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勝ち確ヒロインはなぜか今日も負けている  作者: にぃ


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第12話 委員長っぽい見た目(委員長に向いているとは言ってない)

 

「そろそろクラス委員長を決めてもらおうと思う」


 入学してから1ヶ月。

 HRにて担任の郷田先生が提言してきた。


「なるべく部活動に属していない人間がいい。誰か立候補はいないか?」


「「「…………」」」


 当然というべきか、誰も手を挙げる人などいない。

 先生もこの展開は想定内らしく、用意していた次の言葉を繰り出してきた。


「では推薦はいないか? 入学して1ヶ月も経ったんだ。そろそろ互いのことを知れた頃だろう? 委員長にふさわしいと思う者は誰だと思う?」


「「「…………」」」


「お前らなぁ……」


 クラス委員長なんてただの面倒ごと誰もがやりたくないことだろう。

 それを全員分かっている故に、そんな面倒ごとに推薦するイコール友情崩壊に繋がりかねない。

 グループでの結束が固ければ固いほど推薦などできないのだ。

 誰もが遠慮する中、席子ちゃんがビシッと手を挙げる。


「先生! 氷室さんがいいと思います!」


「友情崩壊の危機がそこに!?」


 ビックリして目ん玉飛び出るかと思った。

 なんてことをいうんだこのギャルモドキさんは。


「氷室か。どうだ? やってくれるか?」


「もちろんやりません!」


「……全力で嫌がってきたな。どうしてそんなにやりたくないんだ? 内申点付くし、進学に有利なポイントになるぞ?」


「わ、私にクラス委員長なんて大役普通に無理です! クラス委員ってあれですよね? 文化祭の演劇で主演が怪我をしたときに代役として演じる羽目になるやつですよね? 私にはそんなの絶対できません!」


「それは別にクラス委員長の仕事ではないな!?」


「とにかく私には絶対無理なんです!」


 どう考えても私には不釣り合いな役職。

 もっと陽キャみたいな人がやるべきだ。


「しかし他に推薦がいなければ氷室にやってもらうしかなくなるが……氷室自身は誰か推薦したい人はいないのか?」


「はい! じゃあ席子ちゃんを推薦します!」


「誰だよそれ」


「えと……藤……藤井さんです!」


「誰だよそれ!?」


 あ、あれ? 席子ちゃんの名前なんだっけ?

 もういいや面倒くさい。

 私は席子ちゃんの手を引っ張り上げ彼女の顔に指を刺した。


「この子です!」


「ああ。藤代か。お前はどうだ? クラス委員長やる気はあるか?」


「あっ、私はテニス部に所属しているので無理です」


「席子ちゃん、そんなヤリサーみたいな部活に入っていたの!?」


「全国のテニス部に謝れ!?」


 私達のやり取りにクラス中がクスクス笑っている。


「(氷室さん必死過ぎ! オモロ)」

「(本当に委員長やりたくないんだね)」

「(でも氷室さんって委員長に向いてそうな気がするんだよなぁ)」


 ま、まずい。このままだとまずい。誰かを推薦して犠牲にしないと!


「先生。私も氷室さんがいいと思います」


 誰!? なんか知らない人に推薦された!


「俺も氷室さんがいいと思う」


 なんで!?


「私もー! なんか氷室さんって放っておけないタイプだからそういう人がトップの方がクラスがまとまると思うな」


 放っておいて!?


「氷室さん。三つ編みに眼鏡だから委員長っぽい見た目しているし、僕も氷室さんを推薦します」


 見た目で決めないで!?


「(ミキティがクラス委員長か。当然の人選だな。ミキティがオロオロしながらクラス会議をする姿なんて絶対可愛いに決まってる。想像するだけでも萌えー! ミキティ萌えー!!)」


 萌えるな広井君。実際にあり得そうなシチュエーションで勝手に萌えるのやめて。


「よし! じゃあクラス委員長は氷室で決定だな。次は副委員長を決めるぞ」


 委員長に決まっちゃった!?

 う、嘘でしょう? 絶対向いてないって。どうしてみんなそれがわからないかなぁ。


「氷室。副委員長はお前が名指しで決めていいぞ。部活動に属していない男子な」


「だ、男子!?」


 困った。男子と全然接点持たない私には誰かを任命することなんて……

 しかもここで名指しされるってことは実質私のおもりをさせるということで。

 そんな気の毒な任命私にはできない——


「——先生。俺、副委員長やります」


 広井君!?


「おお。広井やってくれるか。氷室も副委員長は広井で構わないか?」


 その問いかけに首をコクコク縦に動かす。


「よし! 委員は無事に決まったな。お前ら、委員長達に迷惑かけるんじゃないぞ」


 こうして流されるままに私と広井君がクラス委員を担うことになってしまった。

 正直不安だらけだ。

 でもそれだけではなかった。

 心の奥底に『嬉しい』という暖かな感情が存在する。

 私は思った以上に広井君が副委員長に立候補してくれたことが嬉しかったようだ。

 私はこっそり広井君に耳打ちした。


「ひ、広井君。ありがとう。よろしくね」


「……ああ。よろしく」


 ぶっきらぼうに返事をする広井君だが——


「(んぎょひぃ! ミキティの吐息が! 吐息が耳にぃぃ! り、立候補してよかったぁぁ! 全力でミキティを支えるからな。俺の全てをかけてミキティを立派なクラス委員長にするからな! ここが頑張り時だぞ、俺!!)」


 ……吐息を吹きかけたつもりはないんだけどな。

 まっ、広井君が喜んでくれたなぁ……いい、のかな? えへへ。


「(それに副会長ならクラス会議の時にオロオロしながら司会進行を健気に進めようとするミキティを一番近くで見ることができる。そんな美味しい役目誰にも譲ってたまるものか!)」


 とんでもない動機だった!?

 全力で私を支えるって誓いを一瞬で破ろうとしないでよ!

 全く。しょうがないなぁ広井君は。

 こうなったら本当に広井君に迷惑かけてやるからね。かけまくってやるから覚悟しろよ~?


「(にやにや)」


 さて、後ろでニヤニヤ眺めている席子ちゃんにはしっかり教育する必要があるな。

 ていうか彼女にも委員活動手伝わせよう。うん、決まり。


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