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FILE2【逃げるヒヨコはただのバカ!】#4
「何故なの、裕麻ちゃん? 大体想像つくけど……」
「ド素人だから、すぐに気付いたのよ。これくらいに気付かなかったのは何処の誰の助手かしら~」
遠まわしに「バカ」と言っているのと同時に「私の右につくならば、私のレベルに合わせなさい」と彼女なりの命令があった。
そんな俺は、まるで一国の女王の右腕となり、その女王をしっかり支えられるような人になったら良いのだろう、と結論付けた。
「やっぱり……」
三浦さんに俺は流石だと思った。彼女の同類だから。
「と、まあ、それでね。寝かせておいたら、何かで裕麻ちゃんの手錠を外してあげて。そしたら、キッチンに来てホットケーキ作るの手伝ってね」
「了解」
時雨さんはすぐに仕事に取り掛かった」
「さ、リビングに行くわよォ」
三浦さんは楽しそうに行進する。それを見て、彼女は懐かしそうに笑みを浮かべた。そして俺は、苦笑した。