表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
『我儘な玩具箱(トゥテソロ)と少年ハンター 〜才能ゼロと鑑定された俺が、代償を払って神具を使いこなすまで〜』  作者: フジサン デス


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

45/63

第42話 世話係に就任

第42話 世話係に就任


「じゃあ今日はエンキドの番だね」

朝のギルド食堂。

ウルガはパンをかじりながら、あまりにも軽い調子でそう言った。

「……は?」

エンキドの手が止まる。

「俺とセレナは午前中、軽い依頼だから」 「バステト様の世話、頼んだよ」

「なんでそうなる!?」 エンキドは即座に立ち上がった。

「公平だろ」 ウルガは肩をすくめる。 「昨日は俺がやったんだから」

「昨日は寝てただけじゃん!」 「世話ってレベルじゃねぇぞ!」

セレナは静かに茶を飲みながら言う。 「問題ないわ。危険は……少ないはずだから」

その“はず”に、まったく信頼感がない。

「……おい」 エンキドは視線を落とした。

テーブルの上。

バステト様は当然のように香箱座りをし、エンキドを見下ろしている。

「ふむ」 「不服そうじゃな」

「いや、不服しかないけど!?」 エンキドは指をさす。 「なんで俺が猫の――」

バステト様の尻尾が、ぴしん、とテーブルを叩いた。

「見下ろすでない」

「すみませんでした!!」

即座の土下座だった。

ウルガとセレナは無言で立ち上がる。

「じゃ、頼んだ」 「留守番頼んだわよ!」

「おい待て!!」 エンキドの叫びは、二人の背中に虚しく消えた。

―――

「……で、何すりゃいいんだよ」

ギルド内、ソファ。 エンキドはバステト様と向かい合って座っている。

「まずは飲み物じゃな」

「猫が飲み物……?」 「水?」

「温いミルク」 「蜂蜜はほんの少し」

「注文多くない!?」

数分後。

エンキドは真顔でミルクを差し出していた。

「……ほう」 バステト様は一口舐める。 「悪くない」

(評価されてる……?)

「次は?」

「撫でるがよい」

「は?」

「撫でる」 「顎の下じゃ」

「……」

恐る恐る手を伸ばす。

ふわっ。

(……柔らか……)

「そこじゃ」 「もう少し右」

「はい……」

完全にペースを握られていた。

その頃、ギルド内を通りかかった冒険者たちが足を止める。

「……エンキドのやつ 苦笑」 「猫様のお世話係ってか 笑」

「猫じゃらし いるか?」

「いらん!」

バステト様は満足そうに目を細める。

「うむ」 「悪くない下僕じゃ」

「下僕って言った!?」

「言ったぞ」

正午。

エンキドは魂の抜けた顔でソファに崩れていた。

「……世話係って、こんな……」

その腹の上で、バステト様はすやすやと眠っている。

「……まぁ」 小さく呟く。 「寝顔は、悪くないな」

その瞬間、バステト様の尻尾がぴくりと動いた。

(今の……聞こえたか?)

聞こえていた。

が、何も言わない。

ただ一言、夢うつつで。

「……合格じゃ」

エンキドは、なぜか少しだけ誇らしい顔をしていた。

リーナの嫉妬と怒りに満ちた顔に気づかぬまま…

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ