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『我儘な玩具箱(トゥテソロ)と少年ハンター 〜才能ゼロと鑑定された俺が、代償を払って神具を使いこなすまで〜』  作者: フジサン デス


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第41話 平和すぎる朝

第41話 平和すぎる朝


ギルドの朝は、驚くほど静かだった。

「……静かすぎないか?」

腕を組み、ウルガが呟く。

「昨日までが異常だっただけよ」 セレナは淡々と答えながら、槍の手入れをしている。

「そうかなぁ」

エンキドは椅子にだらしなく座り、欠伸をひとつ。 「今日は平和って感じがするけどな」

その会話をよそに、バステト様はテーブルの上で丸くなっていた。 片目だけを開け、尾をぱたりと一度振る。

「……退屈」

「喋った!?」 エンキドが反射的に突っ込む。

「いつも喋ってるだろ 苦笑」 ウルガは慣れた様子で掲示板に目を向ける。

「退屈って言われてもな……」 セレナも思わず苦笑する。

「動きがなさすぎるのは良くない」 バステト様は猫らしく前足を舐めながら、ぽつりと言った。 「油断してる時ほど、変なことは起きるのじゃ」

(妙に含みがあるな……) ウルガはそう思ったが、深く考えるのはやめた。

掲示板に目をやる。

「……迷子の猫」 「……畑を荒らすモグラ退治」 「……荷馬車の護衛(半日)」

沈黙。

「……平和よね」 セレナがしみじみと言う。

「猫探しって」 エンキドが笑う。 「報酬、干し魚だってさ」

その瞬間、バステト様の耳がぴくりと動いた。

「……干し魚?」

「え、反応する?」 ウルガが思わず見る。

「……まぁ、悪くない」 澄ました顔で言い、視線を逸らす。

「受けるのか?」 エンキドが面白そうに聞く。

バステト様は一度だけ、短く鳴いた。

「行けば分かる」

「……よし」 ウルガは頷いた。 「今日は猫探しだ」

「世界を救わない日も必要って事ね!」 セレナが微笑う。

こうして――

特に何事もない、

あまりにも穏やかな一日が始まった。

バステトは内心で思う。

(……干し魚は、正義)

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