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『我儘な玩具箱(トゥテソロ)と少年ハンター 〜才能ゼロと鑑定された俺が、代償を払って神具を使いこなすまで〜』  作者: フジサン デス


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第66話:疑念と真実と、神の気まぐれ

第66話:疑念と真実と、神の気まぐれ


ローズの視線は床に雑に転がされたオリハルコン原石から――

ゆっくりと、ウルガへ戻った。


「……つまり、あなたはこう言いたいのね?」

腕を組み、首を傾げる。

「その猫が“神様”だと?」

「……ああ」

ウルガは額に汗を浮かべながら、真剣な顔で頷いた。


「本当だ。冗談じゃない」

「……」

一瞬の沈黙。次の瞬間。

「――ふふっ」

ローズは、小さく笑った。

「面白い冗談ね」


「なっ!?」

「確かに珍しい猫ではあるけれど」

「魔力反応も高いし、知性も異様」

「でも“神”? さすがに飛躍しすぎよ」

理路整然とした否定だった。


「そもそも、神性反応がないわ」

「測定器も反応しない」

「記録にも該当しない」

ローズは指を立てながら淡々と言う。


「結論。あなた、オリハルコンが欲しくて話を盛っているか――」

ちらり、とバステト様を見る。


「その猫に異常な愛着がある変態なだけね」

「なっ…ち、違う!!」


ウルガが慌てて声を張り上げる。

「本当なんだ!

ただ……普段は猫の姿で……」

「はいはい」

ローズは軽く手を振った。

「信じるに足る根拠が――」


その時。

「――くく」

小さな、楽しげな笑い声が響いた。

全員の視線が自然とソファの上へ向く。

そこには、丸くなって話を聞いていたバステト様。

「疑うのも無理はないのう」

尻尾をゆらり、と揺らしながら。

「人の理屈では神は測れぬ」

「……?」


ローズが眉をひそめる。

「今……喋った?」

次の瞬間。

空気が変わった。

圧倒的な神威が実験室を満たす。


光でも音でもない。

ただ“理解させられる”存在感。

バステト様の姿が、ゆっくりと変わっていく。

猫の姿は霧のように溶けそこに現れたのは――

威厳と美を兼ね備えた女神の姿。


「……な……」

ローズの声が、掠れた。

測定器が一斉に沈黙する。

魔力計測不能。解析不能。

警告すら出ない。


「妾はバステト」

静かな声が直接魂に響く。

「神である」

ローズの膝が崩れ落ちた。

「……っ!!」

理解が追いつく前に身体が動いた。

反射的に深く床へと跪く。

「……し、失礼を……

無知な発言を……」

「よい」

バステト様は興味深そうにローズを見下ろす。

「疑う姿勢は嫌いではない」

ローズは震えながら顔を上げ――

次の瞬間その目が異様な輝きを放った。

「……本物……」

息を呑み。


「本物の……神様……」

そして。

「……お願いします」

深く、深く頭を下げる。

「研究させてください」

「……は?」

ウルガ、素で声が漏れる。

「神という存在を理解したいのです……!」

涙目でしかし恍惚とした表情。

「非侵襲! 倫理厳守!

観察だけでも、測定だけでも……!」

その光景に、

「……ドン引きだよ」

「……完全にアレな人だな」

「……昔からこうだ」

三人は揃って距離を取った。


だがバステト様は――

くく、と楽しそうに笑う。

「人の欲とは実に面白い」

「よかろう」

ローズの顔が一気に輝く。


「ただし条件がある――」

物語は交渉と狂気の領域へ進んでいく。

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