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『我儘な玩具箱(トゥテソロ)と少年ハンター 〜才能ゼロと鑑定された俺が、代償を払って神具を使いこなすまで〜』  作者: フジサン デス


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第60話:オリハルコンを求めて

第60話:オリハルコンを求めて


セレナが動くと決めた以上話は早かった。

「ウルガ、行くわよ」

朝のギルド。

椅子に腰掛けていたウルガは唐突な一言に顔を上げる。

「……どこに?」

「オリハルコンの素材探しよ。聞いてたでしょ」

有無を言わせぬ声音だった。

「いや、言ってたけどさ……準備とか心の準備とか――」

「そんなもの不要よ」

即答だった。

結果、数刻後。

集まったのは、いつもの顔ぶれだった。

ウルガ、セレナ、エンキド、そして――

バステト様(猫形態・日向ぼっこ気分)。

「なんで俺まで巻き込まれてんだ……」

ウルガがぼやくと、

「護衛役は必要でしょ?」

セレナが当然のように言い切る。

「まあ、いいんだけど…」

エンキドは肩をすくめつつ、顎に手を当てる。

「で、本題だ。オリハルコン原鉱だが――

正直に言うと、自然採掘はほぼ無理だ」

「鉱山には無いの?」

「無いとは言わんが、期待するだけ無駄だな。

オリハルコンは“世界の都合”で生まれる金属だ。

狙って掘れるもんじゃねぇ」

その言葉に、セレナの表情がわずかに曇る。

「じゃあ……どうするの?」

「一応、もう一つ手はある」

エンキドは指を一本立てた。

「不定期で王都に開かれるオークション。

そこで、たまーに出る」

「落札額は?」ウルガが聞く。

「現実的じゃない」即答だった。

「王族、超大商会、国家直属の錬金術師。

そういう連中が本気で競り合う、俺たちが札を上げた瞬間、場違いでつまみ出されるぞ」

ウルガは頭を抱えた。「詰んでないか、それ」

セレナも、珍しく言葉を失っている。

だが。

エンキドは、なぜか笑っていた。

「だから言っただろ。

俺にあてがあるって」

三人の視線が集まる。

「出品前だ」

「出品前?」

「そう。オークションに出るってことはその前に“持ち主”がいるってことだ」

エンキドは自信ありげに言い切った。

「俺に心当たりがある。

表に出す前なら、交渉の余地はある」

「……本当なの?」

セレナが食い気味に聞く。

「賭けにはなるがな」

エンキドはニヤリと笑った。

「だから――とりあえず王都に行くぞ!」

その瞬間。「にゃあ」

バステト様がウルガの肩に軽やかに跳び乗った。

「……あ」

「同行決定、ね」

セレナが言う。

ウルガは小さくため息をつきながら空を仰いだ。

「……また、厄介な旅になりそうだ」

こうして一行はオリハルコンという“世界でもっとも気まぐれな素材”を求め、

王都へ向かうことになるのだった。

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