「イヌモぞく!?それもそんなに変わらない気が・・・」
そこでミナは台詞を止める。カンが思いっきりにらみつけてきたのだ。
「とりあえず。とおっていいよね?」
<ああ、いいぜ>
ミナはカザルム山を登っていく。が、
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
<なんだぁ?!>
「なに?!」
『これは・・・・』
ドカーーン
『「<噴火ぁ!!!>」』
三人(?)同時に叫ぶ。
<溶岩の流れがはええ。俺はこれでおいとま!!>
カンがもぐっていく。
『ミナさん!!』
その瞬間、ミナの頭に岩が激突した。小さいものの気絶させるには十分な威力だった。
「ソフィー・・・」
意識が朦朧とする。ミナはそのまま倒れてしまった。




